それでも世界は続いていく…

本間 ミライ

第3話 ステージ??? 一つの悲劇 数多の事件(脚本)

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〇クリスマスツリーのある広場
  クリスマスイブの夜
  本当の世界での出来事

〇ショッピングモールの一階
  2019年12月24日 17時44分
  都内、
  大型ショッピングモールにて爆発事件発生
  建物は半壊
  クリスマスと言うこともあり
  多くの死傷者が出た
  防犯カメラに写っていた
  主犯の男と思われる
  大峰誠、26歳も
  その爆発に巻き込まれ死亡──
  彼の所属していた宗教団体
  “ひらこの会”は事件との関連を否定
  証拠も不十分のため、
  団体は不起訴となった
  人々はこれを
  「悲劇のクリスマス」と呼んだ

〇インターネットカフェ
有栖川マナミ「その悲劇のクリスマスに巻き込まれて お姉ちゃんは死んだ・・・」
有栖川マナミ「ジュンちゃんも居なくなった・・・」
有栖川マナミ「でもこの世界じゃ・・・」
クロ「未遂で終わってるね」
  恐怖のカルト集団の実態に迫る!
  都内大型ショッピングモール爆破“未遂”事件
  事件前日
  モールに複数の爆弾が仕掛けられていると
  匿名の通報を受け、警察は警備を強化した
  通報の通り
  複数の爆弾を発見し、解体に成功する
  もし、この爆弾が爆発していたら
  多くの死傷者が出たことと予想される
  事件の主犯として大峰誠(26)を逮捕。
  宗教団体”ひらこの会“との関連も明らかとなった
  これを受け、
  警察は組織の大々的な捜査を開始した
  現在では幹部達は逮捕され、
  組織も解体の方向へと進んでいる──
有栖川マナミ「やっぱりあの事件は 単独犯じゃなかったんだ」
クロ「ここを見て!」
クロ「この1ヶ月、ひらこの会は 幾つもの事件や事故を 起こそうとしているけど──」
クロ「全部未遂で終わってるね」
有栖川マナミ「これは・・・」
クロ「おそらく 植月ジュンの活躍だろうね」
クロ「凄い!多くの人を救ったんだね! ヒーローみたいだ!」
有栖川マナミ「・・・・・・」
クロ「冗談だよ」
クロ「多くの人を救う為とは言え 誰も自分が犠牲にはなりたくないよね」
クロ「それよりもだ!」
クロ「僕たちは少しずつ 過去に遡っていく訳だから──」
クロ「このひらこの会とやらが 起こそうとした事件の数々を 覚えておいた方が良さそうだね!」
クロ「おそらく植月ジュンは この組織と、長いこと戦っているだろうからね」
有栖川マナミ「そうね 分かったわ」
クロ「あ、でも メモとか書いても意味ないかもね」
有栖川マナミ「え、何でよ」
クロ「この世界が消滅したら この世界の物も無くなる──」
クロ「つまり、この世界で手に入れた物は 次の世界には持ち込めないんだ」
クロ「だから記憶力が頼りなんだよね!」
有栖川マナミ「面倒臭い仕様なのね・・・」
クロ「よく記憶し、予想して、対策する──」
クロ「ある意味 タイムリーパーと同じ要領だね!」
有栖川マナミ「ちょっと黙ってて ちゃんと覚えなきゃなんだから」
クロ「ご、ごめん・・・」

〇繁華な通り
澤部啓介「いやー すっかり朝になってしまったな!」
澤部啓介「こりゃ かみさんにどやされるな」
植月ジュン「すみません こんな時間まで付き合ってもらちゃって」
澤部啓介「まあ俺が怒られるより重要なことだ 気にするな!」
澤部啓介「君の話を 参考に探ってみるよ」
植月ジュン「お願いします!」
澤部啓介「君も充分に 気を付けるんだぞ」
植月ジュン「はい 澤部刑事も」
植月ジュン「それでは・・・」
澤部啓介「あ、そうだ 植月君」
植月ジュン「はい?」
澤部啓介「“ヤツ”がな・・・ 妙なことを言っていたんだ」
植月ジュン「妙なこと?」
澤部啓介「ああ」
澤部啓介「「私はただ命令に従ったに過ぎない。運命を選択出来るのは女神だけ」だとな・・・」
植月ジュン「運命・・・?女神・・・?」
澤部啓介「実質、会のトップである ヤツが言った言葉だが 少し気がかりでな」
植月ジュン「さらに上の立場の人間がいるって事ですか?」
澤部啓介「うーん 徹底的に調査してはいるが──」
澤部啓介「そんな人物がいる 証拠は見つかっていない」
澤部啓介「まあ所詮はカルト集団だ 神の声を聞いたとか その手の妄言に過ぎないかもしれないが」
澤部啓介「一応伝えておくぞ」
植月ジュン「はい!覚えておきます!」
植月ジュン(運命を選択出来るのは女神だけ・・・?)
植月ジュン(どう言う意味だ?)

〇二階建てアパート
有栖川マナミ「ジュンちゃんは・・・」
有栖川マナミ「居ないみたいね」
有栖川マナミ「これ不味いんじゃないの? 見つからなかったらアウトよね?」
クロ「そ、そうだね ボク探してくるよ!」
クロ「マナはここで 見張ってて!」
有栖川マナミ「ええ分かったわ」
クロ「あ、そうだ!」
クロ「くれぐれも 干渉しないように気をつけてね」
クロ「君が干渉することによって 未来が・・・」
有栖川マナミ「分かってるわよ! さっさと行きなさい!」
クロ「そ、そうだね!」
有栖川マナミ「・・・・・・」
有栖川マナミ「全く、大丈夫なのかなぁ・・・」
有栖川シホ「あの~ 家に何か用ですか?」
有栖川マナミ「お、おね・・・!」
有栖川シホ「・・・・・・」
有栖川マナミ(や、やば! 逃げなきゃ!)
  その場から逃げようとした時、
  世界一優しい声が私の名前をささやいた
有栖川シホ「マナ?」

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