ミチトの想空〜オモフソラ〜

ふじのきぃ

第六話 従属変身(脚本)

ミチトの想空〜オモフソラ〜

ふじのきぃ

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〇黒
  なぜ廊下が
  延々と続いていると思う?
  それは悪霊が
  空間を支配しているからよ

〇明るい廊下
「おかしい・・・」
「廊下、長すぎだろ──」
「誰だ?」
  ワタシ
  キレイ?
「く、くち、くちくちくっ・・・口裂け女!?」
「ひっ! どうして!?」
「いつの間に!?」
  いくら逃げても
  執拗に追いかけてくる『ように』
  被害者が錯覚しているからよ

〇黒背景
アイダ「ではなぜ悪霊は空間支配が出来るのか・・・」

〇カラフルな宇宙空間
アイダ「それは、『宇宙人』だからよ」
アイダ「悪霊が人間を襲う理由は──」
アイダ「高度文明の星の技術による、 キャトルミューティレーション」
アイダ「タチの悪い『宇宙人』が自らを 『悪霊』にカモフラージュさせて、ね」

〇明るい廊下
サウザンド・クレイン「あの都市伝説の正体は、 宇宙人のしわざだったんスね!」
アイダ「ええ。全ては宇宙人の技術によるもの」
アイダ「貴方の技を無効化したのも、 周囲の空間を支配したからなのよ」

〇黒
  下がりなさい

〇明るい廊下
アイダ「私の次元(ディメンション)ナイフで 羽根の周囲の空間を切り抜き、」
アイダ「閉鎖空間を作り、 羽根同士を打つけ合わせたの」
サウザンド・クレイン「スゴ過ぎるッス〜! もうチートじゃないッスか〜!」
アイダ「コホン」
アイダ「そんな強大な力を、私は手に入れた」
アイダ「あの人の──おかげでね」
アイダ「あの人が、居場所をくれたから」
アイダ「だから、貴方を通すわけにはいかないの」
アイダ「手を引いてくれるかしら?」
クゥ「そうは問屋が卸さないのです!」
クゥ「『シハイント・ギュジル・ノガシィゴットの拘束及び連行』──」
クゥ「そう、指令が下されたのです」
クゥ「貴方達の行為は、 惑星干渉条約違反の罪に問われている」
クゥ「ここで貴方達を 止めなければならないのです!」
アイダ「──そう」
クゥ「近づかないで──」

〇黒
アイダ「『隔離-かくり-』」

〇カラフルな宇宙空間

〇明るい廊下
アイダ「そこで大人しくして、頭を冷やす事ね」
サウザンド・クレイン「カーッコイイッスぅ〜!」
アイダ「・・・貴方、そればっかりね」
サウザンド・クレイン「アイダさん、 あっちの様子を見てみたいッス!」
アイダ「そうね、折角だから ココから観戦しようかしら」
アイダ「妹さん? 貴方もソコから観てるといいわ」
アイダ「貴方のお気に入りが敗北する様を、ね」

〇野球のグラウンド
ミチト「変身の仕方、知らねえんだわ」
「ええぇぇえ〜っ!?」

〇カラフルな宇宙空間
クゥ「ミチトさん!?」
クゥ(そういえば、 変身方法を教えてなかったのです)
クゥ「クゥ、一生の不覚──なのです」

〇野球のグラウンド
  どうか、負けないで
  ミチトさん──!
カメルツ「変身の仕方が解らない・・・ですと?」
めるか「ええ〜!? なんで、どうしてなの〜?」
ミチト「お、俺に聞かれても困るし!」
ミチト「今朝起きたら、姿が戻ってたんだし」
めるか「クゥ姉ちゃんから教えられてないの?」
ミチト「ああ、教えられてないし? そもそも興味がなかったし?」
めるか「お兄ちゃん、『しーしー』ばっかり」
カメルツ「きっと、尿意を催しておられるのでしょう」
めるか「ガマンはダメだよ?」
カメルツ「先にお手洗いを済ませると良いでしょう。 変身には集中力が必要ですからねえ」
ミチト「ちげぇし!」
ミチト「それに──」
ミチト「もう、あんな姿にならずに済むなら 俺は別に・・・」
カメルツ「──ふむ」
カメルツ「宇宙くん、わしからいくつか 従属人間について補足説明させて頂きますぞ」
ミチト「誰が宇宙だし!」

〇カラフルな宇宙空間
カメルツ「従属人間-スレイヴァーは、 従属光線-スレイヴ・レイを浴びたとしても」
カメルツ「必ずしも従属人間になれる訳ではありません」

〇黒
カメルツ「対象者の条件が揃って初めて、 従属人間になれるのです」

〇野球のグラウンド
ミチト「え、どういうコトだ?」
めるか「つまりぃ、お兄ちゃんは条件が揃ってたから変身出来てたってコトだよ?」
ミチト「なんだよその、条件ってのは」
カメルツ「心当たりがあるはずです」
カメルツ「貴方の『最も強い意志や願望』が」
ミチト「・・・俺の」
  強い意志と願望──

