めがみと ゆうしゃと 7ようせい ~たすけて マージャンの せかい~

皇アイカ

だいちの ようせい アイカさん【けいけん】(脚本)

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皇アイカ

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〇雲の上
  ・・・。
  ふわふわの くもの うえを
  どれだけ あるいただろう。

〇荒地
  ・・・。
  いつのまにか あしもとは
  かたい じめんに なっていた。
  めの まえは、みわたす かぎりの
  ひろい ひろい だいち。
  カラカラに かわききって
  くさいっぽん はえて いない。
  そんな あれちを ふみしめて
  あるいて いくと、
  どこかから なにか きこえて きた。
  ・・・。
  え? ぼくを よんでるの?
  ぼくが そういうと、
  じめんが われて・・・
  そこから かわいい
  おんなのこが あらわれた。
アイカ「Э#б ЁЩОЛ ΘΣЮΞ ЛЩЭΖΨ ЮΨё...」
アイカ「ЩЭб ЁЩООЛ ΘΣЮΞΨ ЛΣЩЭΨΖ ЮΣёΨ...?」
アイカ「・・・」
アイカ「Э... ЮΨё ЁЩОЛ  ΘΣЮΞ ЭΖΨΖΨ ΨёЮ...!」
  ??? なにか しゃべってる
  みたい だけど・・・
  ぼくには まったく わからない。
  おんなのこは、
  そんな ぼくの ようすを みると、
  うきあがる つちの かけらに むけて
  なにか つぶやいた。
  すると その つちは、
  しかくくて きれいな
  なにかに かわった。
  おんなのこは それを
  ぼくに さしだした。
  うけとったら いいのかな。
  ぼくが それを うけとると、
  おんなのこは えがおに なり、
  ぼくに はなしかけて きた。
アイカ「はじめまして。わたしは だいちの ようせい アイカ」
アイカ「めがみさまに めいじられ、 あなたが くるのを まって いました」
アイカ「いま さしあげたのは、 マージャンの 「パイ」と いいます」
アイカ「その パイを もって いれば、 マージャンの せかいの ことばが わかるでしょう」
アイカ「たいせつに もっていて くださいね」
  へえ、この こが ようせいさん。
  はねが はえて いるけれど、
  にんげんに そっくりだ。
  ふしぎな きもちに なりながら・・・
  ぼくは アイカさんに
  もらった パイを
  そっと ポケットに しまった。
アイカ「ごらんの とおり、 わたしの だいちは すっかり あれはてて しまいました...」
アイカ「これから あなたに マージャンの きほんを おしえます」
アイカ「そして いつか この だいちが げんきを とりもどします ように」
  ・・・?
  ぼくが マージャンを
  おしえて もらうと・・・
  いつか だいちが
  げんきを とりもどす・・・?
  ことばは かんたん。
  だけど やっぱり いみが わからない。
  ねえ アイカさん。
  それって どういう いみ・・・
  そう きこうと おもった とたん、
  ぼくの あたまの なかに、
  たくさんの 「パイ」の えが
  うかんで きた。
  アイカさんの せつめいは、
  もう はじまっている みたいだ。
  ことばの いみは あとで きこう。
  ・・・・・
  ・・・・・・・
  ・・・・・
  アイカさんが おしえて くれたのは、
  パイの しゅるいや よびかた、
  アガりかた など。
  これが きほんちゅうの
  きほん なんだって。
  マージャンの こと
  なにも しらなかった ぼくでも、
  アイカさんの せつめいは
  とても よく わかったんだ。
  なるほど・・・
  メンツを 4つと
  アタマを 1つ。
  これが そろえば アガリ なんだね。
アイカ「おわかりに なりましたか。 それでは さっそく わたしと たたかって みましょう」
  アイカさんが そういうと、
  たくさんの パイが
  どこからともなく あつまって きた。
  あっちこっち から
  すごい いきおいで
  とんで くるのに、
  ぼくや アイカさんには
  ぜんぜん ぶつからない。
  ・・・すごい。
  まほうか なにか だろうか。
アイカ「おまたせ いたしました。 さあ はじめましょう!」
  さっき おしえて
  もらった とおりに
  ぼくは マージャンを やってみた。
  めざす ことは わかっても、
  これが なかなか うまく いかない。
  ほしい パイが こないんだ。
  いい パイを もってこい...
  はずれ。 はずれ。
  ああ また はずれ。
  しっぱい ばっかりだ。
