我はサブカル魔王、ラノベ勇者を滅する者なり

篠也マシン

第七話 最後のユウ者(脚本)

我はサブカル魔王、ラノベ勇者を滅する者なり

篠也マシン

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〇屋上の隅
佐藤「(チッ)」
佐藤「どうして誰も僕を認めない!」
佐藤「いつも、僕以外の奴が持ち上げられる」
佐藤「僕が勉強もスポーツも一番なのに・・・!」
???「よーし、これから遊びに行こうぜ!」

〇大学の広場
  またバカどもが騒いでるのか・・・

〇屋上の隅
佐藤「僕はここから見える誰よりも──」
佐藤「ハイスペックなんだよ!」
佐藤「あれ、この手すり──」
佐藤「なんか折れて──」
佐藤「お、落ちる!?」

〇ヨーロッパの街並み
佐藤「う・・・ここは・・・」
佐藤「・・・」
佐藤「まるでファンタジー世界の街だな」
佐藤「・・・もしかして」
佐藤「これって異世界転移!?」
???「──その通りです」
佐藤「・・・誰だ!」
リタ「勇者様、お迎えに上がりました」
リタ「あなたは魔族を滅ぼすために、ここへ来たのです」
佐藤「僕が勇者・・・」
佐藤「フハハ」
佐藤「僕の力──」

〇黒
佐藤「今度こそ、世界に認めさせてやろう」

〇噴水広場
  人間国首都『トーキュー市』

〇謁見の間
  王宮『謁見の間』
魔王シン「次の議題は──」
魔王シン「人間と魔族間の停戦協定の件だな」
人間国王キング「ああ」
人間国王キング「もうすぐ期限が来る」
人間国王キング「今回もまた数年間の延長を願いたい」
魔導士レミ「あれが人間国の王・・・」
魔導士レミ「思ったより温和な男じゃな」
魔剣士マナ「今の王はな」
クマシロ博士「先代は好戦的な男でしたね──」

〇基地の広場(瓦礫あり)
  まあ・・・
  先代魔王も同じでしたが・・・

〇謁見の間
クマシロ博士「大崩壊が起こり、戦争継続できなくなったのは──」
クマシロ博士「不幸中の幸いと言って良いかもしれません」
魔王シン「キングよ」
魔王シン「停戦協定の延長──」
魔王シン「今回で止めにせぬか?」
クマシロ博士「シ、シン様!?」
人間国王キング「──クマシロ殿」
人間国王キング「そう慌てるな」
人間国王キング「終戦する──そういうことだな」
魔王シン「うむ」

〇荒廃した街
  大崩壊からの復興にあたり──
  魔族と人間はずっと協力してきた
  もう、昔のように争う必要はないのだ

〇謁見の間
人間国王キング「・・・そうだな」
人間国王キング「我々は民族が違うというだけで、古より争ってきた」
人間国王キング「終わりにするのは・・・今か」
魔王シン「うむ」
魔王シン「その通りなのだ」
人間国王キング「では終戦の細かな条件をつめて──」
リタ「お待ちください!」
クマシロ博士「あ、あれは・・・!」
魔剣士マナ「リタ!?」
クマシロ博士「前回の勇者襲来の時──」
クマシロ博士「マナ殿を痛い目に合わせたこと、忘れてはないぞ!」
魔剣士マナ「・・・博士もな」
クマシロ博士「それにしても、なぜこんな場所に?」
人間国王キング「おお、我が妹よ」
魔王シン「な!?」
魔王シン(妹だと・・・!)
人間国王キング「先ほど、新たな平和への道が開かれた所だ」
人間国王キング「共に祝おうでは──」
リタ「兄様」
リタ「魔族と手を取り合うなどありえません」
リタ「彼らは滅ぼすべきです!」
人間国王キング「・・・」
人間国王キング「何の冗談だ?」
リタ「冗談ではありません」
リタ「忘れたのですか!」
リタ「母上が魔族に殺されたことを!」
人間国王キング「・・・忘れるわけないだろう」

