わがままなユニコーン

YO-SUKE

エピソード7(脚本)

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〇法廷
  有島と聡子が緊張した面持ちで座っている。
  裁判官の号令がかると、法廷の通路から女性が歩いてくる。
有島孝雄「・・・・・・」

〇傍聴席
「・・・・・・」

〇法廷
有島孝雄「それでは、美奈さんに質問をします。 正直に答えてください」
美奈「・・・はい」
有島孝雄「では、あなたの記事に関してお伺いします」
有島孝雄「この記事では、あなたは三月四日午後三時、歌舞伎町のラブホテルに入っていったことがスクープされています」
有島孝雄「この記事の内容は本当ですか?」
美奈「・・・・・・」
  法廷内の一同に緊張が走る。
有島孝雄「美奈さん?」
美奈「・・・その写真は確かに私ですが、ホテルでは何もしていません」
  人々の間にざわめきが生じる。
山木俊介「そ、そんなわけないだろ!」
伊吹香奈「異議あり! 美奈さんが怯えています!」
裁判長「認めます。 山木さんはお静かに」
裁判長「弁護人、続けて」
有島孝雄「当日のことを詳しく教えてもらえませんか?」
美奈「歩いていて、具合が悪くなったんです。 立っていられないくらい」
美奈「貧血です。よくあるんです」
美奈「ですが、その日は特に酷かった。 理由はわかりません」
有島孝雄「その日はいつもと違うものを口にしたりとかは?」
美奈「いえ、でも、確かその日は・・・お昼は久しぶりに、山木が作ってくれました」
美奈「嬉しかったです」
美奈「それで、たまたま通りかかった男性が助けてくれて・・・」
美奈「男性はそのあと、すぐにホテルを出ました」
有島孝雄「それを証明する手立てはありますか?」
美奈「男性の名前は伺っていませんが、ホテルの防犯ビデオや、スタッフなら記憶しているかもしれません」
有島孝雄「なるほど。では質問を変えます」
有島孝雄「あなたが山木さんとの離婚を認めない理由はなんですか」
美奈「・・・っ」
美奈「・・・・・・」
美奈「・・・わかりません」
有島孝雄「わからない?」
美奈「自分でもよくわからないんです」
有島孝雄「山木さんの財産が目当て、ということはないんですか?」

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