待雪草の呪い

御那月 盾

待雪草の呪い 前半(脚本)

待雪草の呪い

御那月 盾

今すぐ読む

待雪草の呪い
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇学校の校舎

〇教室
雛乃原 菊央(きくお)「なぁなぁ透! 「待雪草」って知ってるか!」
蕗森 透「ま、待雪草? 菊央、急にスノードロップの話をしてどうしたんだ?」
雛乃原 菊央(きくお)「いや、聞いてくれよ! 校庭のどこかに待雪草が咲いてるらしいんだけど・・・」
蕗森 透「へぇ・・・。それで?」
雛乃原 菊央(きくお)「その待雪草に祈ると、本当に願いが叶うらしいってよ!!」
蕗森 透「そんな都合の良い話は・・・」
雛乃原 菊央(きくお)「それが嘘じゃないんだ! 実際、ある生徒が好きな相手との恋の成就を願ったら・・・」
雛乃原 菊央(きくお)「その相手と、恋人になったってよ!!」
蕗森 透「へぇ・・・。それが本当なら、凄いな」
雛乃原 菊央(きくお)「けど、その生徒、最近来ないんだよなぁ・・・」
蕗森 透「普通に風邪なんじゃないか?」
雛乃原 菊央(きくお)「いや、それがさ・・・さっきの話に続きがあるんだけどね・・・」
蕗森 透「きゅ、急にどうしたんだ? お前がシリアス展開を作るなんて・・・」
雛乃原 菊央(きくお)「おいおい、俺だって真剣な話をするときだってあるぞ!俺を何だと思っているんだ!?」
蕗森 透「ただの陽キャ」
雛乃原 菊央(きくお)「うぉい! 端的に訳をするな!」
蕗森 透「ハハハ、ゴメンゴメン!」
雛乃原 菊央(きくお)「全く・・・。んで、さっきの話を戻すけど・・・」
蕗森 透「ああ、確か、「願いを叶うことはできるけど・・・」の続きだったな」
雛乃原 菊央(きくお)「うん、どうやら「待雪草」に願いをかなえられるけど・・・」
蕗森 透「願うけど・・・?」
雛乃原 菊央(きくお)「呪われるらしいってよ・・・」
蕗森 透「の、呪い? 何だか物騒な話になってきたな・・・。それより・・・」
雛乃原 菊央(きくお)「ん? どうした?」
蕗森 透「菊央はその噂を信じているのか?」
雛乃原 菊央(きくお)「いや? 全然? むしろ今日の深夜に検証してみるつもりだよ? 勿論、透もね!」
蕗森 透「おい! さっきのシリアス展開を返せ!」
雛乃原 菊央(きくお)「ハハハ! じゃあ、また深夜の校庭で待ち合わせだ! それじゃあ!」
蕗森 透「お、おい! 勝手に話を進めるな!」
蕗森 透「はぁ・・・。しょうがない、行ってやるか」
蕗森 透「・・・待雪草、か・・・」
蕗森 透「もし、叶うのなら・・・」

〇中庭
雛乃原 菊央(きくお)「おっ! ちゃんと来たな!」
蕗森 透「なぁ・・・。本当にやるつもりなのか?」
雛乃原 菊央(きくお)「当然だろ! こんなワクワクドキドキな事、やるしかないだろ!!」
蕗森 透「はぁ・・・。どうなっても知らないからな」
雛乃原 菊央(きくお)「大丈夫だって! だたの噂だろ? それとも透、怖いのか?」
蕗森 透「あのなぁ・・・。こういうこと言っている人は、必ず被害を受けるんだぞ?」
雛乃原 菊央(きくお)「つまり、俺が呪われてるってか? ハハハ! まだ信じていたのか?」
雛乃原 菊央(きくお)「花に祈っただけで呪われるって、どこのファンダジーだよ!」
雛乃原 菊央(きくお)「さてと、俺は待雪草を探すけど、透は先に帰ってもいいんだぞ?」
蕗森 透「・・・いや、僕も行く。菊央が心配だからな」
雛乃原 菊央(きくお)「そうこなくちゃ! じゃあ、探索開始だ!」
  20分後
雛乃原 菊央(きくお)「あ、あれ? お、おっかしな~」
蕗森 透「おい! 20分探してもどこにも咲いてないじゃないか!」
蕗森 透「ってゆうか! さっき調べたんだけど、スノードロップが咲くのは・・・」
蕗森 透「2月から3月って書いてあるけど・・・」
雛乃原 菊央(きくお)「・・・へ?」
蕗森 透「いま5月じゃねぇか!!」
雛乃原 菊央(きくお)「噓だろ!? じゃあ無駄足じゃねぇか・・・」
蕗森 透「全く・・・。僕は先に帰るぞ」
蕗森 透「って、あれ? 菊央、あそこに花なんて咲いてたか?」
雛乃原 菊央(きくお)「え? どこだ?」
蕗森 透「ほら、あそこに・・・」
雛乃原 菊央(きくお)「って、これって願いが叶う、「待雪草」じゃねぇか!?」
雛乃原 菊央(きくお)「ナイス! じゃあ早速・・・」
蕗森 透「お、おい・・・。何を願うつもりなんだ?」
雛乃原 菊央(きくお)「俺と透に可愛い彼女が出来ますように!」
蕗森 透「ってオイ! 僕まで巻き込むな!!」
雛乃原 菊央(きくお)「まぁまぁ、落ち着けよ! こんなんで、呪われるなんてありえねぇだろ?」
雛乃原 菊央(きくお)「じゃあ帰ろうぜ! 目的は終わったし!」
蕗森 透「ま、待て菊央! 話は終わってないぞ!」