〇基地の広場
  あれは──戦争が最も激しかった頃だ
  母上が前線の部隊の激励に向かった時──

〇基地の広場(瓦礫あり)
  不運にも戦闘に巻き込まれてしまった・・・

〇謁見の間
人間国王キング「だからこそ」
人間国王キング「二度とあのようなことが起こらぬように戦争を止め──」
人間国王キング「──何がおかしい?」
リタ「だからこそ、魔族を滅ぼすのですよ」
リタ「奴らはいつ裏切るか分かりません」
リタ「世界が人間だけになれば──」
リタ「争いは決して生まれない!」
魔王シン「・・・」
魔王シン「本当にそうか?」
リタ「何・・・?」
魔王シン「異世界は人間だけの世界といわれてるが──」
魔王シン「争いはあるようなのだ」
魔王シン「一つの種族しかいないことで平和になるわけではない」
魔王シン「大切なのは──」
魔王シン「そこに生きる者の『愛』と『勇気』と『友情』なのだ」
リタ「ぬかせ!」
リタ「貴様だって、人間を殺してきたくせに!」
魔王シン「我は誰も殺めたことはないぞ?」
魔王シン「それに──」
魔王シン「博士、我が即位してからの戦死者はどうなってる?」
クマシロ博士「魔族、人間合わせて──」
クマシロ博士「現在0人です」
リタ「な・・・!?」
魔王シン「──ということなのだ」
リタ「だ」
リタ「黙れっ!」
リタ「お前たち魔族は──」
リタ「絶対に滅ぼさなくてはならないんだ!」
???「・・・ふう」
???「そろそろ僕の出番かな?」
魔王シン「何者だ!?」
佐藤「僕は佐藤」
佐藤「異世界から来た勇者さ」
魔王シン「ゆ、勇者だと!?」
魔王シン「ペイ!」
魔王シン「転移してきたことに気づいてたか?」
兵士ペイ「いいえ」
兵士ペイ「今までの勇者は異常な魔力を持っていたので探知できましたが──」
兵士ペイ「この者は普通の魔力しか持っていないようです」
魔王シン「なるほど」
魔王シン「今回の勇者──恐れる必要はないか」
佐藤「ちょい」
魔王シン「たしかに、魔法も弱々し──」
兵士ペイ「いえ、違いますっ!」
兵士ペイ「皆さん、全力で防御を!!」
「へ」
佐藤「あれれ〜?」
佐藤「ちょっと力を入れただけなのに」
魔王シン「・・・くっ!」
魔王シン「とんでもない魔力だ」
クマシロ博士「まさか・・・これが勇者の特殊能力」
魔王シン「どういうことなのだ?」
クマシロ博士「おそらくこの聖典に類する勇者かと」
  ~ハイスペック男子の異世界転移~
  一度も本気を出さないまま世界を統べる王に即位してしまいました
クマシロ博士「奴は普段は秘めた力を隠しているのです」
クマシロ博士「そしていざ戦闘になると──」
クマシロ博士「本気のくせに、余裕ぶる悪質なタイプ」
魔王シン「なんと恐ろしい相手だ・・・!」
魔王シン「これより第3勇者を『無自覚装い王子』と呼称する!」
魔王シン「総員、戦闘開始!」
「はっ!!」

〇噴水広場
魔王シン「勇者の圧倒的魔力に魔王軍は窮地に!」
魔導士レミ「頼みの抗転移魔法も通じない」
魔導士レミ「そこで博士は、とんでもない作戦を思いつくのじゃ」
「次も絶対タップしてくれよな!」

次のエピソード:第八話 決戦、首都トーキュー市

コメント

  • 最終章、待ってました! ここでド定番きましたね。「無自覚装い勇者」は笑いました🤣🤣🤣
    シンの上に立つものとしての気持ち、改めて良きですね。きっと最後の戦いも『愛』に満ちているはず。異世界の平和と幸せを願って、次回も楽しみにしています!

  • 憎たらしいユウ者キタ!
    でも単純に魔力が強いとなると対策も難しいだろうな…

  • 久々更新ですね!
    「また何かやっちゃいましたか」系勇者、敵側だと絶妙に憎たらしい😂
    平和な結末を迎えられるのか…ラストスパート楽しみにしてます!

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