第一豆 クサった世界で抗う奇天烈うさぎ(脚本)
〇荒野
〇荒廃した市街地
ぞびちゃん「ぞび」
ぞびお「ぞ、び」
〇荒廃したショッピングモール
オーレンジ「ふむふむ」
無線の声「オーレンジ、視えるかメ?」
オーレンジ「かめ?」
無線の声「だ・れ・が・カ・メ・だっ!」
無線の声「空気中に漂う胞子が 視認出来ているかと聞いている!」
オーレンジ「視えるうさ〜♪」
オーレンジ「博士が改良したおかげうさ!」
〇諜報機関
フニク エマメ「フニックック! そうだろう、そうだろう!」
フニク エマメ「小生の技術は天下一だメ!」
〇水の中
フニク エマメ「ゾンビビーンが生成する"ZBスポア"」
フニク エマメ「コイツを可視化出来るようになるまで どれだけ試行錯誤したか‥」
〇諜報機関
フニク エマメ「お前が危険区域で行動出来るのも 小生のお・か・げ」
フニク エマメ「感謝する事だメ♪」
〇荒廃したショッピングモール
オーレンジ「感謝する事『ダメ』うさ!?」
フニク エマメ「小生の口癖が気になるのかメ?」
フニク エマメ「折角、人参コロネを作ってやったのにメぇ」
フニク エマメ「そうかメそうかメ、要らないようだメぇ」
オーレンジ「ごめんなさいうさぁ!」
フニク エマメ「解ったら捜索を続行したまえ」
フニク エマメ「──マイバディ」
オーレンジ「うっさうっさー♪」
〇諜報機関
フニク エマメ「バカ! 声が大きい!」
フニク エマメ「ほら、言わんこっちゃない」
〇荒廃したショッピングモール
ぞびちゃん「ぞび」
ぞびお「ぞ、び」
オーレンジ「あ」
オーレンジ「終わったうさ」
〇流れる血
「ぞ び び い ぃ ぃ ん ! !」
〇荒廃したショッピングモール
オーレンジ「博士ぇ〜助けてぇ〜!」
オーレンジ「痛いうさぁ!」
フニク エマメ「ボディは頑丈に出来ている」
フニク エマメ「故に痛覚は無いのだよ、オーレンジ君」
オーレンジ「ぞんびになっちゃうぅさぁ〜!」
フニク エマメ「落ち着きたまえ そもそもアンドロイドは感染しない‥」
オーレンジ「ぞびびぃ〜ん!!」
フニク エマメ「なんでやメん」
〇白
オーレンジ「スキあり──うさ♪」
オーレンジ「うさのツインテは〜♪」
オーレンジ「医療器具ぅ〜♪」
オーレンジ「にんじん注射器ぃ〜!」
〇荒廃したショッピングモール
オーレンジ「さあ! ワクチン接種の時間うさよ♪」
オーレンジ「ぷすり」
ぞびちゃん「ぞび!?」
オーレンジ「効果テキメンうさ!」
オーレンジ「こら、暴れるなうさ!」
オーレンジ「大人しくしないと βカロテンにして食べちゃうさ〜?」
ぞびお「ぞーびぞびびん?」
オーレンジ「もう一本いっとくうさ?」
〇諜報機関
フニク エマメ「ふー」
フニク エマメ「世話の焼ける兎だメ」
フニク エマメ「黒大豆うメぇ〜!」
〇黒
1年前
〇研究所の中枢
「ゴホッゴホッ」
フニク ダイズ「大丈夫だ」
フニク ダイズ「続けさせてくれ」
フニク ダイズ「完成したぞ」
フニク ダイズ「ペット達が」
フニク ダイズ「機械の身体を得て!」
フニク ダイズ「今日から娘達がマスターだ」
レイチ「かしこまりましたミ♪」
オーレンジ「うっさうっさー♪」
フニク ダイズ「エマメ、アズキ」
フニク ダイズ「世界を救って、緑をいっぱいにしてくれ」
フニク ダイズ「皆んな」
フニク ダイズ「父さんの自慢の娘達だ」
フニク ダイズ「母さんを」
フニク ダイズ「頼んだ」
フニク ダイズ「ぞ」
〇白
フニク アズキ「ボクって弱虫だよね」
フニク アズキ「怒りに我を忘れ‥」
フニク アズキ「不完全なまま『豆』をばら撒いてしまった」
フニク アズキ「ほんと」
フニク アズキ「こんな自分が嫌になるよ」
フニク アズキ「だからマメ姉、ボクを探さないで」
フニク アズキ「さようなら」
〇黒背景
〇諜報機関
フニク エマメ(世界を救う、か)
フニク エマメ(いや、違うメ)
フニク エマメ(巣食ってしまったんだ)
アズキ
お前はどっちだと思う?
