中宮さんたちが天才になれる方法

かしみあ

中宮さんと僕らの恋愛(脚本)

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かしみあ

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〇店の入口

〇レトロ喫茶
篠嶋 恵汰「二人ともデート中呼び出して悪いな」
篠嶋 恵汰「聖、場所提供してくれてサンキュー」
小鳥遊 聖「今日は後ろで“編み物講習会”やってるからうちの学校関係の人が最も少ないここが一番安全なんじゃないかと思ってね」
中宮 朱音「さすが小鳥遊くん」
篠嶋 恵汰「椎乃とは1年の時から付き合ってる」
小鳥遊 聖「!!」
中宮 朱音「きゃ〜♡ 漫画の“True love lesson”みたい〜♡」
  中宮さん、面白過ぎ
小鳥遊 聖「一緒に住んでるの?」
篠嶋 恵汰「一緒に住んではいない 良く椎乃ん家には行ってるけど」
篠嶋 恵汰「あそこ調理器具とかの道具街だから学校のやつらとか多分住んでないし、今まで見かける事も無かったから・・・」
小鳥遊 聖「・・・道具街だから棚乃さんの弟さんは住んでるんだけどね」
小鳥遊 聖「あ、うちでカフェパティシエしてくれてる棚乃さんの弟さんね」
小鳥遊 聖「製菓の専門学校の先生やってるんだ。 話聞けるしお菓子作りの道具くれるって言うから今日中宮さん誘ったんだよね」
小鳥遊 聖「まさか棚乃さんの弟さんと桃屋先生が同じマンションの隣の部屋だとは思わなかったけど・・・」
篠嶋 恵汰「・・・そうか」
中宮 朱音「ねぇねぇ、桃屋先生と付き合ったキッカケは!?」
篠嶋 恵汰「俺、椎乃の事昔から知ってて」
中宮 朱音「えっ?」
篠嶋 恵汰「俺の地域“こどもたちの会”ってのがあって、幼稚園とか小学校の時、その会でみんなでキャンプに行ったり船に乗ったりしたんだ」
篠嶋 恵汰「椎乃は学校のボランティア部で、俺たち小学生と遊んでくれてて」
小鳥遊 聖「桃ちゃんらしいな」
篠嶋 恵汰「椎乃はすごく優しくしてくれて、すっげー印象にあって」
中宮 朱音「篠嶋くんの初恋だったんだね」
篠嶋 恵汰「まぁ・・・そうなるかな?」
篠嶋 恵汰「でも椎乃が高校に行ってから来なくなって。 地元ふらついて探したりもしたんだけど、街でも見かけないし」
篠嶋 恵汰「後から聞いたら椎乃ん家、当時ちょっと引っ越してたりもしてたみたいで。 まぁ、そのまま椎乃とは会えなくなっちゃってさ・・・」
篠嶋 恵汰「だからうちの学校で再会した時はすっげー嬉しかったよ!」
篠嶋 恵汰「椎乃全然変わってないからすぐ分かったし」
中宮 朱音「素敵〜♡ 本当に“True love lesson”みたい♡」
小鳥遊 聖「だから進路悩んでたのか」
篠嶋 恵汰「あぁ。 卒業して就職した方がすぐ椎乃と結婚出来るかなって思ったんだけど」
篠嶋 恵汰「俺、実は教師になりたいって前からずっと思ってて」
中宮 朱音「へぇ~っ」
篠嶋 恵汰「椎乃がやりたかった事をやった方が良いって言ってくれて・・・」
小鳥遊 聖「さすが桃ちゃん」
篠嶋 恵汰「それで、教職取るから進学する事にした」
中宮 朱音「そうだったんだ」
篠嶋 恵汰「椎乃の事は俺から好きになったから椎乃は全然悪くないんだ・・・ 俺が無理言って・・・」
小鳥遊 聖「応援するよ」
小鳥遊 聖「別に誰にも言わないし安心してくれ」
篠嶋 恵汰「聖・・・」
中宮 朱音「私も応援するよ♡」
篠嶋 恵汰「中宮さん・・・」
小鳥遊 聖「友達の恋愛、応援するに決まってるだろ」
篠嶋 恵汰「・・・二人ともありがとう」
  篠嶋、絶対幸せになってくれ

