ストーキングシナスタジア

せんぶり

鬼ごっこ(脚本)

ストーキングシナスタジア

せんぶり

今すぐ読む

ストーキングシナスタジア
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇黒

〇大学の広場

〇大教室
「ストーカー行為を処罰する等、ストーカー行為について必要な規制を行うと共に──」
「その相手方に対する援助の措置等を定める事により──」
「個人の身体、自由及び名誉に対する危害の発生を防止し──」
「併せて国民の生活の安全と平穏に資する事を目的とする──」
黒井マコト(・・・・・・)

〇学校の廊下
黒井マコト「お前・・・・・・」
江波チヒロ「あら、どうも」
黒井マコト「どうも、じゃねぇよ・・・・・・何しに来た?」
江波チヒロ「話し合いに来たのよ」
江波チヒロ「マコトさんを返してもらおうと思って」
黒井マコト(またその話かよ・・・・・・)
黒井マコト「悪いけど、この後も講義なんだ 帰ってく──」
江波チヒロ「次の講義は四時限目でしょ?」
黒井マコト「なっ!?」
江波チヒロ「15時15分までは自由時間♪」
黒井マコト(コイツ、どこまで調べてんだよ・・・・・・ ”ストーカー規制法”も真っ青だぜ)
江波チヒロ「というわけで・・・・・・」
江波チヒロ「ランチにしましょ」

〇学食
江波チヒロ「今日はラーメンじゃないんだ?」
黒井マコト「あぁ、猫舌だからね」
江波チヒロ「取り繕ったって無駄よ」
江波チヒロ「赤い糸が見えない・・・・・・」
江波チヒロ「つまりアンタはマコトさんのニセモノ!」
黒井マコト(だからそれ怖いって・・・・・・!)
江波チヒロ「治療が必要なのよ──」
黒井マコト「・・・・・・は?」
江波チヒロ「言っても聞かないみたいだから──」
江波チヒロ「私が治してあげる」
黒井マコト「な、何言ってんだよ・・・・・・?」
江波チヒロ「あ、勝手に動かないで」
江波チヒロ「おとなしく付いて来てくれると助かるんだけど?」
江波チヒロ「こんなもの、使わせないでちょうだい」
黒井マコト(く、くっそ・・・・・・!!)
けんた「おっ、マコトじゃん!」
「あん?」
けんた「いや~、今日も金欠で『サバ味噌定食サバ味噌抜き』だぜ~」
けんた「って、え!?」
けんた「誰、誰、誰!? この子、誰!?」
黒井マコト「あ、あぁ、えっと、その・・・・・・」
黒井マコト「後輩だよ、後輩! 高校の後輩でさ、キャンパスを案内してたんだ」
けんた「へー、そうなんだぁ! なになに、ココ受験するの!?」
江波チヒロ「え、あの、その・・・・・・」
黒井マコト「そのつもりなんだよな? いやぁ、まだまだ案内したい所が沢山あるんだけど、残念ながら、このあと用事があって・・・・・・」
黒井マコト「あっ! けんた、この後ヒマだよな?」
黒井マコト「是非、彼女を案内してやってくれよ!」
江波チヒロ「ちょ、ちょっと何をっ──」
けんた「オッケー、オッケー! 任せなさいっ!!」
黒井マコト「良かったな! じゃ、俺はコレでっ!!」
江波チヒロ「ちょっと待って!」
けんた「大丈夫、大丈夫! 俺に任せなさいっ! バッチリ案内するからさっ!!」
江波チヒロ(くぅ~~~っ・・・・・・)

〇警察署の入口

〇警察署の廊下

〇大会議室
藤田カツミ「三件目の事件・・・・・・ワイドショーでも大きく取り上げられてますね」
冴木ヒロコ「そうね・・・・・・」
藤田カツミ「三年前の事件の再来・・・・・・話題性も十分って事なんでしょうね」
冴木ヒロコ「再来かどうかは分からないわ」
冴木ヒロコ「三年前の事件は、割と場当たり的な犯行だったのよ」
冴木ヒロコ「犯行場所と、死体が遺棄された場所はほとんど一緒」
冴木ヒロコ「ただ今回は、犯行現場と死体遺棄の現場は別・・・・・・」
藤田カツミ「手口が違うから、やっぱり模倣犯?」
冴木ヒロコ「現状、何とも言えない所ね・・・・・・」
藤田カツミ「今回の事件の被害者女性たち、まだ何も共通点が見えないんですよね」
冴木ヒロコ「そこから当たるしかないわね・・・・・・」
  続いてのニュースです
  今、話題のデザイナー、御剣 翔さんが手がける新ブランドの発表会が都内で行われました
  ブランド名は『メビウス』──
藤田カツミ「こ、これって・・・・・・」

〇殺人現場

〇大会議室
冴木ヒロコ「三人目の被害者に残されたマーク・・・・・・」
藤田カツミ「偶然、ですかね・・・・・・」
冴木ヒロコ「・・・・・・」

〇黒
  御剣 翔・・・・・・

〇大学の広場
けんた「さぁ、さぁ! 次はコッチだよー!」
江波チヒロ「いえ、もう結構ですから・・・・・・」
けんた「遠慮しないで!」
江波チヒロ(してねーよ!)
けんた「次は癒しの空間を紹介するぜ!」

〇中庭
けんた「講義をサボって、このベンチでする昼寝が格別なのよ!」
江波チヒロ「・・・・・・はぁ」
けんた「さっ、座って座って!」
けんた「うーん、ただ今日は生憎の空模様・・・・・・ いつもはもっとこうピカッと光が射して、キラキラッと──」
けんた「ホゲェーーーッ!!」
江波チヒロ「どう、ピカッとしてキラキラッとキたでしょ?」
江波チヒロ(とんだ邪魔が入ったわ・・・・・・)

〇学校のトイレ
黒井マコト(・・・・・・ふぅ)
黒井マコト(けんたのおかげで助かった・・・・・・)
黒井マコト(けど、すでに家を知られちまってるし、警察沙汰には出来ない・・・・・・)
黒井マコト(マジで引っ越すしかねぇか・・・・・・)
  やればいいさ
  あの時みたいに

このエピソードを読むには
会員登録/ログインが必要です!
会員登録する(無料)

すでに登録済みの方はログイン

次のエピソード:治療開始

コメント

  • チヒロ、やばすぎる… 関係ない友だちにまでやってしまうなんて。敵に回したくない…というか関わりたくないタイプですね(笑) 

  • 一途なストーカーお嬢様、追われる側にさえ問題無ければ、もしかしてこの子は良いストーカーなのでは…?

  • 怖い怖い!逃げても逃げても先回り!
    やっと家に帰れると思いきや、気になるあのラスト!
    オオッてなりました。
    急な赤い糸の復活も予想を裏切る展開になるのではと、次回も楽しみです。

成分キーワード

ページTOPへ