あすの僕ら

木佐マコ

エピソード19(脚本)

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〇教室
  結局その後、長井にはこってり絞られ、乙女も俺もさんざん目の敵にされた。
  そして——
  乙女はとうとうクラスのみんなに明日の引っ越しを告げた
  最後に、乙女は泣きながら、ああ、言えてよかった、と笑った

〇山の展望台(鍵無し)
星桐彦「それで、みんな見送りに来るって?」
夏川乙女「うん。飛行機は午後だから」
星桐彦「そっか。よかったな」
夏川乙女「よかったのかしら。 かえって悪いような・・・」
星桐彦「まだそんなこと言ってる。 みんなが行きたいって言ってるんだ。 乙女は素直に受け取ればいいんだよ」
星桐彦「それとも嫌なのか?」
夏川乙女「ううん」
星桐彦「俺はサボろうかな」
夏川乙女「学校?」
夏川乙女「ダメよ。みんなと一緒に来ればいいじゃない」
星桐彦「だって・・・」
夏川乙女「だっても何もないわ。高校生は学業が一番よ」
星桐彦「ちぇ。真面目だな」
星桐彦「・・・・・・」
夏川乙女「どうしたの?」
星桐彦「なんかここ、ちょっと前に来た気がするけど、実際は今日、初めて来たんだよな」
夏川乙女「そうね・・・本当に不思議な体験だわ」
星桐彦「伊織・・・」
夏川乙女「私があなたに恋してる気持ちそのものが、彼だもの」
夏川乙女「ずっと一緒にいるわ。そうでしょ?」
星桐彦「恋・・・」
星桐彦「うん。そうだよな。 伊織はずっと一緒にいるんだ」
  桐彦、ポケットから鍵を取り出す。
星桐彦「なんか、改めてこういうの、なんか照れるな」
夏川乙女「自分で買ったくせに」
星桐彦「そうだけどさ!」
夏川乙女「どうせこんなもの、迷信よ」
星桐彦「え、ええー!」
星桐彦「そんな気持ちで・・・」
夏川乙女「これは私たちの"ふたりの鍵"」
夏川乙女「誓うのは永遠の愛じゃなくて・・・」
星桐彦「じゃなくて?」
夏川乙女「・・・また会う約束」
星桐彦「・・・・・・」
夏川乙女「・・・明日になって欲しいけど」
夏川乙女「やっぱり、ここから離れるのはさみしい」
夏川乙女「桐彦に会えなくなるのも・・・」
星桐彦「乙女」

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