いじめられっこ、魔王軍に転生する

坂井とーが

22話 予選の結果(脚本)

いじめられっこ、魔王軍に転生する

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〇宇宙空間

〇雪山
  急に天候が崩れた・・・?
  これじゃ、余計に魔獣の姿が見えなく──
  あれ? 速度が落ちてる。
宿利ユウ「当たった!」
  そうか。
  降ってるのは、雪じゃなくてあられ。
  この中では猛スピードを出すことができないんだ。
瞬速の魔獣「・・・」
  怯んでる。
  悪天候の中では分が悪いと気づいたのか。
宿利ユウ「逃がさない!」
  ここで取り逃がせば、あいつはまた多くの人を傷つける。
宿利ユウ「そんなこと、させない!」
宿利ユウ「ここには、あの優しい人たちの生活があるんだ!」
  捕まえた!

〇宇宙空間
宿利ユウ「離さない! 絶対に離すもんか!」

〇宇宙空間
  落ちる──

〇雪洞
雪男「あれは・・・!」

〇霧の中

〇雪洞
  『レベルが上がりました。レベルが上がりました。レベルが上がりました。レベルが上がりました』
  今、何が・・・?
雪男「ご無事でしたか、ユウさん」
宿利ユウ「長老こそ、傷は!?」
雪男「ほっほっほ。毛皮が厚くて助かりました」
宿利ユウ「よかった・・・ あなたたちが受け止めてくれたんですね」
雪男「ええ。魔獣と一緒に落ちてこられたときは驚きましたが」
雪男「俺たちのスキルじゃ、雪を降らせることくらいしかできないんだ」
雪男「助けに入れなくてごめんな」
宿利ユウ「いえ。とても──」
宿利ユウ「とても、助かりました!」

〇雪洞
トゥルカナ「ユウ、生きてる?」
宿利ユウ「うん、何とか・・・」
トゥルカナ「わぁ。雪山が赤く染まってる。 大変だったんだね」
宿利ユウ「笑いながら言うなよ・・・」
二宮叶恵「宿利くん、怪我してるの!? 今、『回復』を・・・」
宿利ユウ「僕は平気。 それより、あの人たちを助けてあげて」
二宮叶恵「まかせて!」
宿利ユウ「すごい! 傷が一瞬で治っていく!」
二宮叶恵「えへへ。スキルレベル上げ、すごくがんばったんだよ!」
雪男「おお! もう痛くないぞ!」
雪男「希少な治療スキルとは、さすが魔王軍の方ですね!」
  みんな、笑ってる。
  誰も死ななかったんだ。
宿利ユウ「よかった・・・」
トゥルカナ「何を泣いてるんだよ、もう・・・」
トゥルカナ「それで、ユウ。魔石は回収できたの?」
宿利ユウ「あ、そうだった!」
宿利ユウ「これかな?」
トゥルカナ「うん、合格! 約束通り、魔石はもらうよ」
二宮叶恵「宿利くん、予選突破おめでとう!」
宿利ユウ「ありがとう」
宿利ユウ「そっか。やったんだ・・・!」
雪男「なんだかわからんが、めでたいぞ!」
雪男「よくわかりませんが、さすがユウさんです!」
トゥルカナ「一晩で仲良くなっちゃってさ」
トゥルカナ「ユウって、元の世界にいたときからあんな感じだったの?」
二宮叶恵「・・・!」
二宮叶恵「いいえ。あの頃より──」
二宮叶恵「100倍カッコよくなりました!」

〇闇の闘技場
トゥルカナ「ただいまー。ユウの予選突破が決まったよ」
トゥルカナ「・・・って、あれ?」
  何の騒ぎだろう?
竜人族・紅「治癒師は戻ったか!? すぐに来てくれ!」
二宮叶恵「はいっ!」
竜人族・蒼「ヒュー・・・ヒュー・・・」
竜人族・紅「死ぬな、兄者!」
二宮叶恵「すぐに『回復』を!」
竜人族・蒼「痛みが、消えた・・・」
二宮叶恵「もう大丈夫ですよ」
竜人族・紅「ああ、助かったんだな!」

