あすの僕ら

木佐マコ

エピソード18(脚本)

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〇学校の屋上

〇まっすぐの廊下
佐原俊平「なんだあれ! 屋上!」
幸田唯奈「めっちゃ光ってるよー!」
  沢山の生徒たちが、虹色に光り輝く屋上を見上げている。

〇学校の屋上
星桐彦「夏川」
夏川乙女「うん」
姫路伊織「じゃあ、また明日」
  虹色の光の中で、南京錠の鍵が開く。

〇山道
星桐彦「ま、まあ、とにかくさ! 雄飛山に登るとこのガムがついてくるっての、どう?」
夏川乙女「・・・そんな風に物でつるなんて、あなた、恥ずかしくないの?」

〇山の展望台(鍵無し)
夏川乙女「私、もうずっと357日ひとりでいるの。 あなたもきっと、こんな風に過ごしたこと、明日には忘れちゃうわ」
星桐彦「忘れないよ! 俺、絶対に忘れない!」

〇桜並木(提灯あり)
夏川乙女「うん。きれいに撮れた」
星桐彦「本当だ。俺も撮ろう」
夏川乙女「あら。珍しい。 桐彦、写真より体験だとか、いつも言ってるくせに」
星桐彦「いやー、写真にするのもいいかと思って」
夏川乙女「写真?」
星桐彦「うん。現像する。手に持てるようにさ」
夏川乙女「相変わらず古い考えね」
星桐彦「そうかなー? その方が忘れないだろ。きっと」

〇川沿いの道
  桐彦と乙女が自転車に二人乗りをしている。
星桐彦「最近乙女、なんか悩んでる?」
夏川乙女「え? ううん」
星桐彦「・・・話したくないなら・・・いいんだけどさ」
夏川乙女「・・・・・・」

〇学校の屋上
夏川乙女「なにこれ」
星桐彦「知らない? ”ふたりの鍵”」
夏川乙女「”ふたりの鍵”?」
星桐彦「そう。 この鍵を雄飛山の展望台につけて、永遠の愛を誓うっていう・・・」
夏川乙女「は? 永遠の?」
星桐彦「あれ? いや、俺、今、告白したんだけど・・・」
夏川乙女「・・・・・・」
星桐彦「あの」
夏川乙女「今、そんなこと言うなんてひどいわ」
星桐彦「え?」
夏川乙女「私、明日・・・」
星桐彦「え、ちょ・・・」

〇階段の踊り場
夏川乙女「こんな気持ち・・・」
夏川乙女「いらない」

〇学校の屋上
星桐彦「・・・乙女」
夏川乙女「・・・桐彦」
星桐彦「久しぶりに呼んだ気がする」
夏川乙女「・・・虹」
星桐彦「・・・ああ。 そういえば展望台で友だちになった時も」

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