エピソード18(脚本)
〇公園のベンチ
久保田光「違う、違う、僕のせいじゃない」
久保田光「しょうがない、しょうがないことだった」
久保田光「どうしようもなかった、僕のせいじゃない」
ブー・・・ブー・・・
久保田光「・・・戸村?」
『街中で発見! 追跡なう(*^▽^*)/』
久保田光「こ、これって!」
〇開けた交差点
ブー・・・ブー・・・
電話の着信には「久保田光」の名前がある。
戸村龍也「お掛けになった番号は現在使われて——」
「何やってんだよ、やめろ!」
戸村龍也「久保ちゃん、すげードキドキする」
戸村龍也「ホラーゲームで見つかったら死ぬやつなんて言ったっけ、あれの気分」
「本当にやめて、危ないから。お願いだから・・・」
戸村龍也「レレレのレ、赤の他人でしょ、俺は」
「いや、それは・・・」
戸村龍也「心配すんなって、俺が死んでもそれは俺の責任だから、久保ちゃん悪くないよ」
戸村龍也「あ、ヤバ、赤地こっち来た。切るね、じゃ」
「あ、ちょっと」
戸村龍也「・・・・・・」
赤地正男「・・・・・・」
戸村龍也「ふう・・・」
龍也のスマホに通知音。
『今どこ、僕も行く』
戸村龍也「・・・ふふ」
〇高級マンションのエントランス
赤地正男「どうも」
警備員「はい、どーも」
オートロックの扉の、鍵を開ける赤地。
おじさん「どうも」
ドアの鍵を開けるおじさん。
警備員「はい、どーも」
戸村龍也「どうも」
警備員「はい、どーも」
ドアを開けたおじさんと一緒に、マンションの中へ入っていく龍也。
警備員「え?」
警備員「・・・はて?」
〇マンションの共用廊下
戸村龍也「侵入成功、ふいー」
龍也が光と通話しながら物陰に隠れている。
「戸村、近づきすぎだよ」
戸村龍也「虎穴にいらずんば虎児を得ず」
戸村龍也「虎穴とは虎のケツの穴ではなく、巣穴のことでありまして——」
「それぐらい知ってる、バカにすんな!」
「・・・じゃなくて、やっぱり危険だよ!」
戸村龍也「いつまでも逃げててもどうしようもないでしょ」
戸村龍也「ここがアイツの家なら、事件の証拠をつかむ絶好のチャンスだよ」
「でも、そんな」
戸村龍也「ムリだよ、俺もう我慢できないもん、イっちゃう、イっちゃう」
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