空白のひとコマ

遠藤彰一

エピソード9(脚本)

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遠藤彰一

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〇漫画家の仕事部屋
  作業部屋に忘れ物をした宮本──。
宮本義和「えっと鍵はっと・・・」
宮本義和「ん?」
  先生の部屋から物音が聞こえる。

〇漫画家の仕事部屋
石黒理「見たの?」
宮本義和「いえ、まさか」
長谷川清香「してません!」
宮本義和「聞いたんです」
長谷川清香「してません!」
宮本義和「本当に聞いたんです。その・・・」
小田正人「何を?」
宮本義和「その・・・お尻に・・・頂戴って」
小田正人「お尻!?」
石黒理「本当か? 長谷川さん」
長谷川清香「・・・なんで・・・言うんですか。 こんなところで・・・そんなこと」
小田正人「そんな。 清香さん、そんな人だったんですか・・・」
小田正人「お尻って・・・。 先生も・・・お尻って・・・。 俺、尊敬してたのに」
長谷川清香「別にいいじゃないですか。 正式にお付き合いしていたんですから!」
小田正人「でも、俺達が頑張って仕事していると隣の部屋で、お尻って・・・」
長谷川清香「仕事が終わってからに決まってるじゃないですか! それに何度もお尻って言わないでください!」
小田正人「ん? ちょっと待てよ。 清香さん、先生といつからそういう関係だったんですか?」
長谷川清香「・・・そんなことどうでもいいじゃないですか」
小田正人「よくないです。 だって清香さんがグランプリ取った新人賞って、先生が審査員でしたよね。まさか──」
長谷川清香「受賞とは関係ありません!」
小田正人「きったねー。 俺はそのせいで佳作になったんだ。 俺の漫画家デビューを返してくださいよ!」
石黒理「いい加減にするんだ。 新人賞は漫画のみで評価している。 例え抱き合ってようが関係ないよ」
小田正人「いや、でも。 恋人の作品があったら一票入れるでしょ」
長谷川清香「関係ないって言ってるのに。ひどい」
小田正人「ひどいのはそっちじゃないすか」
宮本義和「まあまあ、小田君も清香ちゃんも」
長谷川清香「宮本さんがこんな事言うからいけないんじゃないですか」
小田正人「あー、あったま来た。 こっちは小学生の頃からずーっと漫画家目指して頑張ってるのに」
小田正人「それを色仕掛けで」
長谷川清香「色仕掛けなんてしてません」

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