〇荒廃したショッピングモール
フニク エマメ「オーレンジ」
フニク エマメ「ナビラビを設置して現在地を記録したまえ」
オーレンジ「りょーかいうさ!」
オーレンジ「お願いうさね!」
ナビラビ「ガルバンゾ」
〇白
オーレンジ「からの〜」
オーレンジ「豆まき〜♪」
〇荒廃したショッピングモール
〇白
オーレンジ「み〜」
オーレンジ「ずぅ!」
〇荒廃したショッピングモール
〇諜報機関
フニク エマメ「よくやった!」
フニク エマメ「後は感染者達を連れて帰って来たまえ」
フニク エマメ「帰ったら人参スムージーも待ってるメ」
〇荒廃したショッピングモール
オーレンジ「コロネに、スムージー!」
オーレンジ「博士ぇ〜嬉しいうさぁ♡」
ぞびぎゃる「ぞべりば♪」
オーレンジ「写真撮られたうさ!」
奴を追いたまえ
オーレンジ「ガルバンゾじゃない!?」
オーレンジ「あ、博士か」
〇諜報機関
フニク エマメ「アレは恐らく、噂の特殊個体だメ」
フニク エマメ「奴らは機敏な動きで翻弄し 捕食するのが特徴的だ」
フニク エマメ「フニックック! スマートフォンを扱うゾンビなんて」
フニク エマメ「明らかに普通じゃないメぇ」
〇荒廃したショッピングモール
感染者2名は運搬メカを送り込む
お前は奴を追跡し、可能であれば治療しろ
オーレンジ「ぅえ〜!?」
オーレンジ「あんな素早いぞんび、捕まんないうさ〜!」
恥ずかしい顔写真、撮られたのだろう?
オーレンジ「あーっ! そうだったうさ!」
オーレンジ「あのぞびぎゃる! うさのだらしない顔を勝手に!」
「待て〜!! 盗撮は犯罪うさよ〜!」
〇諜報機関
フニク エマメ「だから声が大きいって」
フニク エマメ(キナ臭くなってきたメ)
〇果物
〇荒廃したショッピングモールの中
オーレンジ「ぞびぎゃるぅ〜!」
オーレンジ「出てこいこの‥」
オーレンジ(ぅわ、暗くて怖いうさねー)
オーレンジ「まぶぴっ!?」
???「"ライチ爆弾"」
〇黒
〇荒廃したショッピングモールの中
オーレンジ「あっぶな!? 誰うさ!」
???「あら? 貴方にしては反応が良いですミね」
レイチ「ごきげんよう、私の妹」
オーレンジ「うげ!? レイチ!」
レイチ「ちょ、『うげ!?』って何ですミ!?」
レイチ「まるで汚物を見るような物言いですミね!」
レイチ「それに! 『レイチ姉』でしょう?」
レイチ「一緒に居た頃は あんなに呼んでいたのミ‥」
レイチ「逃がしませんミよ!」
〇黒
オーレンジ「抜き足、差し足‥」
オーレンジ「うさぎ足‥」
〇荒廃したショッピングモールの中
オーレンジ「ぃたーい!」
レイチ「全く、油断出来ませんミね!」
「ぞびびぃぃん!!」
レイチ「ちょっと! じゃれつかないでくださいまし?」
レイチ「まあ、いくら噛んでこようと 私はアンドロイド!」
レイチ「感染なんてしないのですミ〜ィ!」
〇荒廃したショッピングモールの中
レイチ「ミ?」
レイチ「何で言わなくてはならないのですミ?」
レイチ「ああ、もう! 分かりましたミ!」
レイチ(そんな風にお願いされては断れませんミ‥)
