第2話 ステージ??? 殺しのルール(脚本)
〇川に架かる橋
有栖川愛実「あ、おーい! ジュンちゃーん!」
植月ジュン「おー愛実 今、帰りか?」
有栖川愛実「うん!」
有栖川愛実「ジュンちゃんは・・・」
有栖川愛実「プラプラして、何か暇そうだね」
植月ジュン「し、失礼だな! オレはこう見えて町の平和をだな・・・」
有栖川愛実「うっ、こんなんじゃ お姉ちゃんが苦労しそう」
植月ジュン「お、おい・・・だからな」
その時、猛スピードで
こちらに向かって来る
車にオレは気付かなかった・・・。
植月ジュン「ま、愛実!」
有栖川愛実「えっ・・・」
凄まじい衝撃音と共に
吹き飛ばされる愛実の体・・・
全てが一瞬の出来事・・・
気付いた時には、もう愛実を轢いた車は
その場を走り去っていた。
油断していた・・・
全ての悲劇を
解決していたと思っていた・・・
だがそれは・・・
大きな間違いだっんだ
〇明るいリビング
植月ジュン「ま、愛実!」
有栖川シホ「どうしたのこんな夜中に・・・?」
植月ジュン「ま、愛実は?」
有栖川シホ「え? マナだったらあそこで寝てるじゃん」
植月ジュン「そ、そうか そうだったな・・・」
有栖川シホ「大丈夫?」
植月ジュン「え、何が?」
有栖川シホ「車に轢かれそうになったって マナが・・・」
有栖川シホ「もしかして 私達まだ狙われてるのかな?」
植月ジュン「大丈夫だ!」
植月ジュン「必ず・・・」
植月ジュン「必ずオレが守るから!」
有栖川シホ「ちょ、ちょっと、ジュンちゃん!」
有栖川シホ「・・・・・・」
〇動物園の入口
同世界 同時刻
クロ「マナ・・・」
クロ「マナ起きてって」
クロ「全く、毎回こうやって 起こさないといけないのかな?」
有栖川マナミ「うーん・・・」
有栖川マナミ「ここは?」
クロ「動物園さ」
クロ「どうやら 前回、殺した地点からの スタートになるみたいだね」
有栖川マナミ「あぁそうか・・・」
有栖川マナミ「私は・・・」
有栖川マナミ「・・・・・・」
有栖川マナミ「早く行きましょう」
有栖川マナミ「ジュンちゃんが 何処にいるか分かったりする?」
クロ「ま、まあ ちょっと待って!」
有栖川マナミ「どうして? 時間がもったいないんでしょ?」
クロ「まあそうなんだけど・・・」
クロ「これを見てよ」
有栖川マナミ「何これ? タイマー?12・・・?」
クロ「次に植月ジュンが タイムリープするまでの時間だよ」
クロ「つまりタイムリミット」
有栖川マナミ「タイムリミット? 前回そんなのなかったじゃない」
クロ「前回はアレが最後の世界線だったからね」
クロ「あれ以上、植月ジュンが タイムリープすることはなかったんだよ」
有栖川マナミ「タイムリミットを過ぎるとどうなるの?」
クロ「植月ジュンがタイムリープをして おそらく君は元の世界に戻されるだろうね」
有栖川マナミ「うーん よくわかんないんだけど・・・」
クロ「いいかい? 僕達は今いるこの世界の “次の世界”からやって来た・・・」
クロ「つまり、植月ジュンは 何らかの気にくわない理由があって──」
クロ「この時間に 必ずタイムリープすると言うことだよ」
クロ「僕達が下手に干渉したりしない限りはね」
有栖川マナミ「そこはまあ 何となく分かったんだけど」
有栖川マナミ「元の世界に戻される 理由がよく分からないわ」
クロ「んー・・・」
クロ「この次にあるべき世界は 君の手によって消滅したからって 理由もあるけど・・・」
クロ「正直に言うとね こればっかりは 僕でもよく分かってないんだ」
クロ「ただ 未来で行われた実験でね」
クロ「他の世界からやって来た全ての物質は」
クロ「別の世界線で存在し続けることは 不可能だと証明されているんだ」
クロ「一定時間は大丈夫かもしれないけど 必ず何処かの時点で元の世界に戻されるらしい」
クロ「もしかしたら、その世界ごとに IDみたいな物があるのかもしれないね」
有栖川マナミ「・・・・・・」
有栖川マナミ「じゃあつまりさ・・・」
有栖川マナミ「私はお姉ちゃんもジュンちゃんも存在するこの幸せな世界では生きられないってことだよね?」
クロ「残念だけど・・・」
有栖川マナミ「フフ・・・本当にそう思ってる?」
クロ「あ、ああ! 思ってるよ!」
クロ「僕は君の幸せだけを考えて・・・」
有栖川マナミ「そう言うのもう良いって」
有栖川マナミ「他人の言葉には もう頼らないって決めたの」
有栖川マナミ「私は自分の幸せは 自分で掴みに行く・・・」
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