cocoa(脚本)
〇教室
サブ「ああ~~今日のテスト終わったあぁ~!」
サブ「テスト期間も終えたことだし、 カラオケ行かない?きよ子もどう?」
朝比奈 きよ子「あ、ごめん」
朝比奈 きよ子「このあと用事あるから...」
サブ「そお、んじゃまた明日ぁ!」
〇川に架かる橋
朝比奈 きよ子(昨日は居なかったから、今日はいるかも)
〇黒
〇テーブル席
山崎 一「いらっしゃいませー 空いてるお席へどうぞー」
朝比奈 きよ子(いた!)
山崎 一「ご注文はお決まりですか?」
朝比奈 きよ子「・・・コっ、ココアを1つ」
山崎 一「かしこまりました」
山崎 一「お席までお運びいたしますので、 少々お待ちください」
朝比奈 きよ子(ああ~やっぱり目で追っちゃうな~)
わたしの行きつけのカフェで
働いている店員さん
"ザキちゃん"って呼ばれてるから、
その名前しか知らないけど
友達にも秘密にしてる
ここのカフェのこと──
だってお客さん、みーんなあの人に
声かけまくるから
ファンをこれ以上増やしたくない
山崎 一「お待たせしました」
朝比奈 きよ子「あっありがとう、ございます」
山崎 一「・・・」
山崎 一「紙の本、お好きなんですね」
朝比奈 きよ子「えっ」
山崎 一「いや、いつも読んでるなぁって」
朝比奈 きよ子「はっはいっ!その、本を見開くのが 好きで...」
山崎 一「ああ~分かります!」
山崎 一「って、僕は電子で読む派なんですけどね。ハハッ」
「ザキちゃぁ~ん!レジ頼む~」
山崎 一「はーいっ!」
山崎 一「それじゃ、ごゆっくり」
朝比奈 きよ子(かっ会話してたよわたしっ!! 今日まで話しかけたことすら無かったのに)
朝比奈 きよ子(ザキちゃん本読む人には見えないから 意外だったなあ~)
〇黒
〇川に架かる橋
朝比奈 きよ子「結局、あの一瞬しか話せなかったな...」
朝比奈 きよ子「...明日も、いるかな」
〇テーブル席
店長「今日もあの子来てたねえ」
山崎 一「えっ」
山崎 一「ああ、あの熱狂的なお客さんですか?」
店長「いやいや、おとなしい女子高生がいたでしょ?」
山崎 一「あーあの子」
山崎 一(・・・)
〇黒
(...明日も、くるかな)
私はココアで温まるより、こういう甘酸っぱい青春で心があったまります笑
目追っちゃいますよね、気になる人。
私も横目で追ってしまうこと、よくあります。