メイドロボの殺人

チャコロフスキー

秘密(脚本)

メイドロボの殺人

チャコロフスキー

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〇一軒家の玄関扉
p315「・・・」
  ただいまー。
  珍しいな外まで迎えに来るなんて。

〇血まみれの部屋
  な!なんだこれは!
p315「私が旦那様を殺しました」
  父さん!!
  父さん!!
  どういうことだよ!
  なんでだよ!!
  なんでロボットのお前が父さんを!
母さん「ただいまーって、、 なにこれ!?」
p315「私が旦那様を殺しました」
母さん「どういうこと? あなた!! あなたーーー!!」
  なんでこんなことに。。
  このロボットを作ったのは父さんだぞ。
  父さんの頭はトンカチでめちゃくちゃになっていた。
  こいつ。。
  粉々にしてやる!!!
母さん「待って!! この子を壊したところでお父さんは・・・」
  でもこいつ!
  殺人ロボットなんだぞ!!
  作ってくれた父さんを・・・
  父さんを・・・
母さん「警察に連絡しましょう──」
  警察に言ってどうなるんだよ。
  ロボットが罪に問われるのか?
母さん「もしもし・・・ 夫がロボットに殺されました」

〇雑誌編集部
警官A「はぁ? ロボットが人殺し!?」
警官B「はい。 先程ご主人がロボットに殺されたと通報がありまして・・・」
警官A「そんなの聞いたことないぞ? ロボットは人間に指示されたことしかしないんだから、誰かに命令されたんじゃないか?」
警官B「その可能性はあるかもしれませんね。 もうすぐ犯人が護送されてきますので先輩には取り調べを──」
警官A「いやいやいや!! 俺はそういうの専門外だから!! お前がやれ!」
警官B「えーーー!? ロボットの取り調べなんてどうすればいいんですかー!!」
警官A「俺もわからん。 ロボットに詳しいやつでも呼んどけ。」
警官B「ロボットに詳しい人かぁ・・・」

〇空っぽの部屋
  ロボットって聞いてたけど、メイドさんみたいな可愛い格好してるわね。
  この子が人殺しなんて・・・
警官B「こんにちは。 あなたお名前は?」
p315「よくわかりません」
警官B「すごい! 声も可愛らしいのね!」
p315「・・・」
  ガチャ
警官C「ふぁーーー」
警官B「あなたロボットに詳しいって聞いてるからよろしくね!」
警官C「AIの取り調べなんて聞いたことないんですけど・・・」
警官B「私もよ・・・ ロボットが人殺しなんて・・・」
警官B「さてと。。 p315さん、あなたがご主人を殺したの?」
p315「私がご主人様を殺しました」
警官B「なぜ殺したの?」
p315「よくわかりません」
警官B「え?」
警官B「どうやってご主人を殺したの?」
p315「よくわかりません」
警官B「こんなんじゃ取り調べにならないじゃないの!」
警官C「先輩無駄っすよ。 相手はAIなんですから」
警官C「このAIのプログラミングを調べた方がいいかもっすねー」
警官B「どういう事?」
警官C「誰かが操作して、ご主人を殺すようにプログラムしたんじゃないかってことっすよ」
警官B「そうね・・・ これじゃあ埒が明かないわ。 この子を作った被害者のオフィスへ行ってみましょう」

〇個別オフィス
警官B「こんにちは。 教授の事件の件で捜査させていただきます」
秘書「はい。 こちらが教授のお部屋です。 パソコンも見られるようになっております。」
  あら。
  この子なんとなくロボットの子と似てるわね。
警官C「失礼。 んー・・・と。 これかな?」
  カチャカチャ──
警官C「あった。 p315のプログラム!」
警官C「んーーでも殺人するようにプログラムはされてないなぁ。」
警官B「そんな事見ただけでわかるの!? すごいわねあなた!」
警官C「まぁこれぐらいは・・・」
警官B「このプログラミングを操作できるのは教授以外に誰かいる?」
秘書「いえ、、教授以外は基本的にこのお部屋に入れませんし、オフィス以外からもアクセスできないので。」
警官C「じゃあ自殺かなぁ。 教授が自分で自分を殺すようにプログラミングして、実行したらプログラムが消えるように──」
秘書「そんなはずありません!!! 教授が自殺なんて!!」
  ?
警官B「教授に最近変わった所なかったかしら?」
秘書「いえ・・・ 特にないと思います」
秘書「来月も一緒に旅行に行こうって・・・話していたので・・・自殺なんて・・・」
警官B「あなたと二人で旅行?」
秘書「え!あ・・・慰安旅行です!」
  そういう事ね──

〇おしゃれなリビング
警官B「こんばんは。 お忙しいところすみません。」
母さん「こんばんは。 いえいえ、どうぞ上がって。」
  お前!父さんを殺しておいてよくノコノコ帰ってきたな!!
p315「私が旦那様を殺しました」
警官B「あなたは誰かを庇っているのよね?」
  えっ?
p315「よくわかりません」
警官B「旦那様を殺したのはあなたじゃないわよね?」
p315「よくわかりません」
  何言ってんだよ!こいつが殺したって言ってるだろ!
警官B「あなたがこの子にそう言うように教えたんですよね?」
警官B「奥様。」
  何言ってんだよ!
  そんな訳ねーだろ!!
警官B「そしてあなたは教授と愛人関係だった。」
秘書「それは!!」
  父さんと秘書が愛人関係?嘘だろ・・・
  そんなの嘘だよな・・・母さん・・・
母さん「そうよ。私が殺したのよ。」
  母さん・・・なんで・・・
母さん「あの人ずっとこの小娘と一緒に居たいからってロボットまで作って・・・」
  愛人にそっくりのロボットを作ったって事かよ・・・
母さん「だから大好きな女そっくりのロボットに殺されたことにしてやったのよ。」
警官B「可哀想ですね・・・」
母さん「あなた私をバカにしてるの!?」
警官B「いえ、あなたじゃなくてこの子がです。」
母さん「どういうことよ?」
警官B「この子に自分が殺したと言うように教えたんですよね?」
母さん「そうよ。」
警官B「この子もう奥様が教えたことしか言わなくなってしまいましたね。」
母さん「えっ・・・」
  おい!明日の予定は!?
p315「よくわかりません」
  今日の天気は?
p315「よくわかりません」
母さん「そんな・・・ 私なんて事を・・・」
p315「私がご主人様を殺しました」

コメント

  • AIの進歩に伴って、将来こういう混乱も予想されますね。割と分かりやすいお話の中にも、だからといってロボットに何でも委託出来るすべはない!という論点があって刺激的でした!

  • お母さんの言葉にロボットが従うと言うことは、お父さんがそうプログラミングしたってことなのかな?って思いました。
    愛人を可愛がる気持ちもあれば、お母さんを思う気持ちもあったのかな…と勝手に考えてしまいました!

  • プログラムというわけではなく何かしらそれしかできなくなるような方法があるんですかね?
    いずれAIが人間の補助をする時代にはもう片足突っ込んでる現代ですが…プログラム以上のことも…もしかしたらありそうですね…。

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