防衛会議-誰が指令長官を殺したか

塩味鷹虎

第2話 現れた証拠(脚本)

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塩味鷹虎

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〇ブリーフィングルーム
  東京に未曽有の怪獣災害が迫る!
  そんな状況で怪獣から人々を守るべき地球防衛軍の司令長官が何者かによって殺害されてしまったのであった!
高野アラシ「とにかく、いったんここは警察を呼ばないと!」
藤山コウゾウ「うーむ、難しいな! それは」
高野アラシ「どうしてです!?」
藤山コウゾウ「怪獣が迫っているんだ! 今頃、警察も避難誘導で大忙しだろう!」
藤山コウゾウ「そんななか、殺人事件なんかで捜査をしてくれるはずがないじゃないか。 はっはっは!」
高野アラシ「いやいや、笑っている場合じゃないでしょう!?」
的山ミイコ「それに死んじゃったもんはしょうがないじゃない。 今は怪獣退治を優先しましょう」
大野タツノスケ「・・・ミイコのいう通りだ。 今は犯人を捜すよりも、怪獣退治を指揮する新長官を任命するほうが大事なことだ」
  一同は『うんうん』と首を縦に振る。
  約一名、アラシを除いて。
高野アラシ「もしかして、みなさん・・・犯人探しをしたくないんじゃ?」
「ぎくっ!」
高野アラシ(ああ、図星か・・・・・・)
高野アラシ「まぁ、気持ちはわかりますよ。 ここに入れるのは基本的に皆さんだけですし。犯人がいるとすれば・・・」
的山ミイコ「・・・外部の犯行ではない。 わかっているわよ、そんなこと」
高野アラシ「だったらやることは明確です。 新長官を任命するにしても、問題になっているのは・・・」
大野タツノスケ「・・・司令長官を殺した犯人を任命するわけにはいかない。 殺人犯、ましてや長官を殺した人物だ」
大野タツノスケ「どんな恐ろしい目的があるのか、わかったものではない」
藤山コウゾウ「うむ! そうだ、そのとおり!」
高野アラシ(うやむやにしようとしたくせに)
高野アラシ「とにかく、現場の様子を防衛軍のスーパーコンピューター『シリクサ』が洗っています」
高野アラシ「その結果から、犯人を割り出しましょう。 いいですね」
的山ミイコ「わかったわよ」
藤山コウゾウ「うむ」
大野タツノスケ「・・・・・・」
  一同は渋々ながらも、アラシの意見に同意する。
  ――そのとき。
シリクサ「ピンポーン! それでは同意がとれたところで。 現場の解析が完了しました」
的山ミイコ「えっ!? ずいぶん速いのね」
シリクサ「あなたたちが渋っている間も、実はこっそり進めていました」
シリクサ「ホント、人間は決断を下すのが遅いんですから」
的山ミイコ「余計なお世話よ」
シリクサ「さて、まず・・・司令長官の周辺にはこちらが落ちていました」
  まずシリクサから提示されたのは凶器と思われる一升瓶だった。
シリクサ「こちらには司令長官の血液成分がついています。 ただし、指紋の付着はありませんでした」
大野タツノスケ「これは・・・長官の愛飲していた日本酒のビンだ」
大野タツノスケ「部屋に堂々と出して普段から呑んでいたのは把握している」
高野アラシ(いや、そこは止めようよ)
シリクサ「そのほか、基地内に異星人の反応が微弱に感知されています」
シリクサ「これは20年前に東京へ怪獣を送り込んだズオーカ星人の反応と酷似しています」
高野アラシ「なんだって!?」
的山ミイコ「つまり、いま怪獣を送り込んでいる敵宇宙人の仲間が基地内に潜んでいるっていうの!?」
シリクサ「可能性は否定できません。 さらに、反応は司令長官の周辺から強く出ています」
高野アラシ「つまり、宇宙人が司令官を・・・?」
大野タツノスケ「・・・・・・」
  ぞっとする一同。
  無理もない。
  なにしろ、この会議自体が宇宙人の策略という可能性まで出てきてしまったのだから。
藤山コウゾウ「うーむ! ますますわからん! ほかには何かないのか!」
シリクサ「司令長官の倒れていた周辺にカードが落ちていました」
高野アラシ「カード? まさか、宇宙人のメッセージが!?」
シリクサ「裏面に番号が羅列してあります」
  コンピューターの画面にカードが表示される。
  そこにはシリクサの言う通り、手書きで謎の数字が羅列されていた。
大野タツノスケ「この数字は・・・?」
藤山コウゾウ「うむ、見当もつかん! あきらめよう。次!」
高野アラシ「いやいや、もう少しちゃんと見てくださいよ!」

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コメント

  • 背景に文字を出すあれ、どうやるのですか?

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