防衛会議-誰が指令長官を殺したか

塩味鷹虎

第4話 星を越えた友情(脚本)

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塩味鷹虎

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〇ブリーフィングルーム
的山ミイコ「タツノスケ。 アンタはサングラスで変装したつもりだっただろうけど」
的山ミイコ「私は確かに見たの。 長官といっしょに連れだって私のお店に来たのを」
大野タツノスケ「違う! それは、その・・・」
藤山コウゾウ「確かに、朝まで一緒に飲み歩いていたというのならば殺害できたのはキミだけだな!? どうなんだ」
高野アラシ「どうなんですか、タツノスケさん」
大野タツノスケ「・・・黙秘だ」
高野アラシ「タツノスケさん。 本当のことを話してください」
的山ミイコ「そうよ、もしアンタがやったっていっても、私はちっとも怒らないから!」
  ミイコはしれっと恐ろしいことを言う。
  殺したいほど、長官にイラついていたのは確かなのかもしれないが。
大野タツノスケ「違う! ラスイクチクチミミミニミマンチミチニ!」
藤山コウゾウ「あん? なんだ、今の言葉は!?」
大野タツノスケ「ち、ちがう! いまのは、その、方言だ! 方言!」
高野アラシ「・・・シリクサ。 さっきの言葉はどこの言葉?」
シリクサ「宇宙人の言葉ですね。 現在進行形で侵略に来ているやつらの」
大野タツノスケ「な、なんのことだ!」
  わかりやすいくらいに動揺している。
  ミイコに続き、タツノスケもクールで寡黙なキャラが崩壊を始めたようだ。
  いや、むしろ喋るとぼろが出るからこそ寡黙を演じ続けていたのかもしれない。
  となれば・・・
高野アラシ「シリクサ。 タツノスケさんをもっと検査して」
大野タツノスケ「な!?」
シリクサ「承知いたしました」
大野タツノスケ「ちょっと待て、もう少し余韻というか、言葉で証拠を誘導したりだな・・・」
高野アラシ「あと1話しかないんです! そんな時間あるわけないでしょう!」
大野タツノスケ「な、なんだ1話って!?」
  直後、シリクサのマジックハンドがタツノスケに迫っていく!
大野タツノスケ「うわ、やめろ! 服のなかにマジックハンドが!? うわわ!」
  タツノスケはシリクサの機械の腕で容赦なくボディチェックをされ、あられもない姿になっていく。
藤山コウゾウ「はっはっは! ずいぶんな姿だな! なぁ、ミイコ君も・・・」
的山ミイコ「やりません。 というか、やれって言ったら上官でもグーで殴りますよ」
藤山コウゾウ「おう! 今のはセクハラだったな、すまん!」
大野タツノスケ「いや、呑気に話してるなよ!? うわああああっ!」
  こうして、タツノスケの身体が徹底的に調べられた数分後・・・
大野タツノスケ「・・・・・・」
  タツノスケはイスに拘束されていた。
シリクサ「調査の結果、タツノスケ隊員は異星人であることが発覚しました。間違いありません」
高野アラシ「この基地のスーパーコンピューターは本当に優秀ですね」
藤山コウゾウ「怖いくらいだ! はっはっは!」
的山ミイコ「で、アンタが今日の怪獣襲撃作戦の工作員として長官を殺した。間違いないわね?」
  ミイコはすっかり『かがみみこ』をバラされたことから立ち直り、いつもの口調でタツノスケの尋問を開始している。
大野タツノスケ「違う・・・」
高野アラシ「ですが、あなたが敵の異星人だとするなら。犯人は必然的に──」
大野タツノスケ「・・・確かに俺は長官を殺せと命令されていた。だが・・・」
  うつむいていたタツノスケが顔を上げた。
  その目には──
的山ミイコ「タツノスケ、あんた・・・!?」
  涙が浮かんでいた。
大野タツノスケ「殺せるはずがないだろう! 俺に地球のすばらしさを教えてくれた、親友を!」
高野アラシ「親友、ですって!?」
大野タツノスケ「ああ・・・俺の本名はデルーグン=0505。防衛軍の長官を暗殺するために送り込まれた宇宙スパイだ」
大野タツノスケ「だが、あのひとは・・・」

〇コンピュータールーム
  【タツノスケの回想 着任日】
大野タツノスケ「・・・はじめまして、司令長官。私は──」
山田ヒサオ「おう、タツノスケか! 話は聞いている! よし、今日は仕事やめ!」
大野タツノスケ「は?」
大野タツノスケ(何を言っているんだ、この地球人。 まだ任務の時間のはず。 まさか、気付かれたか)
山田ヒサオ「呑みに行くぞ! ついてこい!」
大野タツノスケ「は、はぁ・・・」
大野タツノスケ(酒だと? バカめ、油断したところを殺してやる!)

〇ブリーフィングルーム
大野タツノスケ「だが、俺は長官を殺すことができなかった」
大野タツノスケ「呑みながら、親身になって身の上話を聞いてくれる」
大野タツノスケ「色々な話をしているうちに・・・まるで、あの人は――昔からのトモダチのように思えてきたんだ」
的山ミイコ「タツノスケ・・・」
藤山コウゾウ「そうだったのか・・・うん、うん・・・!」
  コウゾウは熱い涙を流しながら号泣している。
  おそらく彼はテレビの感動ドキュメンタリーとかを欠かさずに見るタイプだろう。
高野アラシ「それで、友だちになった」
大野タツノスケ「ああ。あいつからはいろんなことを教わった。経費というものを使って」
高野アラシ「・・・は?」
大野タツノスケ「キャバクラ、カラオケ、セクシーパブ・・・地球の文明のすばらしさを知り、俺は目覚めたんだ!」
大野タツノスケ「この星を、滅ぼしてはならんと!」

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コメント

  • そのイカ、やっぱり怪獣にしたいですよね……ゲゾラ、ガニメ、カメーバ……

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