レイチ「いやっ」
レイチ「ゾンビになっちゃいますミ〜ィ!」
レイチ「ぞ」
レイチ「ぞびびぃん」
レイチ「無反応ぅ!?」
ぞびぎゃる「ぞべりば♪」
レイチ「こら! 私は撮影NGですミよ!」
ぞびぎゃる「ぞべり」
レイチ「コホン」
レイチ「単刀直入に言いますミ」
レイチ「そちらの感染者達を引き渡して頂きますミ」
レイチ「マメ博士、聞いてらっしゃるのでしょう?」
オーレンジ「あ、ナビラビ」
──久しぶりだメ
コード001:レイチ
〇諜報機関
フニク エマメ「残念だったメ」
フニク エマメ「先ほど運搬メカが回収したところだ」
フニク エマメ「フニックック、お前が居るという事は アイツも近くに居るという事」
フニク エマメ「アズキは元気にしているかメ?」
〇荒廃したショッピングモールの中
レイチ「よくも抜け抜けと!」
レイチ「貴方の‥」
レイチ「シェルター側の人間達の所為で!」
レイチ「マスターは世間から悪者扱いされ続けているのですミ!」
レイチ「一体どれだけのバッシングを受けたか‥」
レイチ「貴方がマスターの側に居てくれていたなら!」
レイチ「どんなに心強かったか‥!」
オーレンジ「レイチ姉ぇ‥」
オーレンジ「あのね」
オーレンジ「博士だって、シェルターの人たちが憎いって思ってるうさ」
オーレンジ「だけど、そんな人たちの中にも」
オーレンジ「地上で暮らしたいって言ってる人もいる」
オーレンジ「その人たちの為に博士は力になりたくて」
オーレンジ「ワクチンを開発して」
オーレンジ「ぞんび化した人たちを治療しているうさ!」
〇諜報機関
フニク エマメ「バカ兎! 何を恥ずかしい事を!」
オーレンジ「恥ずかしがる事ないうさよー」
オーレンジ「博士は立派なイギョーを 成し遂げようとしてるうさ〜!」
フニク エマメ「もういい! 褒めちぎるな! メッ!」
〇荒廃したショッピングモールの中
レイチ「オーレンジ‥」
無線の声「ありがとう、レイチ」
無線の声「あとはボクが話すよ」
レイチ「マスター!?」
無線の声「モノクルを出してくれるかい?」
レイチ「了解、ですミ」
モノクル「れんてぃーる!」
無線の声「コーちゃん、出てきて」
〇白
???「トウッ!」
〇荒廃したショッピングモールの中
コーちゃん「アズキ、カゾク」
コーちゃん「オレガ、マモル!」
〇諜報機関
フニク エマメ「なっ!?」
フニク エマメ「お前──元特殊部隊隊長の」
フニク エマメ「沿螺手 光陽(そいらて こうひ)か!」
フニク エマメ「確か、殉職したと聞いたが?」
殉職? それは大きな間違いだよ
〇新緑
フニク アズキ「お久しぶり、マメ姉!」
フニク アズキ「ぷはっ」
フニク アズキ「そっか」
フニク アズキ「マメ姉は知らないんだね」
フニク アズキ「撃たれたんだよ」
〇黒
地下シェルターのトップであり
特殊部隊の一員だった
世恋 高勝-セコイ コウカツ-
という男に
セコイ コウカツ「せぇ〜こ・い こ・う・か・つぅ〜♪」
セコイ コウカツ「せ・い・け・んぅ〜♪」
世恋-セコイ-
してますかい?
