あなたと私はずっと消えないままで

音翔

時空を越える(脚本)

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音翔

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〇川沿いの原っぱ
???「起きろよ、起きろって!」
私「ぇあっ!」
蓮「おい、いつまでも寝てるんじゃねぇ!!」
私(この人偉そうだな・・・)
私「なんですか・・・?あなた」
蓮「あなたじゃねぇ!」
私「・・・お、お名前は?」
私(こいつ、うるさっ!)
蓮「そう、敬語を使え ・・・あっ、名前は蓮だ」
蓮「お前は?」
私「・・・理央です」
蓮「っ・・・!?」
私「何かありましたか?」
蓮「いや、なんでもない」
  そこに秘密を残して始まった──
  私たちの物語

〇川沿いの原っぱ
私「まず、ここって・・・?」
蓮「知らない」
私(あれ?なんか口調が変わったような・・・)
蓮「まぁ、あっちの街の方に行くか」
蓮「さっさと行くぞ理央」
私「はい」
私(気のせいかな・・・)

〇村に続くトンネル
私「はぁ、はぁ・・・」
私「またここ・・・」
蓮「ループしている・・・」
  街へ入るところのトンネルに入っても
  またトンネルを入る前の場所に来てしまう
蓮「最初の場所に戻ろう」
私「・・・はい」
  そうして元の場所に戻ることにした
私(変な場所だなぁ・・・)

〇睡蓮の花園
私「はあぁぁあ!?」
蓮「・・・」
私「う・・・なんで?」
私「まるで・・・」
蓮「『ここに来いと言われているみたい』」
私「・・・!?」
私「え・・・」
蓮「昔、幼馴染が死んだんだ」
私(唐突・・・)
蓮「理央は幼馴染に容姿も性格も似ている」
蓮「お前は幼馴染・・・李恋じゃ」
私「っ違う!!」
私「違うもん・・・」
私「私は古沢り・・・こじゃ」
私「あれ?なんで名字を知って・・・」
私「いや・・・」
私「李恋は私なんだ・・・」
  全てを思い出した気がした
蓮「あんたは理央じゃないだろう 理央は妹の名前だ」
私「・・・蓮さ──」
私「ぅ・・・あっ・・・!!」
蓮「李恋!!」
李恋「『蓮君、思い出してくれてありがとう』」
蓮「李・・・恋?」
李恋「『私ね、思い出してほしくてここに呼んだんだ』」
蓮「じゃあ理央は・・・」
李恋「『私の依代、私の妹だよ』」
李恋「『ほら、私双子だから!!』」
李恋「『ごめんね』」
李恋「『この後、元に戻すから』」
李恋「『好きだよ、蓮──』」
蓮「李恋っ!」

〇男の子の一人部屋
蓮「はっ!!」
蓮「悲しい夢を見た気がする」
蓮「李恋・・・」
蓮「・・・なんで李恋が出てきたのかな?」
蓮「久しぶりに行こう」
蓮「李恋と理央の家に」
  そして理央に連絡する
私「いいですよ 私も話したいことがあったので 12時30分に家に来てください」
蓮「話したいこと・・・?」
  時計を確認する
  ──11時12分 だった
蓮「早く行こう 時間がかかるから」
  準備を始める

〇一軒家
  丁度12時30分前だった
理央「こんにちは 蓮さん」
蓮「こんにちは」
理央「それで・・・」
理央「要件はやはり姉のことでしょうか?」
蓮「・・・はい」
理央「あっ・・・」
理央「ま、まず家に入りましょう」
蓮「そうだね」

〇シックな玄関
蓮「先に話したいこと言っていいよ」
理央「ありがとうございます」
理央「あのですね・・・」
理央「夢を見たんです」
  心臓がどきりとする
理央「姉が私を乗っ取って蓮さんに会っていたんです」
理央「で最後に「好きだ──」と」
理央「蓮さん!」
理央「・・・あなたも見ましたか?」
理央「会いたいんです 私」
理央「姉に」
理央「でも、無理なんです 私じゃ、“依代”だから」
理央「・・・」
  辺りが静まる
理央「蓮さんが言いたかったのは・・・」
蓮「俺も同じ夢を見た」
蓮「李恋── 来てくれるか?」
理央「え──」
  バタっ!
理央「・・・」
理央「気づいた?」
理央「私が入っていること」
蓮「うん」
理央「好きだよ」
蓮「俺もだよ、李恋」
蓮「思いを伝えられてよかった」
「また会おう」
蓮「ありがとう」
蓮「李恋──」

〇睡蓮の花園
李恋「ここは私の世界」
李恋「蓮君に会いたいな──」
李恋「私を読んでくれてありがとう」
李恋「さよなら──」
  『起きろよ、起きろって!』

次のエピソード:二話

コメント

  • 不思議な、そして切なくも温かいお話でした。それぞれの思いがよく伝わってきました。

  • 謎に満ちた物語の出だしから、二人の関係性が徐々に見えてくる展開にゾクゾクしました。夢と現実、理央と李恋、相対する両者に蓮が翻弄されて交錯する場面転換も雰囲気があってよかったです。

  • リアルと幻想の境界にあるような不思議な空気感が漂う物語ですね。このままの世界を楽しむのか、この現象を追求するのか、いろんな展開で楽しめそうですね、

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