最終ステージ・出典紹介(ア)(脚本)
〇仮想空間
タケウチ「今回は、第6ステージが最終ステージとなります。最終ステージは出典紹介、フレーズの出典について最終スピーチをしてもらいます」
タケウチ「スピーチ内容は自由ですが、紹介役の皆さんは、書名と著者名、どんな文脈で出てきたフレーズか、という3点は必ず語ってください」
タケウチ「一応、「本を読まずにフレーズを選んでもいい」ってのがフラグフレーズのルールですが──」
タケウチ「その場合でも、本の目次とか、帯やカバーに載ってるあらすじとか、前後の朗読とか、分かる範囲で紹介してみてくださいね」
タケウチ「そういう紹介さえ終わったら、あとはみんなでお喋り。ディスカッションとか質疑応答とかの時間です」
タケウチ「紹介役は、紹介し終わったと思ったら、「何か質問ありますか?」とみんなに話を振ってみてくださいね」
タケウチ「では、(ア)の紹介役のウサギさん、お願いします!」
(ア)
「まあ、失礼な!
あたしを、そのへんの年ごろの女の子と
いっしょにしないでちょうだい」
ウサギ「はい、(ア)のフレーズの出典ですが──松岡享子著、こぐま社刊の、『こどもに語る アジアの昔話』のⅠ巻です!」
スナネズミ「『アジアの昔話』! なんだろ、あの・・・太ってる女の子の話?」
シマウマ「あ、分かった! 私も大っ好きな話だよ。どうして今まで気付かなかったんだろ」
シマウマ「『ちっちゃなゴキブリのべっぴんさん』 イランのお話ですね! 当たりでしょう?」
ウサギ「そうです、「べっぴんさん」です!」
ウサギ「第2ステージでお話しした、この昔話を語る方たちがとても素敵で、その女性の個性が溢れてて、何回聞いても楽しくて楽しくて──」
ウサギ「まずゴキブリが主人公になるのがおかしくって、お化粧しておめかししてしゃなりしゃなり歩くところ、その姿が思い浮かんで──」
ウサギ「この機会に皆さんにも、絵を想像してもらいたいです。 字で読むより、誰かの声で聞いたら面白いかと思って、紹介しました」
スナネズミ「そしたら、ウサギさんの語りで聞かせてくださいよー」
ウサギ「いえ、語りはできないんですよ、私。 聞くばっかりで・・・」
シマウマ「私この話、著者というか、再話者の松岡享子さんの語りで聞きましたよ」
シマウマ「どこにフォーカスするかで雰囲気が変わる話ですよね」
シマウマ「松岡享子さんとか、ほとんどの人が、しゃなりしゃなり歩いてて、いろんな職業の人が「よう、ねえちゃん」って声掛ける場面──」
シマウマ「主人公が「まあ失礼な!」って返すところにフォーカスして笑いをとるみたいです。 そうかと思えば──」
シマウマ「後半にフォーカスする人もいます。 後半の、夫婦の愛の方に感動を置く語り手もまた味わい深いというか」
シマウマ「どっちに心がいってるかで、語りが変わってくるお話。だから何度聞いても、語り手によっても違う面白みがある印象ですね」
シマウマ「だから私、自分で覚えて語ってみようとは思わない。難しいかなあ・・・」
ウサギ「ちょっと長いですよね」
シマウマ「難しいし、長いし・・・」
タケウチ「・・・さて。 語りの活動は未経験の僕にも、語るのは難しいらしい、と分かったところで、次の紹介役のスピーチにいきましょうか」
タケウチ「(ア)の紹介役のウサギさん、ありがとうございましたー」