異世界転生したらホラー映画の殺人鬼だった件

イワナケンタ

異世界転生したらホラー映画の殺人鬼だった(脚本)

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イワナケンタ

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〇開けた交差点
力也「もう・・・終わりにしよう・・・」
力也「ごめんね・・・葵」
  力也は道路に飛び出した
  キィィィ ドスン!

〇黒
(う・・・)
(あれ・・・痛くない・・・)
(楽に・・・死ねたって事かな・・・)

〇森の中の小屋
  なんだここ・・・
  あれ?誰だこの人?
  目が黄色い・・・ 海外の人か?
ナンシー「た、助けて!!」
  女の人は僕から逃げるように走り出した。
力也「ちょっと待って!」
  僕も後を追いかける。
  走りながら考える。
  見たことのない景色に、外国人の女性。
  これは・・・これは・・・
力也「異世界・・・転生?」
  女性は古びたコテージにたどり着き。
  必死に扉を開けようとする。
  どうやら扉には鍵がかかっているようだ。
ナンシー「お願い!お願い開けて!」
力也「だ、大丈夫ですか?」
ナンシー「いやぁぁぁぁ!殺される!!」
  コテージの扉が開き、男が女性を引き入れる。
マイケル「ナンシー!入れ!」
マイケル「この化け物が!」
  男は金属バッドを僕の顔面に叩きつける。
  思わずの事に、僕はよろける。
  男と女はロッジの中に入り、鍵を閉めた。
  その時、雷鳴が轟いた。
  僕の顔がロッジの窓に反射する。
  嘘だろ。
力也「なに。これ・・・」
力也「僕、殺人鬼に転生しちゃったの?」
フランケン「おい!お前何やってんだ!」
  背後から怪物に声をかけられる。
フランケン「さっき、2人とも殺せたはずだ」
フランケン「なぜ殺さなかった?」
  怪物は光のない目で僕の事を睨んだ。
  これは、本当の事を言ったら殺されてしまいそうだ。
フランケン「それに、なんだかお前、人間臭いぞ」
アームソードマン「まさかお前。人間世界から転生してきた訳じゃないだろうな?」
  また別のいかつい怪物が現れた。
フランケン「俺たち怪物は人を殺しまくる。でもたまに人間から殺されちまう」
フランケン「でも、再び転生するんだ。もちろん怪物としてな」
  青い怪物は、足元を指さした。
  そこには別の怪物の死体があった。
  頭を切られ、緑色の体液が溢れている。
フランケン「こいつも今頃、別の世界で人を殺しまくってるだろうな」
アームソードマン「ごく稀に、人間が俺たちの姿をして転生する事がある」
フランケン「お前もそうなんじゃないか?」
  そうだったらどうなるんだ?きっと殺されるに違いない。
  人間だった事は、僕だけの秘密にしないと。
フランケン「おいお前。臭いを嗅がせろ。人間かどうか確かめてやるよ」
  まずい。嗅がれたらばれるかも。どうしたらいいか考えろ!
  僕は咄嗟に、足元にあるドロドロの怪物の死体の上に、覆い被さった。
  体液が体につく。これでごまかせるはずだ。
フランケン「うぇ、お前何やってんだ!死ぬぞ!」
アームソードマン「人間以外のものを口に入れたら、俺ら怪物は死んじまうだろが!」
フランケン「おっかなくて、臭いなんか嗅げるかよ。液が口に入ったらとんでもねえ」
アームソードマン「まぁいい。30分以内に、ロッジの中の1人を殺して、首を持ってこい。そしたら考えてやる」
  人を殺す?できるわけないだろ・・・

〇森の中の小屋
マイケル「これを使えば奴らの気をそらせるかも」
  ロッジの中から声が聞こえてくる。
ナンシー「いくら私の頭にそっくりのケーキだからって、流石に騙せないわよ。見た目がチープすぎる。それに匂いだって」
マイケル「君を驚かせたくて、アーティストの人につくってもらったんだ。本物そっくりだろ?」
ナンシー「失礼すぎ。こんな状況じゃなかったらぶん殴ってる」
敏夫(人間なんて、どうせクズばっかだ)
  僕は元の世界の事を思い出す。

〇教室
生徒1「学校に金髪ってどうかしてる」
生徒2「消えろよ外人」
  麻里亜は小学生からの友人だった。
  ハーフだった彼女は特徴的な見た目をしていた。
  そのせいで、学校でいじめられた。僕は、助ける事が出来なかった。
  彼女の事が好きだったのに。

〇怪しいロッジ
  気づくと俺はロッジにいた。
  無我夢中で暴れまくった。
  こいつらは所詮人間だ。
  薄汚い。化け物だ。
???「やめて!!」
  声の方を振り返り、僕は停止した。
マリー「お願いだからやめて!」
力也「麻里亜・・・」
  彼女は麻里亜に瓜二つだった。

〇森の中の小屋
フランケン「おっ。やっと来たか。時間ギリギリだぞ」
  僕はそれを怪物達の目の前に置いた
アームソードマン「うまそうな頭だ。血だらけで、味付けも良さそうだ」
フランケン「さっそく」
「いただきまーす♫」
「・・・」
「うっ!!」
  怪物達は、苦しみのたうちまわる
アームソードマン「あ、甘い。これは、人間ではないっ」
フランケン「ケ、ケーキ」

〇怪しいロッジ
  15分前
マリー「あいつらは人間以外の物を食べたら死ぬのね?」
力也「うん・・・」
マリー「じゃあ、ナンシーのバースデーケーキを使いましょう。それをあいつらに食わせるの」
マイケル「おい!そんな化け物の言うことをなぜ信じるんだ?」
マリー「いいから黙って言う事きいて!」
マリー「怪物さん。私はあなたを信じる」
  そう言うと、マリーさんは、手のひらをナイフで切った。
マリー「この血で臭いをごまかすの」

〇森の中の小屋
「ぐはっ・・・」
  どさり
  怪物達は倒れた
力也「もう大丈夫です」
マリー「良かった。あなたの言った通りになった」
力也「どうして僕なんかの事を信じてくれたんですか?」
マリー「私には秘密がある」
マリー「あなたにも秘密があるんじゃないかな?」
マリー「力也くん」
力也「えっ」
力也「麻里亜?」
マリー「えへっ」
マリー「私も転生しちゃった」
マリー「今度はハーフじゃなく外国人に」
力也「なんで僕だって分かったの?」
マリー「だって、私たちを襲おうとした時、ずっと泣いてたから」
マリー「その優しい泣き方がそっくりだったから」
力也「麻里亜。会いたかった」
怪物?「ぐぉぉぉぉぉぉ!!」
  闇夜に咆哮が響く。
力也「別の怪物か?」
マリー「力也君」
マリー「この世界では、私を守り切ってね」
「守るよ」
力也「今度は絶対に」

コメント

  • 「いい趣味してある世界観だぜ!」とゲス笑みを浮かべながら読んでいたら、イイ話で……!😭
    短くて面白い……凄い……。
    にしても、怪物が人間に転生したりだのは本当に……ありそうで良……。

  • 転生前では勇気のない彼でしたか、異性界では彼女を守る為に頑張ったんだ。二人がいずれは人間の姿でカップルになって幸せになって欲しい。

  • 普通のホラーかと思って読んでいたら、ラストがかわいい感じになってて、できれば二人結ばれて欲しいなと思いました。
    転生しても再び出会えるのって素敵です。

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