仕事終わりに

遊bot

読切(脚本)

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〇ビルの裏通り
  私が仕事を終えたその時
  ふいに着信が鳴り響いた
  画面には『非通知』の一文字だけ
  不審に思いつつも、私は通話ボタンをタップし電話にでた。
私「はい?どちらさまでしょうか??」
  ザーザーザー
  スマホからはひどいノイズが溢れ、相手側の声などまったく聞こえない
私「もしもし?もしもし?」
  ザーザー・・・・・・ザー・・・ザー
  ブツ、ツーツーツー
  結局、相手の声は聞こえず、すぐに切れてしまった。
  通話の切れたスマホの画面を、私は不審な目でにらみつづけていた
  しかし、ずっとそのままにもいかない
私「今日の仕事はもう終わったんだもの」
私「早く帰ってお風呂に入ろっと」

〇黒
  その日からだった
  着信が入るようになったのは

〇開けた交差点
  それは決まって、仕事が終わった直後にかかってくる
私「はい、もしもし?」
  ザザザザザザザザザ
  ザザ ザザザザ ザザザザザ

〇入り組んだ路地裏
  そして、その電話は必ずノイズがひどかった
私「・・・・・・はい?」
  ザザ・・・・・・
  ザザザザ・・・・・・・・・

〇住宅街の公園
  そんなことが続いたある日
  鳴りやむ様子のないスマホを眺め、電話に出るべきか迷っていると
  不意に着信音が消えた
  画面を見ると、留守番電話サービスに切り替わており、何かが伝言されている
私「え、なんだろ」

〇黒
  私は戸惑いながらも、録音されたメッセージを聞いてみることにした
  ザーザー・・・・・・ザザザザ
  ザザ・・・・・・ザザ・・・ザー
私「やっぱりノイズだけ・・・・・・」
  そう思い、メッセージの再生を止めようとした時だった
  ザザザ、ザーザー・・・・・・して・・・・・・
私「え?」
  ど・・・・・・ザザザザ
  ザーザー・・・す・・・ザーザー

〇住宅街の公園
私「・・・・・・」
  その日、残された伝言はそれだけだった
私「・・・・・・誰なの?」

〇通学路
  それからはかかってくる電話には出ず
  かならず留守番電話のメッセージを聞くようにした
私「ほんと、タイミングよく電話がくるな」

〇黒
  そして不思議なことに
  少しずつだが、残されたメッセージから雑音が消えていき
  相手が話している言葉がわかるようになっていた
  ザザザ どうして ザーザーザザザ
  ザザザザザ して ザザザザーザ 殺すの

〇電器街
ターゲット「い、いや・・・・・・こないで!!」
私「・・・・・・」
ターゲット「だれか、、、だれか助けて!?」
私「貴方を助ける人なんてだれもいないわ」
ターゲット「いやーーー!」
私「ふう、今日の仕事も疲れた」
私「あ、まただ」
私「毎回、こんなにタイミングいいんだから、絶対にどこかで見てるのよね?きっと」
  ザザ どうして ザザザ
  どうして ザザ すの?
私「うーん、どうしてと言われてもね~」
  ザーザザザ ザー どうして?
  ザ どうして 殺すの?? ザーザーザー

〇血しぶき
私「だって、それが仕事なんだもの」

コメント

  • 最後のオチで「ええ!?」ってなりました。
    普通のホラーだと思って読んでたんですが、まさか殺し屋さんだとは思いませんでした!
    それでもホラーな展開でしたが!

  • 殺し屋のお話だったの。電話に出てたのが殺し屋ですか。非通知の電話には出ない方がいいでしょう。殺し屋ならば正体がバレてはいけません。

  • 怖い、怖い!お話しでした、自分が予測していた結末とは違ってとっても楽しかです。ストーリーがよくできていて一気に読み終えました。

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