今日も薄さん家が騒がしい

萩野 須郷

朝っぱらから事件発生?(脚本)

今日も薄さん家が騒がしい

萩野 須郷

今すぐ読む

今日も薄さん家が騒がしい
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇平屋の一戸建て
薄 五月(さつき)「静かな朝、すっきりした天気・・・」
薄 五月(さつき)「さあて、もう一眠りしますかn」
???「おいコラ何残しとんじゃ ワレェ〜〜!!」
薄 五月(さつき)「・・・ま、また始まったにゃ・・・」
薄 五月(さつき)「ボクの家族・・・「薄(うすき)家」の 騒がしい日常が・・・!」

〇ナイトクラブ
  母:薄 南
  父:薄 徳久
  おじいちゃん:薄 八角
  長男:薄 一箕
  長女:薄 湊
  おばあちゃん(故人):薄 宮
  飼い猫:薄 五月(さつき)
  今日も薄さん家が騒がしい

〇実家の居間
薄 南(みなみ)「一箕! その皿に残ってる ピーマンは何だ!」
薄 南(みなみ)「私の手料理が食えないってか? あん?」
「・・・フッ 落ち着いてくれよ、my マザー」
薄 一箕(いっき)「これは、戦略的撤退ってヤツなのさ」
薄 一箕(いっき)「僕のようなイケメンには、 色が地味なピーマンはふさわしくない」
薄 一箕(いっき)「よって、 ここであえて残すというのが最善の選t」
薄 南(みなみ)「食べない理由を ピーマンに押し付けるんじゃねえ!」
薄 南(みなみ)「そんな言い訳かましてるテメェには 闇鍋地獄決行だ! たんと食らいな!」
薄 一箕(いっき)「こ、これは昨日母さんが作った 失敗作・・・」
薄 一箕(いっき)「いやしかし、 これはこれで意外といけたりして」
薄 湊(みなと)「お、お母さんッ お兄ちゃんが白目剥いて泡吐いてる!」
薄 南(みなみ)「安心しなさい、軽症だから」
薄 湊(みなと)「軽症には見えないけど!」
薄 南(みなみ)「ところで湊 ・・・あなた、目玉焼きの黄身、残してるわね」
薄 南(みなみ)「あんたもあのスープ、食らう?」
薄 湊(みなと)「・・・あーでも私、妖精だから あんな薄気味悪い色のは身体的にもよろしくなくt」
薄 南(みなみ)「なァにが妖精よ! その妄想良い加減にしろ!」
薄 湊(みなと)「もっ妄想じゃないわ! 私は妖精という正体を隠しこっそり薄家に預けられているのであって・・・」
薄 南(みなみ)「変な設定作らんでええから さっさと食え〜〜!!」
薄 湊(みなと)「はいいぃ〜〜!!」
薄 南(みなみ)「・・・やれやれ 朝から困った子どもたちね」
薄 南(みなみ)「そういえば・・・ 徳久さんはどうしたのかしら」

〇木造の一人部屋
薄 徳久(とくひさ)「・・・であるからして 次はマシュマロブームがやってくるだろう」
「さすが神! 素晴らしい考察ですな!」
「これからも神の助言、 期待してますよ!」
薄 徳久(とくひさ)「礼には及ばん。 我は自分の思いを文字に起こしているに過ぎんのだからな」
「流石は我らが神!」
「万歳! 神万歳!」
薄 徳久(とくひさ)「ふふふ・・・」
薄 南(みなみ)「あなた? もう朝ごはんできてるわよ」
薄 徳久(とくひさ)「どぅわああああああい!!」
薄 徳久(とくひさ)「や、やあハニー 今行くよ・・・」
薄 南(みなみ)「どうしたの? いつもは「ハニー」なんて言わないじゃない」
薄 徳久(とくひさ)「た、たまには良いかなと思って」
薄 徳久(とくひさ)「さあ、朝ごはん朝ごはん・・・」
薄 南(みなみ)「・・・変な徳久さん」
薄 南(みなみ)「でも、朝っぱらからパソコンいじるのは やめてほしいわねえ・・・」

