めがみと ゆうしゃと 7ようせい ~たすけて マージャンの せかい~

皇アイカ

ひの ようせい フレムさん【げんき】(脚本)

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〇湖畔
  みずうみを わたると、

〇荒地
  どこまでも つづく だいちが
  ふたたび めのまえに
  ひろがって いた。
  あれた だいちを すすんで いくと、
  なんだろう・・・。
  とおくで なにか もえて いる。
  なにが もえて いるんだろう?
  その ほのおを めざして
  あるいて いると、
  ほのおが どんどん おおきく・・・
  えっ、ほのおが おおきく・・・?
  わっ、うわあ!!
  あの ほのお、
  ぼくに むかって とんで きてる!!
  ああ だめだ・・・
  にげようと したけれど、
  まに あわない。

〇黒背景
  めを ぎゅっと とじて
  みを かたく して いると・・・
  だれかの さけぶ こえが きこえた。
「こらぁぁぁぁぁ!!! ドル!!ジロー!!! かってに あばれんなー!!!!!」
  ほのおに のまれては いない みたい。
  おそるおそる めを あけると・・・

〇炎
  そこには ようせいさんが いた。
フレム「おいっ! きみ!! だいじょうぶか!!?」
  ・・・うん。 だいじょうぶ。
  すごく おどろいた けれど・・・。
フレム「おどろかせて スマン!! あたしは フレム。 ひの ようせい だよ」
フレム「この せかいが よごれて きたら、 こいつらも あたしの いうこと きかなく なって きてねー・・・」
フレム「おらっ! ドル! ジロー! この にんげんに ごめんなさい しろや!!」
  フレムさんが そう いうと、
  ほのおは とたんに ちいさく なって、
  ぼくの まえで おどりはじめた。
  あはは。 なんだか かわいい。
  この ほのおは、
  フレムさんの ペット みたいな
  もの なのかなあ。
フレム「ん。あたしの いうことが わかるって こたぁ、」
フレム「きみが めがみさまの いってた ゆ... にんげん だな。 はなしは きいてるよ」
フレム「へへへ。 それじゃ さっそく はじめよっか」
フレム「きみが がんばって くれたなら、 こいつらも みんな また いい こに もどると おもうから」
フレム「すこしだけ むずかしいけど しっかり ついて きて くれよ!」
  えっ・・・ そんなに むずかし
フレム「ほらー!! へんじは!!?」
  はっ、はい
フレム「こえが ちいせぇー!! もっと はら から おおきな こえ だせよ!!」
  はっ! はい!!
  おねがいします!!
  フレムさん!!
フレム「おおっ!? やれば できるじゃん! オッケー オッケー!! その ちょうしだ!!」
  フレムさんの こえに つられて
  ふたつの ほのおも
  おおきく なって・・・
フレム「こらっ! おまえらは いいから!! じっと してろ!!」
  あらら。
  また もとの ちいさな
  ほのおに もどっちゃった。
  しかし、フレムさん・・・
  くちは わるい みたい だけど、
  ものすごい げんきだ。
  ぼくも これくらい げんきが だせたら
  まいにちが もっと もっと
  たのしい かも しれな
フレム「こらぁー! よそみ しない! まえ むいて! せすじ のばして!!」
  はっ!はい!!
フレム「そうだ! そうやって シャキッと・・・ って! だから! おまえらは いいってば!!」
フレム「えっ? おてほん? この にんげんに? なるほどなー。 って こらぁぁぁ!!!」
  ふふふ。 おもしろい。
  まんざいを みてる みたいだ。
  フレムさん ほんとうに げんき だなあ
  ・・・ぼく うらやましい。
  ・・・・・
  ・・・・・・・
  ・・・・・
  フレムさんが おしえて くれたのは、
  アガる ために なくては ならない
  「役(やく)パワー」に ついて。
  40しゅるい くらい ある
  役パワーの なかから、
  とくに たいせつな ものを
  ぼくに おしえて くれたんだ。
  役パワーの なまえは・・・
  メンゼンツモ、タンヤオ、
  やくはい、ピンフ。
  まず この 4つを おぼえることが
  すごく たいせつ なんだって。
  ふたつの ほのお・・・
  ドルと ジロー だっけ?
  ときどき ドルと ジローが
  フレムさんの じゃまを して
  その たびに フレムさんが しかる。
  その ようすが 
  すごく おかしくて・・・
  ぼく なんども わらっちゃった。
フレム「ふぅー。 いじょうを まとめて 「きほん よんやく」 と いうよ」
フレム「ほんとは ぜんぶ おぼえて ほしいが、 まずは この 4つだけ おぼえて ほしいんだ!」
  ・・・。
  フレムさんは 4つだけ って
  いうけれど・・・
  ぼく この 4つすら
  おぼえられるか どうか・・・
  ふあんで しかた ない。
  役パワーの なまえと、
  どんな かたちに するかが、
  あたまの なかで つながらないんだ。
  こんな・・・
  こんな むずかしいこと おぼえるの
フレム「ぼくには むりかも しれない」
  うん、ぼくには むりかも・・・
  って、ええっ?
  フレムさん、もしかして
  こころが よめたり するの!?
フレム「んな わけ あるか! そういう かお してるんだよ! いまの きみが!!」
フレム「おぼえるのなんて とても ムリ・・・ そう かおに かいて あるんだよ!」
  ああ また ぼく
  そんな かお してたんだ。
フレム「そこに はいってるの みずの もんしょう だろ? アクアは なにを おしえて くれた?」
  アクアさんは ぼくに
  「かのうせい」を おしえて くれた。
  だけど・・・
  むりな ものは むりだよ。
  ああ ぼく どうしたら・・・
フレム「きみが クヨクヨ してる あいだに もう かなり じかんが たったぞ?」
フレム「この じかんで、 役パワーの ひとつは おぼえられたと あたしゃ おもうよ」
  えっ・・・。
  そう いわれれば たしかに・・・。
  できるか どうか わからない ことに
  クヨクヨ しちゃってた。
フレム「そんなね、まだ はじめても いない みらいの ことで クヨクヨ してちゃ」
フレム「なーんにも!!!! はじまらないぞ!!!!」
フレム「なやんでる じかんも おぼえようと する じかんも どっちも おなじ じかんだ!」
フレム「つい わすれがち だけど、 きみたちは 100%の かくりつで いつか しぬんだぜ?」
フレム「きみたち にんげんに あたえられた じかんは かぎられてる って こった!!」
フレム「じかんを そまつに するのは いのちを そまつに するのと おなじだ! そうは おもわんか!」
フレム「いいか!! なやんでたって はじまらん!! なんでも まず やって みるんだ!!」
  そっか・・・
  そうかも しれない。
  なやむ まえに、
  まず やってみる。
  やってみて やってみて、
  やってみて やってみて・・・
  それでも やっぱり ダメだった ときに
  はじめて なやめば いいんだ。
  こんな かんたんな ことに
  どうして きづかなかったんだろう。
  しんけんに とりくまない うちから
  なやむ なんて おかしい・・・
  かぎり ある じかんを
  むだに するな・・・
  フレムさんは きっと
  ぼくに そう いいたいんだ。
  そして ぼくは おおきな こえで
  フレムさんに こう いったんだ。
  すみませんでした フレムさん!!
  クヨクヨと なやむ まえに
  なんでも まず やって みます!!
  「きほん よんやく」
  がんばって おぼえます!!
フレム「お、おう!」
フレム「よく いった!! あたしが ききたかったのは まさに その ことばだ!!」
フレム「へへへ、あたしの 「げんき」 すっかり うつった みたいだな!!」
フレム「そうだ、これも おぼえとけ!!」
フレム「げんきな きもち には  げんきが あつまって くる!!」
フレム「くらい きもち には くらい きもちが あつまって くる!!」
フレム「そして! げんきな きもちも くらい きもちも まわりに うつる せいしつが ある!」
フレム「クヨクヨ なやむ ってのは くらい きもち!」
フレム「くらい きもちが あつまって くると くらい きもち から ぬけだせず みうごき とれなく なるぞ!!」
フレム「もし くらい きもちに なりそうに なったら」
フレム「とりあえず わらえ!!!」
フレム「かお だけでも いい! できる かぎり わらえ!!」
フレム「えがおは げんき!! えがお には かならず げんきが あつまって きて、」
フレム「くらい きもちを はねのける!!」
フレム「そして その げんきは まわりに うつって いくんだ!!」
フレム「できる ことなら、 まわりに げんきを うつす くらいの きもちで」
フレム「いつも げんきに わらって いるべし!! わかったかー!!!」
  はい! わかりました!!
  できる かぎり!
  えがおで すごして!
  まわりの げんきを あつめて!
  まわりに げんきを うつします!!
  いきて いる じかんには
  かぎりが あることを
  いつも わすれずに、
  クヨクヨと なやんで
  じかんを むだに する まえに、
  まずは なんでも やって みます!!
フレム「こ、こ、」
フレム「こらぁぁああーー!!!!!!!」
  えっ! な、なにか!
  まちがって いましたか!?
フレム「いまは あたしが せんせい だぞ!!」
フレム「せんせい より うまいこと まとめて どーーすんだよ!!! わはははは!!!!」
  えっ! す すみません!!
フレム「あやまるな!! ほめてんだから!!」
フレム「うむ! あたしが おしえたい こと ぜんぶ わかった みたいだな!!」
フレム「その こころえを まもって いれば はじめても いない ことを クヨクヨ なやむ ことも なかろう!」
フレム「それじゃ これで おわり!! きをつけぇー!!!!!!! れい!!!!!!」
  はい!
  ありがとう ございました!
  フレムさん!!

