パパ活が侵食する世界

萩野 須郷

読切(脚本)

パパ活が侵食する世界

萩野 須郷

今すぐ読む

パパ活が侵食する世界
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇学校の昇降口
  ・・・それは、ある日の朝のことだった・・・。
  キーンコーンカーンコーン。
「いっけなーい!今日も遅刻遅刻!」
美智子「・・・ってあらいやだ、私パパ活用の服で学校に来ちゃったわ!」
美智子「でもまあいいか。パジャマで来ちゃったってことにしておきましょ」
美智子「はー、それにしても、昨日のオッサンはホント残念だったわ」
美智子「他のオッサンは1時間で5万円もくれるのに!昨日のオッサンはたったの2万円よ!?パパ活舐めてるんじゃないの!?」
美智子「「ごめん、給料日前でお金がないんだ。今度会ったら2倍の額を渡すよ」ですって?2倍でも少ないわ!」
美智子「まあいいわ。もうあのオッサンとは遊んでやらないんだから。そこらへんの安いキャバクラにでも行くがいいわ」
美智子「・・・ってあら?」
  美智子が下駄箱を開けると、そこには。
  なぜか、苺ジャムが入っていた。
美智子「こ、これは一体・・・?誰が私の下駄箱に苺ジャムなんか入れたのかしら」
美智子「はっ!も、もしかして・・・」
美智子「私へのプレゼント・・・つまり、愛の告白ってことかしら!?」
美智子「イヤだわ私ったら、オッサンだけじゃなくて同年代の男子からも人気があるなんて。苺ジャムってところがまた粋よねぇ!」
  ペロッ。
美智子「・・・んー、デリシャス」
美智子「このざらざらとした食感、苺の甘酸っぱさ。クセになるわ!誰からのプレゼントなのかしら?」
美智子「・・・・・・うっ!」
  突然美智子は膝から崩れ落ちた。
美智子「お、お腹が、痛い・・・!急にどうして・・・。はっ!まさかこの苺ジャム、毒入り・・・?」
美智子「ということは、私このまま永眠してしまうの・・・?うそ、こんなことで・・・」
美智子「ここで私が眠ってしまったら・・・。いつか、イケメンの王子様が私を見つけて、キスして生き返らせてくれるじゃない!」
美智子「だめよ、私は世にいる数々のオッサンからお金をもらうために生きているのよ!」
美智子「イケメンと出会ってしまったら、もうその人と一生幸せに暮らすしかなくなるじゃない!」
美智子「1人からもらえるお金なんて、たかが知れてるわ!私のモットーはオールフォーワンなのに!」
美智子「ぐっ、でももうダメ、限界・・・だんだん、目の前が、真っ暗に・・・」
  バタッ。美智子はその場で倒れた。
「・・・ふん、うまくいったか」
忍「あのジャムは言わば、パパ活抑制剤・・・。パパ活がやりたくなくなる食べ物さ」
忍「最近学校の女生徒でパパ活をする娘が増えてきたからな・・・。校長からの指示でこっそり作っていたものが、ようやく完成した」
忍「この娘も、今後はパパ活などせず毎日勉強に明け暮れるであろう」
忍「しかし最近のパパ活急増は、一体なぜ起こっているんだ・・・?」
忍「まあいい。とにかく、うまくいったから校長からお礼を貰わねば」
忍「1回の成功につき2万円。・・・ふふっ、まるでパパ活だな」
  ちなみに、校長がかつてパパ活女に100万円貢いでいた過去を持っていることは、誰も知らないのであった。

コメント

  • 学校中がパパ活だらけって、めちゃ風紀が崩壊してますね。笑
    パジャマで登校ってのも笑えました!
    パパ活をやりたくなくなるジャムって、どんなのだろう?

  • まさかのパジャマで登校!(笑)仕事に熱を入れすぎですよね。女のこのパパ活、男の子再度のパパ活、違った視点でみ読ませて頂きました。

  • 提供する側とそれを必要とする側の戦いですね。この場合どちらの立場からも倫理の無さをかんじて、ただこのイチゴジャムには正義すら感じました。

コメントをもっと見る(5件)

成分キーワード

ページTOPへ