〇古風な和室
「・・・お〜じいちゃん」
滝沢 大戸(たきざわ おおと)「遊びに来たよ〜」
「・・・おお! 大戸くんやないかい!」
薄 八角(はっかく)「おはようやで! こんな朝早くに来るなんて珍しなあ!」
滝沢 大戸(たきざわ おおと)「へ、へへ バイトの夜勤明けに来たんだ」
薄 八角(はっかく)「夜勤か! 大変やなあ! 生活費稼ぐ大学生は苦労してるんやな!」
薄 八角(はっかく)「ところで大戸くん、 もしかして今日も例の「アレ」か?」
滝沢 大戸(たきざわ おおと)「う、うん、そうなんだ」
薄 八角(はっかく)「ふっふっふ、そうだと思って・・・」
薄 八角(はっかく)「ほら! これ、お前さんにやるで!」
滝沢 大戸(たきざわ おおと)「おおお・・・流石おじいちゃん! いつも助かるよ!」
薄 八角(はっかく)「良いんじゃ良いんじゃ! 食べ物買うにも大変やしな大学生は!」
滝沢 大戸(たきざわ おおと)「ありがとう・・・ これで3日は生きていけるよ・・・!」
薄 八角(はっかく)「ふぉっふぉっふぉっ、 良かったで〜喜んでもらえて!」
薄 八角(はっかく)「いや〜人助けするのは気持ち良い・・・」
薄 八角(はっかく)「・・・って南さん! いつからそこに!?」
薄 南(みなみ)「ふふ、お義父さんが 中々朝食食べに来ないと思ったら・・・」
薄 南(みなみ)「出たな、妖怪食べ物漁り」
滝沢 大戸(たきざわ おおと)「よ、妖怪扱いしないでくださいッ!」
滝沢 大戸(たきざわ おおと)「み、南さん これにはあの〜深い訳がありまして」
滝沢 大戸(たきざわ おおと)「大学の授業料を先日払ったので 食べ物を買うお金がなくてですね、それであなたのお父様にお恵みをいただいて」
薄 南(みなみ)「授業料だあ? テメェが金を落としてるのはメイド喫茶だろうが」
滝沢 大戸(たきざわ おおと)「ど、どどどどうしてそれをッ・・・!」
薄 八角(はっかく)「大戸くん・・・その話・・・ 本当なんか・・・?」
薄 八角(はっかく)「君は勉強にしかお金を費やさない 苦学大学生じゃなかったんか・・・?」
滝沢 大戸(たきざわ おおと)「ややややだな〜 もちろんそうに決まってるじゃないですか!」
滝沢 大戸(たきざわ おおと)「で、では僕はこれから 大学の講義があるんで〜〜それじゃッ!」
薄 南(みなみ)「あっちょっと! ・・・また逃げられたわ」
薄 南(みなみ)「お義父さん! もうあの妖怪に食べ物はあげないように!」
薄 八角(はっかく)「ううむ、しかし・・・」
薄 南(みなみ)「良いですねッ!」
薄 八角(はっかく)「・・・」
薄 八角(はっかく)「まっバレなければあげてもエエやろ☆」

〇実家の居間
薄 南(みなみ)「・・・はぁ〜朝から疲れたわ」
薄 南(みなみ)「ホント、主婦の朝って忙しいわね・・・」
薄 徳久(とくひさ)「な、何だ!? 今の悲鳴は!」
薄 湊(みなと)「お母さんお父さん大変ッ!」
薄 湊(みなと)「人が・・・うちの前で倒れてる!」
「えええッ!?」

