冬の日のお出かけ

陽菜

蘭編(脚本)

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陽菜

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〇渋谷駅前
  兄さんや記也が仕事を引き受けてくれたため、私は蘭と出かけた。
森岡 涼恵「蘭、どこ行く?」
秋原 蘭「そうだな・・・」
秋原 蘭「遊園地とかどうだ?行ったことなかっただろ?」
森岡 涼恵「いいな、行こうか」
  行き場所も決まり、私達は近くの遊園地に向かった。

〇遊園地の広場
  遊園地に来た私達は入場チケットを買い、中に入った。
森岡 涼恵「おー、広い・・・」
秋原 蘭「確かにな・・・」
  ・・・実は私達、二人そろって遊園地なんて来たことがなかった。
秋原 蘭「あ、あれに乗ってみるか?」
  蘭が指さしたのはジェットコースター。しかも少し長めのものだ。
森岡 涼恵「私はいいけど・・・」
森岡 涼恵「お前、乗り物酔い酷いだろ? 大丈夫なのか?」
秋原 蘭「うっ・・・ま、まぁ大丈夫、だと思う・・・」
森岡 涼恵「それならいいけど」
森岡 涼恵「ま、乗るか!」
秋原 蘭「うーん・・・なんか乗れるか心配になってきた・・・」
森岡 涼恵「安心しろ、酔い止めの薬は持ってきている」
森岡 涼恵「それに、骨ぐらいは拾ってやるさ」
秋原 蘭「勝手に殺すなよ・・・」
  そんな会話をしながら、私達はジェットコースターに乗るためにそちらに向かった。

〇ジェットコースター
  数分後、私達はジェットコースターに乗っていた。
秋原 蘭「わぁああああ!?」
森岡 涼恵「あははっ!たーのしー!」
  ・・・まったく正反対の反応になっているのは気のせいということにしておこう、うん。

〇遊園地の広場
秋原 蘭「し、死ぬかと思った・・・」
森岡 涼恵「ら、蘭、大丈夫か?」
秋原 蘭「だ、大丈夫・・・」
森岡 涼恵「水、いるか?」
秋原 蘭「あぁ・・・もらう・・・」
  私がペットボトルを渡すと、蘭はそれを受け取って少し飲んだ。
森岡 涼恵「少し休んだら、今度はお化け屋敷にでも行こうか」
秋原 蘭「そうだな、変に乗り物乗るよりはいいや・・・」
  蘭の顔色がよくなったのを確認して、今度はお化け屋敷の方に向かった。

〇観覧車のゴンドラ
  あの後、お化け屋敷やコーヒーカップなど全部制覇した私達は最後に観覧車に乗っていた。
秋原 蘭「おー、きれいだなぁ・・・」
森岡 涼恵「そうだね・・・」
  わずかな沈黙の時間でさえ、私達には心地よかった。
秋原 蘭「・・・本当に、初めて会った時は恋人になるなんて思わなかったよな」
森岡 涼恵「そうだな、あの時はお前と恋人になるなんて思わなかったよ」
  あの時のことを思い出すだけで、本当にゾッとする。
秋原 蘭「あの時、お前が本当に怖かったんだよな・・・」
森岡 涼恵「悪かったな、感情とか表に出なくて」
秋原 蘭「でも、本当は優しい奴だって分かってさ」
秋原 蘭「そこから、お前に惹かれていったんだよな」
森岡 涼恵「おま、恥ずかしげもなく言うようになったな・・・」
森岡 涼恵「・・・でも、私も必死に支えようとしてくれているお前が好きになったんだよな」
秋原 蘭「お前の方も恥ずかしいこと言ってんじゃねぇか・・・」
  甘い雰囲気に包まれたところで、一周が来てしまう。
森岡 涼恵「あ、降りないとな」
秋原 蘭「そ、そうだな」
  ドアを開けてもらい、私達は観覧車から降りた。

〇渋谷駅前
秋原 蘭「あ、雪・・・」
森岡 涼恵「珍しいな」
  白く小さな花が舞っている様子を見ていると、蘭が手を繋いできた。
秋原 蘭「なぁ、少し歩こうぜ」
秋原 蘭「・・・もう少し、一緒にいたいし」
森岡 涼恵「うん、いいよ」
森岡 涼恵「私も、ちょうどそう思ってた」
秋原 蘭「だったら、カフェでコーヒーでも飲もうか」
  そう言って、私達は雪の降る街を歩きだした。
  その先にあるであろう幸せを思い浮かべながら。

次のエピソード:あとがき

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