〇レンガ造りの家
  相手が教師とか関係ないよ
  篠嶋の恋が“True love”になりますように

〇学校の校舎

〇教室
篠嶋 恵汰「うっす」
小鳥遊 聖「おう篠嶋おはよう」
篠嶋 恵汰「えっ!聖なんだよその本の山!」
小鳥遊 聖「中宮さんから渡されたの。 読んでくれって。 あの例の漫画“True love lesson”全巻」
篠嶋 恵汰「中宮さん・・・」
中宮 朱音「おはよう〜篠嶋くん」
篠嶋 恵汰「おはよう中宮さん」
中宮 朱音「篠嶋くんも是非読んで」
中宮 朱音「本当に篠嶋くんだから(小声)」
篠嶋 恵汰「いや、俺は良いよ! せっかく聖くんが愛読してるのに悪いしな」
中宮 朱音「悪くないよ 絶対参考になると思うのよ(小声)」
篠嶋 恵汰「えーマジで?」
小鳥遊 聖「あははは! これは読まないとだな篠嶋!」
小鳥遊 聖「読み終わったら貸すわ」
篠嶋 恵汰「マジかよ!」
  ガラッ
桃屋 椎乃「みんなおはよう〜」
桃屋 椎乃「ショートホームルーム始めるよ〜」
中宮 朱音「はーい」
  ウィーン♪
小鳥遊 聖(メールだ)
小鳥遊 聖(中宮さん)
  “True love lessonの実写化観てるみたい♡”
  って書いてある
  中宮さんの嬉しそうな顔!!
  笑い堪えるの大変だな
  本当に“女の子”だよな中宮さんは
  まぁ、そういうとこ可愛いんだけどね
桃屋 椎乃「以上で今日のショートHRは終わりです」
桃屋 椎乃「小鳥遊くんちょっと良い?」
小鳥遊 聖「あ、はい」

〇学校の廊下

〇階段の踊り場
桃屋 椎乃「ごめんね小鳥遊くん・・・呼び出して・・・」
桃屋 椎乃「あの、昨日・・・」
小鳥遊 聖「桃屋先生」
小鳥遊 聖「僕、実は中宮さんが好きなんです」
桃屋 椎乃「えっ!?」
小鳥遊 聖「彼女にはまだ告白してないんですけど、前から気になってて・・・」
桃屋 椎乃「うん」
小鳥遊 聖「中宮さんの力になるため、中宮さんと中宮さんのいとこを天才にしてあげてる最中なんです」
桃屋 椎乃「えっ!?天才に?」
小鳥遊 聖「更に中宮さんの従姉のお姉さんに最高の彼氏が出来るよう協力する事になってて」
桃屋 椎乃「ふふっ 何それ・・・」
小鳥遊 聖「好きな人の役に立ちたいって思ってて」
小鳥遊 聖「恋する気持ちってそういうもんですよね」
桃屋 椎乃「・・・うんそうね」
小鳥遊 聖「あ〜あ 僕のトップシークレット、桃ちゃんにバレちゃった」
桃屋 椎乃「!!」
小鳥遊 聖「絶対言わないで下さいよ 先生、秘密にして下さいね」
桃屋 椎乃「・・・小鳥遊くん」
小鳥遊 聖「桃ちゃん僕の話聞いたんだから、アプローチ上手く行かなかったらちゃんと恋愛相談乗って下さいよ!」
桃屋 椎乃「小鳥遊くん・・・ ・・・ありがとう」
桃屋 椎乃「小鳥遊くんの恋愛上手くいくように応援してるよ 本当に」
  桃ちゃんも頑張れ
  篠嶋と幸せになってくれ
  心からそう願った

〇学校の校舎

〇土手
中宮 朱音「わ〜キレイ〜」
中宮 朱音「ごめんね小鳥遊くん帰り遠回りさせちゃって」
小鳥遊 聖「今日バイトもないし全然構わないよ」
中宮 朱音「ねぇ〜今日ドキドキしちゃった♡ 篠嶋くんと桃ちゃん」
小鳥遊 聖「あはは 中宮さん今日ずっと興奮してるよね」
小鳥遊 聖「・・・やっぱり中宮さんも禁断の恋が良いの? 学校の先生との恋とか、なんか漫画みたなやつ」
中宮 朱音「そんな事ないよ」
中宮 朱音「私は・・・ 優しい人が良いな」
小鳥遊 聖「優しい人・・・」
中宮 朱音「友達想いで、いつも誰かのために頑張ってて・・・」
中宮 朱音「私の話いつも真剣に聞いてくれて」
中宮 朱音「すごいお願いも、叶えてくれる人・・・」
中宮 朱音「・・・かな」
小鳥遊 聖「!!」
小鳥遊 聖「中宮さん・・・ そしたら僕もあの・・・」
小鳥遊 聖「チャンスあるかな? 僕が──」
中宮 朱音「あ、小鳥遊くんごめん!朝日ちゃんから電話だ!」
小鳥遊 聖「あ、どうぞどうぞ 電話出な?」
中宮 朱音「ごめんね!! もしもーし──」
  朝日さーーん!
  せっかくいいところだったのに・・・
中宮 朱音「小鳥遊くんありがとうごめんね」
小鳥遊 聖「大丈夫だよ 朝日さんどうかしたの?」
中宮 朱音「うん♪今うちに来てるんだって♪」
小鳥遊 聖「そっか じゃあ早く帰ろう」
小鳥遊 聖「朝日さんのとこ行ってあげないと」
中宮 朱音「小鳥遊くんともっとここで話したかったな〜」
小鳥遊 聖「僕も・・・」
中宮 朱音「・・・」
  ずっと中宮さんと一緒に居られたら良いのにな
  そんな事を思った

