〇謁見の間
泡風王「よくぞ！　よくぞ我が息子を助けてくれた！」
甘音主乃「は、はぁ・・・」
甘音主乃（何故だ、何故こうなった・・・??）
甘音主乃（何故！　あの人（御付きの人）は報告してしまったのだぁあ!!!）
泡風王「・・・して、褒美は何が良いのだ？」
甘音主乃「・・・いらないです、ハイ」
泡風王「なんと！　報酬を望まぬ、その謙虚な心！　流石である！　しかし、それでは私の気が済まぬのだよ」
甘音主乃（いや知らんがな?!）
泡風王「それとだな、もう一つ。相談したいことがあってのぉ」
泡風王「我が息子・射潤が「ヒーローになりたい」と言って聞かんのだ」
甘音主乃「ありゃ」
泡風王「どうすれば良いかのぉ・・・」
甘音主乃「ええと・・・本人呼べます？」
泡風王「ああ、分かったよ。射潤！」
　　タッタッタッタッ・・・
泡風射潤「はぁ〜い!!!　って、あ！　主乃お姉ちゃん！」
甘音主乃「お久しぶり〜」
泡風射潤「ねぇねぇお姉ちゃん。ヒーローになりたいの！　どうすればいいかな？」
甘音主乃「そっかぁ・・・て、お？」
甘音主乃「・・・！　射潤くん」
泡風射潤「なぁに？」
甘音主乃「魔力・・・あるね」
泡風王「ま、魔力だと?!」
泡風王「魔王軍とやらが持っているとされるその力を、射潤が持っていると?!　ふざけるな！」
泡風射潤「ええと・・・」
甘音主乃「持ってる人は少ないけれど、人間にもいるんだよ。魔力のある人」
甘音主乃「現に、ここに」
泡風王「な、なんと・・・」
泡風射潤「お父さん、主乃お姉ちゃん・・・僕はどうしたらいいの？」
甘音主乃「それを決めるのはキミだよ」
泡風射潤「・・・？」
甘音主乃「それで人を助けたいなら極めればいいし、使いたくないと思うんだったら使わなければいい」
甘音主乃「もし、持っていたくすらないと言うのなら、俺が全て受け継ぐ事も可能っちゃあ可能だよ」
甘音主乃「ただ、どうするのかを本人がしっかり決めないといけない。他人の判断で無理矢理やると、本人が壊れてしまうから」
泡風射潤「ええっ？」
泡風射潤「僕は・・・えっと・・・」
甘音主乃「そんなに急いで決めなくったって良いよ！　俺が感知してなければ気付かずに一生を終えていたかもしれない程だから」
泡風射潤「それもそっか！」
泡風王「では、射潤の魔力に関してはゆっくりと決めさせてもらう。何かあればそちらに送るが、よろしいかな？」
甘音主乃「うぃ！ んまぁ、射潤くんの魔力量なら魔獣とも闘えそうだしね〜」
甘音主乃「闘わないにしても、ある程度の制御ができるように訓練もできるから、いくらでも」
甘音主乃「んじゃねっ！　帰るわ」
泡風射潤「バイバイ！　お姉ちゃん！」

〇おしゃれな居間
甘音主乃「・・・と、まあこんな感じ」
数多声野「さすがですが・・・相変わらず無茶苦茶な事をしますね」
「数多、慣れろ。これが甘音主乃クオリティだ」
数多声野「そうですよね〜」
数多声野「なんてなりません!!! なんで大富豪と話してそうなってるんですか?!」
甘音主乃「声野くん、いつにも増して勢い強いね?!」
数多声野「そりゃそうですよ・・・僕の知らない間に仲間増えてるわ富豪と仲良くなってるわ、あなた大変ですね？」
甘音主乃「それもそっか・・・でね？　この後その子来るかもなのよ」
数多声野「来るっ?!」
「あー、今日は別のお兄さんだよとか言ったか？」
甘音主乃「言ってね」
「言ってねぇのかよ言っとくわ」
数多声野「お、お茶用意しておきますね・・・」
「いや〜、にしても、ここまで発展するとは私も思ってなかったな」
甘音主乃「ほんとね〜」
「泡風家・・・大変だよな、絶対」
「外出１つするにも御付きがうん10人と・・・私だったら耐えられん」
甘音主乃「分かる・・・」
甘音主乃「ちょっと俺も準備してくるね」
「あいよ」
「・・・」