〇一軒家

〇男の子の一人部屋
蕗森 透「はぁ・・・。今日は疲れた・・・」
蕗森 透「ん? 誰だ? こんな時間に電話が掛かってくるんなんて・・・」
蕗森 透「って、菊央かよ・・・。もしもし? どうしたんだ?」
  おい! 透! 助けてくれ!
蕗森 透「ど、どうしたんだ? そんな緊迫した声をして・・・」
  わ、分からない。い、今、何処にいるかも分からないんだ・・・
蕗森 透「分からない? 特徴的な建物とかはあるのか?」
  いや、それが、全く見つからないんだよ・・・
  それに、何処を見回しても、真っ暗なんだ・・・
蕗森 透「ま、真っ暗?」
  ああ、しかも女性らしき人に追われているんだよ・・・。
蕗森 透「じょ、女性だって? 暗いのにどうやって判断したんだ?」
  一瞬、いい匂いしたから、女性だと思って・・・
蕗森 透「に、匂いって・・・。うわぁ・・・」
  と、透?ドン引きしないで?
蕗森 透「いや、それだけで判断するのはおかしいと思って・・・」
  だって、それ以外に判断する方法ないじゃん!
蕗森 透「それよりも菊央、逃げなくてもいいのか? 追いかけられているんじゃないか?」
  ああ、今は隠れているから大丈夫。・・・それにしても・・・
蕗森 透「どうしたんだ?」
  あ、いや、何で俺が変な場所に閉じ込められたんだろう?
蕗森 透「確かに・・・。何で菊央だけが閉じ込めらているんだ?」
蕗森 透「あの時、菊央は僕の名前も呼んだから、同じ場所に居ないのは・・・」
  それは・・・。って、ヤバッ! ゴメン透、電話切る!
蕗森 透「え? ちょ、菊央!?」
蕗森 透「・・・切れたか・・・」
蕗森 透「・・・大丈夫・・・ではないね、うん・・・」
蕗森 透「・・・今更だけど、何で電話繋がったんだ?」
蕗森 透「閉じ込めるなら、電波を遮断する方法もあったのに・・・」
蕗森 透「一体、何が目的なんだ?」
蕗森 透「って、ん? 電話は切ったはずなのに・・・。また菊央からか?」
蕗森 透「と、思ったら、イタズラ電話か・・・。切っとこ・・・」
蕗森 透「・・・変だな・・・拒否ボタンを押しているのに反応しないだと?」
  ミ ツ ケ タ
蕗森 透「うわぁぁぁ!?」
蕗森 透「と、とにかく電源を・・・」
蕗森 透「クッ・・・何で反応しないんだ!?」
蕗森 透「しかも、何処からだ!? この強風は・・・」
蕗森 透「す、吸い込まれる・・・」
  後半に続く

次のエピソード:待雪草の呪い 後半

コメント

  • こ、怖い……!😱透が本当にお願いしたかったのはどんな願い事か、気になります。自分の願いならともかく、巻き込まれるのは可哀想😂
    後半、執筆頑張ってください!

  • 噂の男子は彼女が出来てから不幸な目に逢ってるのに透たちは災難だけ貰ってる…なんて可哀想なんだ。
    ミツケタ、は怖いですね。

    菊央の願い事に巻き込まれた形でしたが、透が叶えたかった願いも気になります。

  • 呪いの正体、ドキドキわくわくしながら
    後半をお待ちしております!

コメントをもっと見る(5件)

成分キーワード

ページTOPへ