エピソード16(脚本)
〇教室
久保田光「あ、あ、あ・・・」
赤地正男「みーつけた」
〇まっすぐの廊下
戸村龍也「はあ、はあ、はあ・・・」
戸村龍也「!」
久保田光「・・・・・・」
戸村龍也「・・・・・・」
赤地正男「血が出てるから、保健室に行くんだよ」
久保田光「とむ——」
戸村龍也「あ、うっす、お疲れっす。 あ、僕も忘れ物を」
龍也が教室の中へ消えていく。
久保田光「まっ──」
〇教室
戸村龍也「・・・はあ、はあ」
戸村龍也「久保ちゃん、それはシャレになんねーって」
〇町の電気屋
〇ダイニング(食事なし)
赤地正男「お父さんもお母さんもいないの?」
久保田光「・・・・・・」
赤地正男「まあ、いいか」
久保田光「・・・・・・」
赤地正男「君だろ」
久保田光「な、何がですか」
赤地正男「頑張ってシラを切るつもりか、かわいいな。 嫌いじゃないよ」
久保田光「本当に、わからないんです。 なんのことか・・・」
ポケットを探る赤地。
久保田光「!」
〇一戸建ての庭先
呆然と立ち尽くす光。
その口元から飴玉がこぼれ落ちる。
〇ダイニング(食事なし)
久保田光「それ・・・」
光に顔を近付ける赤地。
久保田光「・・・っ」
久保田光「!?」
光は慌てて赤地から逃げて、口元をゴシゴシと拭う。
久保田光「何、え、何」
赤地正男「きみの唾液と、この飴についた唾液・・・」
久保田光「・・・・・・」
飴玉を口に入れる赤地。
赤地正男「ほら、同じ味」
久保田光「あ、ああ、ヤ、ヤダ・・・」
久保田光「死にたくない、ヤダ、うう」
赤地正男「自分が死ぬかもしれないという予感があるんだね、感心だよ」
赤地正男「バカは死ぬ直前まで自分が死ぬと分かってないから」
光の頭をポンポンと撫でる赤地。
久保田光「ひっ」
赤地正男「大丈夫、殺さないよ」
赤地正男「君が今まで通り、殺人なんか見なかったみたいに暮らせるなら」
久保田光「それって──」
赤地正男「もし」
久保田光「もし・・・?」
赤地正男「警察に言ったら、全部殺す」
久保田光「・・・・・・」
赤地正男「俺は結構顔が広くてね」
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口移しのシーン急すぎてびっくりしたw
こういうのもこの話の魅力だと思う