始まりの関係は…(脚本)
〇体育館裏
糸川 かなえ「・・・健、縁を切ろう。 もう、私は無理だよ・・・」
立木 健勇「・・・え!?どうしてだよ・・・かな?」
健はそう言って、私を半信半疑の目で見てくる。
私は、そんな健の質問に答えることをしなかった。
それどころか、健から逃げるかの如く、その場から立ち去った。
・・・これで良いんだ。
そう心の中で言い聞かせて、私は密かに涙をこぼした。
〇黒
・・・
・・・・・・
〇学校の校舎
事が起きる数日前・・・
糸川 かなえ「健、おはよー!」
立木 健勇「おお!かな!おはよー!」
私達は、中学校に入ってから出会い、仲良くなった。
仲良くなったきっかけは好きな趣味が同じだったからだ。
糸川 かなえ「ねえ、こないだのアニメ見た? 面白かったよね?」
立木 健勇「ああ!見たぞ! 迫力満点でヤバかったなぁ~」
糸川 かなえ「だけど、あの戦いシーンをもうちっとだけ、面白くして欲しかった!」
立木 健勇「仕方ないだろ?原作でもあんな感じだったから、あれでもいい感じに作った方じゃないか?」
糸川 かなえ「んー・・・そっかぁ・・・」
「おっはよー!2人共! 相変わらず、青春してますな~!」
糸川 かなえ「凛々花!?いつの間に・・・」
日坂 翔一「よぉ、オレも居るぞ」
糸川 かなえ「ダルダルオタク!いたんだ!?」
日坂 翔一「だから・・・その変なネーミングセンスやめろ」
立木 健勇「翔!おはよう!相変わらず、ダルそうだな・・・」
日坂 翔一「お前も『ダルそうだな』は、余計な一言だから言うな!」
立木 健勇「ごめん、ごめん! そんなに怒るなよ~」
凛々花は私の幼なじみ。
翔一は健の幼なじみ。
必然的に2人も仲良くなったけど・・・。
佐藤 凛々花「翔一、顔死んでね? どしたの??」
日坂 翔一「顔死んでるも余計だ! お前ら、オレで遊ぶな!!」
佐藤 凛々花「うんうん! その反応だと元気そうだ! 良かった、良かった~!」
日坂 翔一「オレをからかうよりも時間は、大丈夫か?」
日坂 翔一「オレが家に出た時はかなりやばめな時間だったけど?」
立木 健勇「やばい!もう、朝のホームルーム始まる!!」
糸川 かなえ「ほんとだ! 早く行かないと〜!」
糸川 かなえ「って、健!走るの早すぎる!!」
佐藤 凛々花「走って教室行く! 青春ですな〜!」
日坂 翔一「お前・・・青春、好きだなぁ・・・。 ほら、行くぞ」
一体なぜ縁を切ろうと言い出したのか…。
共通の趣味を持つと対立することもあるとは聞きますが、その原因が早く知りたいです!