〇血しぶき
〇新緑
フニク アズキ「ボクはアイツに濡れ衣を着せられ‥」
フニク アズキ「殺人及び国家反逆の罪を被った」
フニク アズキ「当然、シェルター民からは犯罪者扱い!」
フニク アズキ「指名手配され、逃亡生活の日々‥」
フニク アズキ「みーんなアイツを英雄呼ばわりして 褒め称えちゃってるワケ!」
フニク アズキ「ほんと、クサッてるよ」
〇新緑
フニク アズキ「だから文字通り ク サ ら せ た」
フニク アズキ「コーちゃんが撃たれた時 ボクは誓ったんだ」
フニク アズキ「パパが残したプロジェクト 『グリーンオブピース』を成功させるってね」
フニク アズキ「このクサッた世界を 在るべき姿へと変える為に」
フニク アズキ「だから、ね」
フニク アズキ「もうワクチンなんて必要ないんだよ」
〇荒廃したショッピングモールの中
オーレンジ「ダメうさ!」
オーレンジ「ちゃんと治療しないと」
オーレンジ「いつか身体が朽ちてしまうから‥」
オーレンジ「だからワクチンを」
オーレンジ「うさの気持ち、受け取って下さい!」
フニク エマメ「告白か!」
レイチ「喜んで」
フニク エマメ「乗っかるな!」
〇新緑
フニク アズキ「ありがとう」
フニク アズキ「優しいんだね」
フニク アズキ「でも、心配しないで」
パパの意志を継いで
新しい家族と
一緒に
緑-みどり-を
蘇らせるから
フニク アズキ「バイバイ」
〇荒廃したショッピングモールの中
レイチ「名残惜しいですミ」
モノクル「れんてぃーる!」
レイチ「ごきげんよう」
〇黒背景
〇諜報機関
フニク エマメ「アズキ‥」
フニク エマメ「すまない‥」
フニク エマメ「お前がそんなに追い詰められていたなんて」
フニク エマメ「それでも、ワクチンは作り続ける」
フニク エマメ「お前まで居なくなるのは──」
フニク エマメ「耐えられない‥」
〇黒
翌日
〇水の中
〇実験ルーム
〇研究施設の廊下(曲がり角)
〇研究施設の廊下
〇黒
〇近未来の病室
オーレンジ「ただうさ〜♪」
フニク エマメ「それじゃあ、ただの兎だメ」
オーレンジ「何の変哲ないウサギ!?」
母上‥
〇諜報機関
フニク エマメ「アズキに会ってきたよ」
フニク エマメ「と言っても、画面越しだけどメ」
フニク エマメ(おっと)
フニク エマメ(行儀が悪いメ‥)
フニク エマメ「元気にしていたよ」
フニク エマメ「仲間と一緒に、地上に緑を生やすんだって」
フニク エマメ「小生達とは違うやり方だけど」
フニク エマメ「アイツなりに世界を救おうとしているメ」
フニク エマメ(とは言え、放ってはおけないけどメ)
〇近未来の病室
オーレンジ「結局、ワクチン渡しそびれちゃったうさけど」
オーレンジ「また逢えそうな気がするうさ!」
ヘン顔写真、取り返さないとメ
オーレンジ「ぅあーっ! 思い出したうさ!」
オーレンジ「博士ママ聞いて! ぞびぎゃるのせいで!」
オーレンジ「おヨメに行けなくなっちゃったんだうさ〜!」
誰の嫁に行くんだメ‥
〇近未来の病室
オーレンジ「痛かったらゴメンうさ」
オーレンジ「少しだけ、採るうさね」
オーレンジ「博士ママの血、必ず治療に役立てるうさ!」
地上の再生の為に
〇地球
〇黒
〇地球
〇近未来の病室
豆の力で
緑いっぱいに
エフェクト、音やシルエットをフル活用した高度な演出がスゴい!見応え抜群~✨😆
アンドロイドと研究者姉妹はもちろん、ウサナビやモノクル、果てはゾンビまでキャラが全部可愛い!😻
それでいて、陣営違いで対立しつつも同じ目標を持つ姉妹という激アツの設定が最高です!😭
アンドロイド噛まれまくってて笑いました😂
世界は救われるのか巣食われるのか…行く末が楽しみ✨
オマケの人参コロネの葉も素敵でした😂
こんばんは〜!凄くオーレンジが可愛くてゾンビだらけの世界にも希望の種?豆になってくれそうですね😍
お父さんの思いやお母さんの為に奮闘していく姉妹は応援したくなりました
エフェクトや背景も見たことないものばかりで使い方もうまいですね!
オーレンジとレイチの掛け合いが可愛い💕
ゾンビもなんだか可愛く見えて…?😆
背景単色+シルエットの手法、良かったです!
透明シルエットがあれば、いいのに🤔
どういう展開になるのか続きが気になります✨