場末ノZ

山本律磨

Paraiso(Ⅲ)(脚本)

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〇草原
  慈しみ深き友なるイエスは、罪とが憂いを取り去りたもう
  心の嘆きを包まず述べて、などかは下ろさぬ負える重荷を

〇教会の中
マリア「慈しみ深き友なるイエスは、我等の弱きを知りて憐れむ」
マリア「悩み悲しみに沈める時も、祈りに答えて・・・」
マリア「祈りに答えて・・・」
「慰めたまわん」
マリア「よく分かったね」
武藤「子守歌だったんで」
マリア「そうじゃなくて。私がここにいることが」
武藤「孤児院のある教会って、町でここだけですから」
マリア「懐かしがって里帰りしてるなんて思わないでよね」
マリア「時々確かめに来てるだけなの」
マリア「自分の心の中に神様なんていないって事を」
武藤「腫れ、随分引きましたね」
マリア「放っといてよ。有給、明日までもらってるんだから」
武藤「月給制なんですね」
マリア「私、借金あるからさ」
武藤「すみません」
マリア「ま、別に隠すほどの事じゃないし」
武藤「支配人に借金してるんですか?」
マリア「別に話すほどの事じゃないし!」
武藤「す、すみません」
マリア「・・・」
武藤「・・・」
マリア「祈りたいなら座れば」
武藤「・・・あの」
マリア「話したいなら座れば」
武藤「はい」
武藤「・・・」
マリア「黙ってるだけなら帰って」
武藤「暁ルナって人に、憧れてるんですか?」
マリア「話したんだ。支配人が」
マリア「あの人見かけと全然違うでしょ。男のくせにベラベラベラベラ」
武藤「20年前この町に住んでいたストリッパー」
マリア「ダンサー」
武藤「ダンサー」
武藤「・・・どこがいいんですか?」
マリア「パフォーマンスの何も知らない癖に・・・結構上から目線なんだね」
武藤「だから聞きたいなと思って」
マリア「アンタに話しても理解できないかも知れないけど」
マリア「怒りよ」
武藤「怒り・・・」

〇時計台の中
  『あの映像を見て一目で分かったの』
  『この人は怒ってるって』
  『楽しくもない。綺麗でもない』
  『ただ自分に纏わりつくだけの(夜)に』

〇手
  『自分を理解しようともせずに、ただただ弄ぶだけの怪物たちに』
  『その怪物を野放しにしたままの神様に』

〇草原
  『自分が決して辿り着けない世界に』

〇草原

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