〇宇宙空間
  手を伸ばせども、
  決して届かなかったものが
  もう少しで掴める

〇教室
ミチト「もし、 あのまま空を駆け上がっていたら・・・」
ミチト「宇宙に、行けたのかな──」

〇野球のグラウンド
ミチト(そうだ・・・)
ミチト(俺の願望であり、)
ミチト(将来の夢・・・!)
カメルツ「ふふふ、 どうやら心当たりがあるようですねえ」
めるか「今お兄ちゃんが思っていること、 それが変身条件なんだよ!」
めるか「さあ! その想いをより強く念じてみて!」
めるか「そして叫ぶの! "従属変身-トランスレイヴ-"って!」
ミチト(俺は──)

〇黒背景
ミチト(なんだ・・・身体が熱い!?)
ミチト(胸が、心臓が灼けるような感カク!)
  シッカりしろ、俺!
ミチト(そうだ──)
  怯むな
ミチト(俺の夢──それは!)
  叶えたいんだろ?
ミチト「"宇宙へ行く事"だ!!」

〇野球のグラウンド
ミチト「従属変身──トランスレイヴ!!」
カクーシカ「宇宙-ソラ-翔けるカクーシカ!!」
カメルツ「おお・・・! なんて勇ましいシカなのでしょう!」
めるか「か〜わいい〜!」
カクーシカ(ホントに、変身出来ちゃった)
カクーシカ(一体どういう仕組みだよ、コレ)
カメルツ「亀甲震いが止まりませんなあ!」
カメルツ「では始めましょう。 わしと貴方の力比べを!」
カクーシカ「あんた、仮にも爺さんなんだろ?」
カクーシカ「自分の身体を労わらないと、後悔するぜ?」
カメルツ「かっはっはー! わしはまだまだ現役ですぞ?」
カクーシカ「あっそ」
カクーシカ「──疾角~シッカク~」
カメルツ「遠慮は要りません。 存分にかかってくると良いでしょ──」

〇白

〇壁
カメルツ「がめゃ!?」

〇野球のグラウンド
めるか「じぃじ!?」
カクーシカ「うわー・・・ めっちゃブッ飛ぶじゃん」
カクーシカ「力加減ムズッ! 爺さん大丈夫かよ──」
???「いやはや、お強いですなあ」
「じぃ! じぃ! Go! Go!」
めるか「じぃじ〜! ナイスぅ〜♪」
カクーシカ「まジカ、無傷かよ・・・!」
カメルツ「かっはっは! ご心配に及びませんよ」
カメルツ「こちらこそ、貴方を侮っておりました」
カメルツ「確かに、貴方の一撃には 凄まじい威力が込められてますねえ」
カメルツ「変身していなければ、 まず無事では済まなかったでしょう」
カクーシカ(ホントに爺さんなのかよ・・・)
カメルツ「しかしその一撃ですら、 このカメルツの前では"無"に等しい」
カメルツ「この"絶対防御" ~アブソリュート・シェル~の前では」

〇惑星
  ☆おまけクゥかん・その6☆
めるか「クゥ姉ちゃんってば!」
めるか「なんでミチトお兄ちゃんに 変身方法教えなかったの?」
カメルツ「そうですぞ? ワシらてっきり教わっているものだと思っていたのですから」
クゥ「こ、これから教えるところだったのです!」
クゥ「そんな時に貴方達が攻めてきたのです! 悪いのはそっちなのです!」
めるか「敵は待ってはくれないんだよ? ウマヅラ君が良い例じゃん!」
カメルツ(どちらも一理ありますね・・・)
ウマヅラ「呼んだかい?」
ミチト「まあでも、おかげで変身できたし。 ここからが本領発揮ってヤツ?」
ミチト「未だ仕組みが解らんけど、 ありがとな二人とも」
ミチト「おかげで自分の夢を再認識出来たよ」
カメルツ「かっはっは! 変身出来ないとフェアじゃありませんからね」
めるか「お兄ちゃんの変身姿見てみたかったし、 ウィンウィンだよ!」
めるか(きっとクゥ姉ちゃんは、 こういうところに惹かれたんだろうなあ)
めるか(ちょっと、羨ましいな)
ウマヅラ「みんなは僕の事、忘れないでね!」
「とぅ〜びぃ〜、コンティニュード! (次回へ続く)」
ウマヅラ(忘れられてなかった・・・!)

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