〇平屋の一戸建て
薄 南(みなみ)「こ、この倒れてる人って・・・」
薄 南(みなみ)「妖怪食べ物漁り!!」
薄 湊(みなと)「え、妖怪・・・って」
薄 湊(みなと)(まさか・・・妖精である私の正体を 突き止めた悪者!?)
薄 湊(みなと)(いけない! 悪の手はもうすぐそこまで来ているわ!)
薄 南(みなみ)「湊、妄想はその辺にしときなさい」
薄 徳久(とくひさ)「この子は確か・・・ よくうちに来て食べ物を失敬する子じゃないか」
薄 徳久(とくひさ)「もしかしてお腹が空いて倒れたのかな?」
薄 南(みなみ)「いいえ、こいつはさっき お義父さんからあんぱんをもらって食べていたわ」
薄 徳久(とくひさ)「と、言うことはつまり──」
???「つまり── 殺人事件、という訳ですな」
薄 一箕(いっき)「フフフ、そういうことなら このイケメン名探偵一箕にお任せを」
薄 一箕(いっき)「この僕が華麗に解決して差し上げましょう!」
薄 南(みなみ)「・・・いやあんたさっきまで 居間で気絶してたじゃない、 というか何その格好」
薄 一箕(いっき)「名探偵は大抵こういう茶色いコートを 羽織っているものなのだ」
薄 徳久(とくひさ)(暑そうだなー)
薄 一箕(いっき)「して、この死体の第一発見者は?」
薄 徳久(とくひさ)「言っておくけど、死んでないからね? ただ気絶してるみたいだよ」
薄 一箕(いっき)「シッ! 黙って! ムードぶち壊しになる!」
薄 徳久(とくひさ)「・・・はいはい」
薄 徳久(とくひさ)「第一発見者は湊だよ」
薄 一箕(いっき)「ほう、我が妹か ・・・そういうことか・・・」
薄 湊(みなと)「・・・な、何よ」
薄 一箕(いっき)「犯人は現場に戻ってくると言うし ・・・これは決まりだな」
薄 湊(みなと)「ちょっと! 私を犯人にしないでよ!」
薄 湊(みなと)「私が家を出た時、 もうこの人は倒れていたんだから!」
「・・・何や〜? さっきから騒がしいのう・・・って」
薄 湊(みなと)「うわああ〜 おじいちゃんがショックで倒れちゃった!」
薄 一箕(いっき)「くっ・・・僕としたことが・・・ 1日で2名も犠牲者を出してしまうなんて・・・!」
薄 徳久(とくひさ)「いやちゃんと生きてるからね?」
薄 一箕(いっき)「ということは ここまでの出来事から整理すると、」
薄 一箕(いっき)「妹はシロ、おじいちゃんもシロ、」
薄 一箕(いっき)「父さんは人に手をかける勇気も実力も ないだろうからシロ、」
薄 徳久(とくひさ)「ちょ、実の父にそんな言い方ある?」
薄 一箕(いっき)「つまり──犯人は一人しかいない」
一箕「──そう、my マザー、あなただ!」
薄 南(みなみ)「ち、ちょっと、どうしてそこで 私になるのよ!」
薄 一箕(いっき)「かつて地元のヤンキー集団の番長だった母は、この男に自分の正体がバレた・・・」
薄 一箕(いっき)「だから、口封じのためにやったのだ!」
薄 南(みなみ)「・・・はああ 名探偵もまだまだおこちゃまね」
薄 一箕(いっき)「な、何!?」
薄 南(みなみ)「私が元番長だったってことは、 近所の人たちならみんな知ってるわ」
薄 南(みなみ)「私自身も特段隠してないし ──それに」
薄 南(みなみ)「私なら、こんな気絶で終わらせないで もっとやっちゃうしね☆」
薄 一箕(いっき)「す、ストーップ! ダメダメ、 そんなことしたら規制されちゃうから!」
薄 南(みなみ)「ふふ、安心して、冗談よ♡」
薄 徳久(とくひさ)(冗談に聞こえない)
薄 一箕(いっき)「じゃあ、犯人は一体──」
薄 徳久(とくひさ)「おや、あの子の近くに落ちてるのって・・・」
薄 一箕(いっき)「あ、あれって、僕が今朝食べて気絶した お母さんの失敗作・・・」
「──あっ、確かにないわ!」
薄 湊(みなと)「あの鍋、居間にあったはずなのに、 無くなってる!」
薄 一箕(いっき)「ということは・・・ この男はこの失敗作を盗んで・・・」
薄 南(みなみ)「飲んだら気絶してここで 倒れてしまった・・・ということ・・・?」
薄 湊(みなと)「あっ、お母さんが逃げた!」
薄 一箕(いっき)「ま、待て〜犯人、逃さないぞ〜!!」
薄 徳久(とくひさ)「・・・あはは これで、一件落着、なのかな?」

〇平屋の一戸建て
「・・・やれやれ 本当にお騒がせな家族ですねえ」
薄 宮(みや)「だから私は心配で まだ成仏できないんですよ」
薄 宮(みや)「閻魔様をシバ・・・脅して 成仏しなくて正解でした」
「シバくも脅すも同じことだにゃん」
薄 五月(さつき)「言い直した意味あるのかにゃ?」
薄 宮(みや)「ふふ、それもそうですね」
薄 宮(みや)「五月さん、あの人たちを よろしく頼みますよ」
薄 五月(さつき)「・・・ボクに言われても困りますにゃ・・・」

コメント

  • 薄家のメンバーではないけれど大戸くんが何気にいいキャラ&いい動きをしてて、物語の影の盛り上げ役ですね。朝からこれだと、夜には南さんはぐったりでしょうね。あっ、だからストレス解消に闇鍋ぐつぐつ煮込んじゃうのか。なるほど〜。

  • 楽しすぎます!終始笑いっぱなしでした!
    そして気になる闇鍋の味と破壊力、味見したいようなしたくないような…
    この家族も闇鍋のごとくトンデモなキャラが集まっていますが、美味しく読めるのは作者様の腕なのでしょうね!

  • 賑やかな家族でほっこりしました!
    どこの家庭も母強し…笑
    失敗作は無理やり食べさせないでほしいですが!
    それが伏線になっていたところはすごく面白かったです!

成分キーワード

ページTOPへ