占い師の秘密(脚本)
〇占いの館
ここはとある占い館
占い師「そちらへおかけください」
とある主婦「よろしくおねがいします」
占い師「緊張なさらず」
とある主婦「は、はい」
占い師「何を占いましょう」
占い師「ここは秘密厳守でございます、ご安心を」
とある主婦「その、後ろの人」
「この人は私の弟子です」
「彼も他の人に漏らすことは致しません、秘密厳守ですから」
とある主婦「わかりました」
占い師「では何を占いましょう」
とある主婦「実は主人以外に付き合っている人がいまして」
占い師「ふむ」
とある主婦「相手も妻子ある方で、このまま私たち関係を続けるか否か」
占い師「なるほど」
カタカタカタカタカタカタ(キーボードを打つ音)
とある主婦「記録してるの?」
占い師「あくまでも記録用です。秘密厳守でございます」
占い師「では、このまま関係を続けるか否かを占いますね」
とある主婦「は、はい」
占い師「・・・・・・」
とある主婦(ドキドキ)
占い師「はい、でました」
とある主婦(なんかカードの絵柄が不気味だわ)
占い師「別れた方が良さそうですね」
とある主婦「!!」
占い師「別れたら気持ちに余裕が出ると出ています」
とある主婦(確かに余裕がなかった。連絡がなかったり)
とある主婦(あっちの家庭の都合で予定がキャンセルしたりハラハラ)
占い師「反対に続けた場合、この死神のカードが出ました」
とある主婦「すごい不気味なカードですね」
占い師「もともとあなたは解消したかったんじゃないですか?剣を持った王逆位置。冷淡さが出ています」
とある主婦「当たってます。つい最近彼に対して幻滅して決めたのですが踏ん切りつかなくて」
〇ラブホテルの部屋
いつも私たちはラブホテルでしか会わない
貞幸「しょうがないじゃないか。秘密の関係なんだし」
とある主婦「だけどホテル以外のところで会いたい」
貞幸「もし誰かに見つかったらどうするんだ。互いの家庭が壊れるぞ」
とある主婦「だけどぉ」
貞幸「なぁ、それよりもいいだろ?」
とある主婦(そして、私の身体しか興味がない彼。家族とは別れるとか言って)
とある主婦(妻と会話がない、だから進展がなく平行線のまま)
貞幸「君は秘密がバレても僕の妻に反抗できないだろ」
彼は、私を守ってくれるわけではないの?嫌なところは好きという気持ちで誤魔化してたけど
この秘密の関係に酔いしれていただけだったんだ、と思ったら彼に対して急に冷めてしまった。
〇占いの館
占い師「こちら使ってください」
とある主婦「ありがとうございます」
占い師「続けたとしてももっと苦しい気持ちになるだけですよ。ほら、剣がたくさん頭に刺さっている絵柄のカードが」
とある主婦「もうやめたいです。彼との関係!」
とある主婦「関係を辞めたら私は余裕が持てるんですよね?」
占い師「ですが、最後にこのカード。関係を辞めたあと、剣を持ったクイーンの逆さまのカードが」
とある主婦「とても怖い顔をしている女性の絵柄だわ」
占い師「相手の奥さんに伝わってしまう可能性がありますね。ヒステリックな女性のカードですから」
とある主婦「確かに彼は奥さんが怒りっぽくて嫌だと言ってました」
とある主婦「その反面、私は優しくてなんでも聞いてくれる、頼ってくれるって」
とある主婦「都合のいいだけの女だったんだ、私」
とある主婦「関係を続けても尚更傷つく、でも関係を辞めても奥さんにバレてしまう。地獄だわ」
占い師「ひとつ、アドバイスカードを引きましょうか。追加料金かかりますが」
とある主婦「あ、はい。助言をお願いします!」
占い師「・・・・・・」
占い師「棒のエース。新しい物事の始まり。新しい事に目を向けましょうとのことです」
とある主婦「じゃあもう奥さんにバレること覚悟で彼との関係を解消します」
占い師「何か新しい趣味を見つければすぐにでも彼のことを忘れられます」
とある主婦「そうなんですね、頑張ります」
占い師「よかったらこのパワーストーンを身につけると勇気を持って前に進めますわ」
とある主婦「え、でも・・・・・・高そう・・・・・・」
とある主婦(占い料だけでもかなり高いし、ここまでの交通費も高いけど)
とある主婦(奥さんにバレて慰謝料取られてしまうよりかはいいかしら)
占い師「これさえあればヒステリックな奥様から攻撃から身を守って下さるわ」
とある主婦(私を守ってくれるなら!)
とある主婦「じゃ、じゃあ買いますわ!」
〇占いの館
とある主婦はパワーストーンと共に微笑んで帰っていった
助手「先生、お疲れ様です」
占い師「ありがとう」
助手「先生、次は30分後ですから少しおやすみください」
占い師「休みの時は先生って言わないで」
助手「てか姉貴、いい加減こんなこと良さないか?」
占い師「何よ、こんなことでしか貞幸さんの女癖の悪さ解消できないんだから あっちは秘密にしてると思うけどバレバレよ!」
助手「義兄さんの浮気した相手を片っぱしから調べてその相手から占い料として慰謝料並みのお金ぶんどるなんて」
占い師「一人一人から分取ってやらないと気が済まないの!」
占い師「女たちは依存傾向強くて信じやすくて楽だわ」
助手「まぁその方が自然と浮気相手たちは離れていくし、義兄さんには秘密に復讐ができる」
占い師「私のお小遣いにもなるし、そのお金で綺麗になって見返して離婚してやるのよ」
助手「結局離婚するのかよ。回りくどいなぁ」
占い師「そうかもしれないけど離婚にはお金がかかるし、女たちからはさらに上乗せでまた請求できるしね」
助手「義兄さんが知ったら顔真っ青だな」
占い師「これは私たち姉弟の秘密よ」
助手「はいはい、先生!」
占い師「だからその言い方!」
〇黒背景
しかし彼女は知らなかった。さらにとんでもない秘密があった。
〇ラブホテルの部屋
貞幸「ほら、こっちにおいで」
助手「は、はい」
貞幸「なんて従順な子なんだ。お姉さんとは大違いだぞ」
助手「姉貴は昔からああなんです」
貞幸「結婚するまでわからなかったよ。はぁ」
貞幸「まぁ俺もこんな浮気性だなんて気付きもせんよな。あいつも」
助手(お互い様だ、この夫婦)
助手(でも、義兄さんはとても僕を愛してくれる)
助手(こんなこと姉貴が知ったらどうなることやら)
助手(一つや二つ秘密があってもいいもんだ)
貞幸「愛してるよ」
助手「僕も、愛しています」
「この関係は、秘密ですから」
終
占い師さんのぶっ飛んだ行動には驚きましたが、夫さんはそのさらに斜め上を行きますね!w 強烈すぎる夫婦(離婚予定)ですね!
最後のオチで「えー!?」ってなりました!笑
まさかの浮気相手ですよ!
すごくおもしろい作品でした!
夫さんは…なんかもう治りそうにないですね。
いやぁ、つまり秘密をバレたくない本人に話してしまっていたのですね笑
このお兄さんは…もう救いようがないかも笑
私も秘密はたくさんありますが…墓まで持っていく予定です。