エピソード8 新たなる関係者(脚本)
〇漫画家の仕事部屋
マウスを操作して、データを見る暁。
八神 暁「・・・えっと、桐ケ谷さんの元夫は・・・」
八神 暁「・・・え?」
安曇 巌「どうした?」
八神 暁「ここ、見てくださいっす。桐ケ谷さん・・・」
八神 暁「結婚してないっす。由衣香さんも、養女になってる・・・」
安曇 巌「今どきだな」
八神 暁「へ?」
安曇 巌「珍しくもねーだろ。内縁の夫というやつじゃねーのか?」
八神 暁「・・・ああ。なるほどっす」
安曇 巌「納得してなさそうだな」
八神 暁「桐ケ谷さん・・・そういうの、キッチリやりそうな人だと思ったんすけどね」
安曇 巌「17年間、旦那に子供を会わせなかった女だぞ。お前は少し、感情を寄せ過ぎだ」
八神 暁「・・・そうっすね」
八神 暁(けど、由衣香さんはパパ活をしていなかった。あの母子はちゃんと真っ当に生きてる気がする・・・)
八神 暁「・・・あっ!」
安曇 巌「どうした?」
八神 暁「完全に捜査が手詰まりっす」
八神 暁「桐ケ谷さんの旦那の情報から何か繋がると思ったんすけど・・・」
安曇 巌「そもそも、そいつは犯人じゃねーだろ」
八神 暁「へ? なんでっすか?」
安曇 巌「娘は殺害されてるんだぞ」
八神 暁「あっ! そっか!」
安曇 巌「殺すつもりなら、わざわざ学校にまで行って、父親だなんて名乗らないはずだ。つまり、元旦那はシロだな」
八神 暁「うう・・・。捜査が振り出しに戻ったっす」
安曇 巌「んなの、いつものことじゃねーか」
八神 暁「まあ、そうっすけど・・・」
安曇 巌「こういうときは、どうするんだった?」
八神 暁「とにかく、聞き込みっす」
安曇 巌「じゃあ、行って来い」
八神 暁「うっす!」
〇街中の道路
メモを見ながら歩いている暁。
八神 暁「仙田さんが言ってた場所はこの辺だよな・・・」
八神 暁「あっ」
看板を見て、立ち止まる。
八神 暁「クリーン・グリーム。ここっすね」
〇役所のオフィス
柏木 恭平「こっちが聞きたいよ!」
柏木 恭平「桐ケ谷さんが行きそうな場所なんてさ!」
八神 暁「・・・っすよねー」
柏木 恭平「あー、もう! あの新人が辞めたばっかりだってのに、今度は桐ケ谷さんもかよ!」
八神 暁「はは・・・」
柏木 恭平「ったく、2人ともいい年して、責任感がないんだよ!」
八神 暁「・・・いい年?」
柏木 恭平「ん? なんだ? 桐ケ谷さんは若くは見えるけど、いい年だろ」
八神 暁「いや、そっちじゃなくて・・・。辞めたの新人っすよね?」
柏木 恭平「あん? 新人だからって、若いとは限らんだろ。40歳でも、新しく入れば新人だ」
八神 暁「あ、確かにっす」
柏木 恭平「子供がいるんだから、簡単には辞めないと思ったんだけどなー」
八神 暁「簡単に辞めてったんすか?」
柏木 恭平「ああ。2人とも、辞めます、の一言だけ」
柏木 恭平「いきなり電話が掛かってきて、言いたいことだけ言って、切られたよ」
八神 暁「・・・桐ケ谷さんからは何時ごろ、電話があったんっすか?」
柏木 恭平「詳しい時間は覚えてないけど、深夜だったよ。昨日の」
八神 暁(・・・やっぱり、桐ケ谷さんは、ちゃんと辞めるって電話をしている)
八神 暁(それに、キチンと電話してるってことは、自分で命を絶つってことはないか?)