〇黒背景
  ぼくは ふかく ふかく
  おじぎを した。
  そして かおを あげると・・・

〇荒地
  もう そこに
  フレムさんの すがたは なかった。
  ドルと ジローの すがたも・・・。
  フレムさんの たって いた ところに
  もんしょうが おいて あった。
  これが たぶん、 ひの もんしょう。
  げんきな フレムさんと いると
  じぶんでも おどろく ほど
  げんきな あいさつが できた。
  げんきって いうのは ほんとうに
  まわりに うつる もの
  なのかも しれない。
  まず なんでも やってみる。
  その ために ひつよう なのが
  「げんき」。
  なにかを クヨクヨ なやむのは
  げんきを だして なんでも
  やってみた あとだ。
  そして ぼくが げんきなら、
  まわりから げんきが あつまり、
  どうじに まわりに げんきを うつす。
  フレムさんの まねを して、
  ぼくも できるだけ
  げんきを だして みよう!!
  かぎられた じかん だもん、
  ゆうこうに つかわなくちゃ!!
  よーし! 役パワー!
  がんばって! おぼえるぞー!!!
  ぼくは ひの もんしょうを
  ポケットに しまって、
  役パワーを くりかえし
  つぶやきながら また あるきだした。
  めがみさまを たすける ために。
  そして。
  マージャンの せかいを
  たすける ために。

次のエピソード:かぜの ようせい ウィンちゃん【もくひょう】

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