  こんな ところでも
  ぼくは ダメ なんだなあ...。
アイカ「うふっ。 なかなか よい パイが こないと いう かおを して いますね」
  あらら・・・。
  ぼく そんな かお してた?
アイカ「はい。して おられました。 ですが それが ふつうです。 よい パイは なかなか きません」
アイカ「こうして なんども パイを ひいて、 けいけんを つむ・・・ これが たいせつ なのです」
  けいけん・・・。
  はずれを ひく ことも、
  たしかに けいけん かな。
アイカ「その とおりです。 そして その けいけんは、 けっして むだに なりません」
  えっ・・・ むだに ならない・・・?
  はずれ なのに・・・
  しっぱい なのに・・・?
アイカ「せいこうも しっぱいも、 あなたの たいせつな じんせいの いちぶ なのです」
アイカ「あっ。 いま よい パイを ひきましたね?」
アイカ「しっぱいが あるから せいこうが うれしい」
アイカ「そう かんがえると、 しっぱいも とても たいせつだと おもいませんか?」
  ・・・ほんとだ。
  せいこうが うれしいのは・・・
  しっぱいが あるから なんだ。
  ぼくは どうだろう。
  あしたは どんな しっぱいを
  して しまうのか・・・。
  そんな ことしか
  かんがえて いなかった。
  しっぱい だって、
  たいせつな けいけん。
  じんせいの いちぶ。
  そう かんがえる ことが できたら、
  あしたが くるのが たのしみに
  なるかも しれない。
  そんな ことを かんがえながら
  ひいて きた パイは、
  ぼくの アガリに なる パイだった。
  あっ! やった! アガった!
  ええと、ええと、
  なんて いうんだっけ?
  ...そうだ ツモだ! 「ツモ」!
  ぼくは パイを たおして
  アイカさんに アガリを みせた。
アイカ「おみごと! しっかりと 4つの メンツと 1つの アタマが できました」
アイカ「あなたの はじめての アガリ。 この アイカ、しっかりと かくにん させて いただきました」
アイカ「どうですか? うれしいでしょう? しっぱいを くりかえした  から こそ・・・」
アイカ「うれしさも おおきく なるのです」
アイカ「けいけんは うれしさや よろこびの うまれる だいちに ふりそそぐ たいようの ひかり、やさしい あめ」
アイカ「あなたは きっと これからも たくさんの けいけんを つんで まいります」
アイカ「ときには つらい けいけんも なさると おもいますが・・・」
アイカ「それすらも だいちに ふりそそぐ たいようの ひかり、やさしい あめ」
アイカ「どうか いつまでも わすれないで くださいね」
  ・・・ぼく いままで しっぱいって
  いけない ことだと おもってた。
  でも ちがうんだね。
  しっぱいも たいせつな けいけん。
  ありがとう アイカさん。
  ぼく すごく いいことに
  きづいちゃった。
アイカ「なんと もったいない おことば。 わたしたち ようせいの ことは、 どうぞ よびすてに なさって ください」
アイカ「だって、あなたこそが この せかいを・・・」
アイカ「ううん、ごめんなさい。 そんな ことより・・・」
アイカ「これを あなたに さしあげます」
  アイカさん、それは なに?
  なんだか シール みたい。
アイカ「ほう・・・ にんげんの せかいでは、 これを シールと よぶのですか」
アイカ「これは だいちの もんしょう。 わたしの おしえた ことを りかい できた しるしです」
アイカ「この なかに わたしを ふうじます。 この もんしょうを おもちに なれば わたしは いつでも あなたと ともに」
アイカ「・・・あなたなら きっと マージャンの せかいを かえられる」
アイカ「この だいちが かがやきを とりもどす その ひ まで・・・」
  そう いうと、アイカさんは
  シールの なかに
  すいこまれて いった。
  えっ まって アイカさん。
  ぼく ききたい ことが あるんだ。
  しかし アイカさん からの
  へんじは きこえなかった。
  ・・・。
  よく わからない けれど・・・。
  ぼくが マージャンの せかいを
  しる ことで、
  この せかいは かわる みたいだ。
  ぼくは シールを、
  ううん・・・
  アイカさんは もんしょう って
  いってたよね。
  ぼくは だいちの もんしょうを
  てに とって、
  ふたたび あるきだした。
  めがみさまを たすける ために。
  そして マージャンの せかいを
  たすける ために。

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