〇壁

〇闇の闘技場
竜人族・蒼「ガ──」
竜人族・紅「兄者!?」
二宮叶恵「そんな、どうして・・・」
  このスキルは、まさか白崎の・・・?
  時間差で発動したのか!?
魔族「・・・こいつのところに、勇者が出たんだとさ」
魔族「無念だろうな。 力のある奴だったのに・・・」
  やっぱり・・・
  魔石狩りで鉢合わせしたのか。
二宮叶恵「お願い、治って・・・!」
  出発前にぶつかったときは、嫌な奴だと思った。
  それでも、彼が死んだのは──
宿利ユウ「僕のせいだ」
宿利ユウ「僕が、四天王を作ろうなんて言い出したから・・・」
トゥルカナ「いやいや、予選で魔石狩りをやろうって言ったのは、ボクだからね」
アマデウス「ユウ、戻っていたか」
宿利ユウ「アマデウスさん!」
宿利ユウ「四天王を作るために、こんな形で死者がでるなんて・・・」
アマデウス「奴は戦って死んだ。 お前が気に病むことはない」
宿利ユウ「でも・・・」
アマデウス「武器を持って自ら戦いにおもむく者なら、その覚悟はしていたはずだ」
トゥルカナ「そうだよ。死ぬ覚悟もなしに誰かを殺そうとする奴なんかいないって」
宿利ユウ「・・・」
アマデウス「残った魔石は、ヴィオが急いで回収に向かっている」
アマデウス「俺たちが今やるべきことは、戦力の増強だ」
アマデウス「トゥルカナ、お前も魔石回収に出てくれないか?」
トゥルカナ「うん。さすがに見物してる場合じゃないよね」
竜人族・紅「兄者。志半ばで命を落とすとは・・・」
竜人族・紅「その思いは、俺が必ず受け継いでやる」
宿利ユウ「うっ──」
宿利ユウ「兄弟を、食べてる!?」
アマデウス「これが、食葬(しょくそう)か。竜人族は死んだ身内を食うことで弔うと聞く」
宿利ユウ「あれが弔いですか!?」
アマデウス「死者の肉体と共にあろうとするのも、ひとつの考え方だ」
アマデウス「これでおそらく、あいつはもっと強くなる──」

〇闇の闘技場
アマデウス「明日、四天王決定戦の決勝を行う! 勝ち上がったのはこの5人だ!」
宿利ユウ「あれ? リーナは・・・?」
  会場のどこにもいない。
  まさか、そんなことって──
宿利ユウ「ヴィオ、リーナが!」
ヴィオ「・・・」
ヴィオ「・・・勇者が現れたであろう場所に、これが残されていた」
宿利ユウ「これは、リーナの──」
ヴィオ「・・・死体はなかった。 今言えることは、それだけだ」
宿利ユウ「だったら、探しに行く!」
ヴィオ「空も飛べぬ貴様に何ができる?」
宿利ユウ「それでも──」
ヴィオ「捜索は飛べる者で隊を組む。 貴様は明日の戦いに備えて休め」
  ・・・ヴィオの言う通りだ。
  僕のMPでは、転移魔法を一度使うのがやっと。
  速度も遅いから、捜索の役には立てない。
  それよりは──

〇闇の闘技場
リーナ「たとえユウが負けても、私は四天王になる。 手加減はなしよ」
宿利ユウ「僕も全力を尽くすよ。 たとえリーナが相手でも」
  ・・・リーナ。
  きっと、無事だよな?

〇闇の闘技場
  負けられない。
  この戦い、必ず勝って四天王になるんだ!

〇朝日
リーナ「お願い、ひとりで行かないで」
  君もだよ、リーナ・・・

〇西洋の城

〇地下室
リーナ「う・・・」
リーナ「ハッ」
リーナ「ここは・・・?」
リーナ(縛られてる!?)
白崎蓮「ようやく目が覚めたようだな」
リーナ「勇者・・・」

次のエピソード:23話 場外乱闘

コメント

  • ユウの主人公ムーブがアツい!!
    序盤は弱気で陰気な発言が多かった気がするユウも成長しましたね…😭
    そして、リーナの運命はいかに!?

  • 二宮さんの出番が増えてきたと思ったらリーナが敵の手に落ちてそれ以上のヒロインムーブを…エッチな目には合わないにせよ、あとがきの念押しも含めて嫌な予感しかしませんね…☺
    次回も楽しみです!

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