柔道部 五十嵐ダイサク登場(脚本)
〇野球場の観客席
竹松県立野球場 3回戦
ズドン!
綺羅星は投球練習をしている
伊集院タイガ「綺羅星のやつ今日はずいぶん調子がいいようだな」
タイガは首をかしげた
田中キミヤス「どうやら、柔道部から五十嵐とかいう助っ人が選手登録していたみたいですよ」
伊集院タイガ「五十嵐ダイサク」
伊集院タイガ「中学軟球野球界において 骨太の体格と柔軟な筋肉に裏付けされた強肩と」
伊集院タイガ「優れた動体視力が実現する捕球力から 将来を有望視されながらも」
伊集院タイガ「その能力をいかすことのできるパートナーに恵まれることなく失望し」
伊集院タイガ「個人競技の柔道に転向したと聞いていたが まさかわが校に入学していたとはな・・・」
タイガは興奮を隠しきれない
龍造寺アヤメ「ずいぶんおくわしいこと」
アヤメはからかうように言った
伊集院タイガ「ごほん」
伊集院タイガ「まあいい、とにかく試合を見守ろうじゃないか」
〇観覧車のゴンドラ
タイガとアヤメは観覧車に向かい合いあうように乗っている
巨大観覧車が名物の山中パークランドは
竹松県立野球場から10分でアクセス可能な高校生の遊戯スポットだ
龍造寺アヤメ「5-0 綺羅星の完封試合」
龍造寺アヤメ「五十嵐ダイサクの加入によって攻守ともにスキがなくなったのではなくって?」
伊集院タイガ「ふふふ、君は野球というものが分かっていないよ」
龍造寺アヤメ「あら、どういうこと?」
伊集院タイガ「綺羅星はすでに3試合連続でフル出場している やつは日本球界の将来を担うことが約束された男」
伊集院タイガ「わが校の弱小野球部のわがままに付き合って 選手寿命を縮めさせるようなことがあってはならない」
伊集院タイガ「私が監督なら次の試合 綺羅星を出場させないよ」
龍造寺アヤメ「あら、それじゃあ」
伊集院タイガ「桜華北高校野球部は次の試合 綺羅星抜きで勝ち上がらなければならない」