八神 暁(いや、決意したからこそ、立つ鳥跡を濁さずってことも考えられる・・・)
柏木 恭平「もういいかい、刑事さん。こっちは2人も辞めて、忙しいんだ」
八神 暁「ああ、すんませんっす。ありがとうございました」
出口に向かう暁。
八神 暁(なんの収穫もなしか・・・)
八神 暁「あ・・・」
ピタリと足を止める暁。
八神 暁「最後に一つだけ。最近、由衣香さんを見てないっすか?」
柏木 恭平「由衣香?」
八神 暁「桐ケ谷さんの娘さんっす」
柏木 恭平「知らないよ。見たこともないんだから」
八神 暁「ああ、この子っす」
暁が携帯の中に入っている、由衣香の写真を見せる。
柏木 恭平「・・・刑事さん、これ、画像が違うぞ」
八神 暁「へ?」
暁が携帯の画面を見る。しかし、そこに映し出されているのは確かに由衣香の写真。
柏木 恭平「亜里沙ちゃんだろ」
八神 暁「・・・え?」
柏木 恭平「さっき話した新人の娘の、亜里沙ちゃんだ」
八神 暁「え? え? え?」
八神 暁「よく見てくださいっす! この子っすよ」
柏木 恭平「間違いないよ。凄く印象に残ってるからね」
八神 暁「・・・・・・」
柏木 恭平「あの新人、いつも、娘が可愛いって自慢してたわりには写真の一つも見せてくれなかったんだ」
八神 暁「・・・なら、どうして顔を知ってるんすか?」
柏木 恭平「一度だけ会社に来たんだよ」
八神 暁「・・・ここにっすか?」
柏木 恭平「ああ」
柏木 恭平「急な仕事が入ってさ。俺だけじゃ時間的に難しいから、その日、休みだった新人に来てもらったんだよ」
柏木 恭平「意外と時間かかって、会社に戻ったら、入り口に、その亜里沙ちゃんが立ってたってわけ」
八神 暁「・・・・・・」
柏木 恭平「そしたら父親の方・・・ああ、新人の方ね。が、妙に慌ててね」
柏木 恭平「来るなって言っただろって怒ってたんだ。亜里沙ちゃんは、待ち合わせに来ないから心配したって言ってさ」
柏木 恭平「いやー、可愛いよな。俺もあんな娘が欲しいくらいだ」
八神 暁(まさか・・・)
柏木 恭平「けど、あの後、後片付けもしないでさっさと帰っちまったのはどうかと思うね!」
八神 暁「名前は!?」
柏木 恭平「え?」
八神 暁「その、新人の名前っす!」
柏木 恭平「あ、ああ。霧山だよ。霧山修二」
八神 暁「霧山・・・?」
八神 暁「何か、顔がわかるようなもの、ないっすか?」
柏木 恭平「・・・ちょ、ちょっと待ってな」
柏木 恭平「ほら、これ。履歴書」
八神 暁「失礼するっす!」
暁がひったくるように、履歴書を手に取り、見る。
履歴書に貼ってある、顔を見る暁の目が大きく、見開く。
八神 暁「あっ・・・」
〇新橋駅前
???「亜里沙」
桐ケ谷 由衣香「あれ? どうしたの? こんなところで。今日、会う予定じゃなかったよね?」
霧山 修二「ごめん。どうしても、今日、会いたくて」
〇役所のオフィス
八神 暁(思い出した・・・。あのとき、あそこにいたの・・・由衣香さんと・・・霧山だったんだ)
〇個別オフィス
その頃・・・
柊 隆司「・・・いらっしゃいませ。ヒイラギ探偵事務所にようこそ」
桐ケ谷 沙都希「・・・・・・」
柊 隆司「今日はどんなご用件で?」
桐ケ谷 沙都希「この写真に写っている人のことを調べてほしいんです」
沙都希が探偵に写真を渡す。
柊 隆司「失礼します。・・・どれどれ」
探偵が写真を受け取って、見る。
〇病室
そこには若い女性が写っていた。
終わり。



今回もまた、明らかになる事実と同量の謎を提示されていて、まだ見ぬ真相への興味関心がそそられますね!沙都希さんは無事、しかし彼女の目的とは?