〇学校脇の道
中宮 朱音「そうだ!小鳥遊くん!」
小鳥遊 聖「どうしたの!?」
中宮 朱音「来週、土曜日なんだけど朝日ちゃんの誕生日なの!」
小鳥遊 聖「えっ!そうなの? それは何かプレゼントしたいよね」
中宮 朱音「朝日ちゃん今年は彼氏居ないから、一緒にお祝いしてあげたいなって思ってて」
小鳥遊 聖「そっかそれは良いね」
中宮 朱音「あの、小鳥遊くんももし予定空いてたら一緒にお祝いしない?」
小鳥遊 聖「良いよ」
小鳥遊 聖「土曜日だったら昼過ぎからなら空けられると思う」
中宮 朱音「ありがとう♪ 朝日ちゃん喜ぶな〜」

〇駅前広場
中宮 朱音「送ってくれてありがとう」
小鳥遊 聖「うん」
中宮 朱音「じゃあ朝日ちゃんの誕生日会楽しみにしてるね」
小鳥遊 聖「うん 昼過ぎならディナーをうちのカフェで食べよう あとは僕も考えておくよ」
中宮 朱音「私も朝日ちゃんのお祝いプラン考えてみるね♪」
中宮 朱音「じゃあまた明日学校で」
小鳥遊 聖「うん気をつけて」
  朝日さんの誕生会か・・・
  なんかとびっきり元気付けてあげたいし
  こうして中宮さんとの共通の話題や想い出が増えて行くのも幸せだな

〇レンガ造りの家
  そんな事を思った

〇レンガ造りの家
  そして朝日さんの誕生日の土曜日になり・・・

〇改札口前
小鳥遊 聖「お待たせ〜」
中宮 朱音「小鳥遊く〜ん」
中宮 朝日「バイトお疲れ〜」
中宮 朝日「今日はありがとうね」
中宮 朱音「小鳥遊くんありがとう 朝日ちゃんともう朝から洋服見たり、ランチしたりクレープ食べて来たんだ♪」
小鳥遊 聖「あはは 元気だね〜」

〇渋谷駅前
小鳥遊 聖「え、朝日さんカラオケ行きたいんですか?」
中宮 朝日「そう〜私カラオケ大好きなの 小鳥遊くんの歌も聴きたいし」
小鳥遊 聖「や、俺そんな上手くないですよ!」
中宮 朱音「聴きた〜い 小鳥遊くんの歌♪」
中宮 朝日「レッツゴー!」
小鳥遊 聖「了解です」
中宮 朱音「レッツゴー!」

〇カラオケボックス(マイク等無し)
小鳥遊 聖「♪だから君にhappy birthday〜 ・・・えっと朝日さ〜ん♪」
中宮 朝日「ありがとう♪イェーイ! 小鳥遊くん声良いね」
中宮 朱音「うん素敵〜」
小鳥遊 聖「や、朝日さんには敵いませんよ! 朝日さん本当上手いですよね」
中宮 朝日「そんな事ないけど、ありがとう〜♪」
中宮 朝日「歌うぞ〜♪」
中宮 朱音「イェーイ♪」
小鳥遊 聖「あはは!」

〇渋谷駅前
中宮 朝日「あ〜歌った♪ 最高♪」
小鳥遊 聖「朝日さん色んなジャンル歌えてすごいですね」
中宮 朱音「ね! 小鳥遊くんも素敵だったよ」
小鳥遊 聖「ありがとう 中宮さんも歌声すごく可愛かったよ」
中宮 朱音「えっ、ありがとう」
中宮 朝日「ヒューヒュー♡ アツアツ〜♡」
小鳥遊 聖「・・・」
中宮 朱音「あ、ねぇねぇ 小鳥遊くんこの後朝日ちゃんボーリング行きたいんだって」
小鳥遊 聖「良いですよ 久しぶりだな〜」
中宮 朝日「よーし みんなで行こう♪」

〇街中の道路
小鳥遊 聖「あはは!!」
小鳥遊 聖「ボーリング行きたいって言うから朝日さんめちゃめちゃ上手いのかと思ったら」
小鳥遊 聖「ストライクかガータっていうすごい成績じゃないですか!」
中宮 朝日「普段あんまやらないのよ 今度会社のボーリング大会だから練習しておこうと思ってね」
中宮 朱音「あはははは! 朝日ちゃん最高!」
中宮 朱音「小鳥遊くん上手だった〜」
小鳥遊 聖「ボーリングはね意外と得意なんですよ」
中宮 朝日「ね、小鳥遊くんの意外な才能 あはは!面白かった〜」
中宮 朝日「・・・」
中宮 朝日「えっ・・・」
小鳥遊 聖「朝日さん?」
中宮 朝日「・・・都川先輩!?」
  朝日さん!?

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