花の香る教室

ヤミヲミルメ

花は好きでも教室の机に置かれたくはない(脚本)

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〇田舎の学校
ばかっぽい先生「今日は待ちに待った修学旅行だぞ! 全員、そろっているな?」
いじわるそうな生徒「一組、全員います!」
ずるそうな生徒「二組、そろってます!」
ばかっぽい先生「ではバスに乗り込め! 出発だ!」

〇個室のトイレ
メグミ「待って! トイレから出られない! 誰! ドアをふさいでるのは!?」
少女の声「・・・ごめんなさい・・・」
メグミ「誰!? うちのクラスの人!?」
少女の声「違う・・・あの・・・あたし・・・」

〇黒
  三日後

〇学校の下駄箱
たぶん後輩「今日だよね・・・先輩たちの・・・」
後輩のはず「うん・・・修学旅行から 帰ってくる予定の日だよね・・・」
メグミ(やれやれ)
ミドリ「あ・・・あのっ・・・」
ミドリ「あのっ、あたしっ・・・」
メグミ「あー 二組の子で修学旅行に行かずに」
メグミ「教室で自習してたのって アンタだけだよね?」
メグミ「アタシをトイレに 閉じ込めたの、アンタ?」
ミドリ「ごめん・・・なさい・・・ あたし・・・その・・・」
ミドリ「あたしもいじめられてて・・・ そのっ・・・」
ミドリ「い、一組の人と部活が一緒でっ・・・」
ミドリ「言うこと聞いたらもう いじめないって言われて・・・」
ミドリ「でも、まさか こんなことになるなんて・・・」
メグミ「いいよ あんなやつらと旅行に行くより」
メグミ「誰もいない教室で自習してるほうが よっぽどためになったよ」
メグミ「ありがとうね」
ミドリ「え? あ、あのぉ・・・」

〇学校の廊下
上級生「ねえ、あの子・・・」
上級生「かわいそうに・・・ やっぱり寂しいよね・・・」
メグミ「修学旅行に行けなかったのが 寂しいって? うわぁ」
メグミ「事情を知らないと そういう解釈になっちゃうかー」
メグミ「アハハハハー」

〇教室
メグミ「うっ!」

〇花模様2

〇教室
メグミ「嫌なニオイ・・・ 吐きそう・・・」
メグミ「くだらない お葬式ごっこ・・・」
  アタシの机の上には何もない
  今日の花は
  アタシの机に置かれてるわけじゃない
  じゃあこのニオイはどこから?
メグミ「花なんてどこにも見当たらない」
メグミ「アタシに関係しないんなら どうでもいいか」
  関係ない
  このときからこのクラスは
  アタシに関係なくなった
クラスメイト「ガヤガヤ」

〇教室
クラスメイト「きゃっきゃっ」

〇学校の廊下
ミドリ「あ、あのっ・・・ 大丈夫・・・です・・・か・・・?」
メグミ「ん? 何? 別に問題ないよ」
メグミ「クラスのやつら 修学旅行の出発の朝までは」
メグミ「アタシにくだらない ちょっかいをかけては」
メグミ「バカ丸出しで ヘラヘラ笑ってたくせに」
メグミ「帰ってきたら アタシをいない扱いにしてるよ」
メグミ「全員見事に息ぴったりに 鮮やかにアタシを無視してくれてんの」
メグミ「まるで本当に アタシが見えていないみたいでさ」
メグミ「ウケるー! あいつら折角の修学旅行で」
メグミ「こんなくだらない打ち合わせを していたなんてね!」
メグミ「しかもなんと先生までだよ?」
メグミ「先生まで、アタシが手を上げてんのに 無視してんの!」
メグミ「アタシ、勉強はよくできるから」
メグミ「先生にだけは 気に入られてたはずだったんだけどな」
メグミ「アハハ! アハハハハ!」

〇黒

〇学校の校舎
メグミ「アンタも家、こっちなんだ」

〇駅のホーム
メグミ「なんか今日、やけに人が少ないね」
ミドリ「・・・」
メグミ「天罰かなァ」
メグミ「結局は何にも起きなかったから 言っちゃうけどね」
メグミ「アタシ、二年一組が乗る 修学旅行のバスに細工してたんだよね」
メグミ「事故るようにね」
メグミ「アタシもちゃんと そのバスに乗るつもりだったんだー」
メグミ「みんな道連れにして死んでやるーって」
メグミ「でもアンタのおかげで バスに乗れなくって、このザマだよ」
メグミ「いいのいいの。恨んでないよ」
メグミ「なんつーか人生で初めて “自業自得”って思えたわ」
メグミ「今までのは いわれのないイジメだったけど」
メグミ「今は確かにアタシが悪いわ」
メグミ「アハハハハハハハハ!」
ミドリ「あなたには・・・」
ミドリ「見えてない、というか・・・ 見えてる、んですね・・・?」
ミドリ「バスの事故で死んじゃった クラスのみんなが・・・」
アナウンス「黄色い線までお下がりください」
ミドリ「これ・・・ ニュースサイト・・・」
  一組のバスが走行中にいきなり横転
  二組のバスが追突
  二台とも爆発炎上
メグミ「待ってよ・・・ それじゃあ・・・」
メグミ「アタシが、実際に殺してるっての!?」
メグミ「ふたクラス分の人間を・・・?」
ミドリ「警察の人、生き残ったあたしたちを 疑ってて・・・」
ミドリ「あたし・・・疑われて・・・」
ミドリ「今の話・・・警察で、 して、ください・・・」
メグミ「イヤだ」
ミドリ「だったら・・・ あたしから話します・・・」
メグミ「ダメだ」

〇黒
  それからアタシは
  しばらく学校を休んだ

〇学校の校舎

〇教室
いじわるそうな生徒「ヨウ」
ずるそうな生徒「オハヨー」
メグミ「みんながアタシを見て・・・ アタシの存在を認識してる!?」

〇花模様2
  アタシ以外の全員の机に
  花が供えられている

〇教室
ミドリ「みんなに事情を説明したの」
ミドリ「あたしが生きている間は みんなにはあたしの声は聞こえなかった」
ミドリ「あなたがあたしを殺したから こうなったんだよ」
ミドリ「みんなで話し合ったの」
ミドリ「いじめはやめよう」
ミドリ「具体的には 仲間はずれや無視はやめよう」
ミドリ「みんなはもう あなたのことを無視しない」
ミドリ「あなたを仲間はずれにはしないよ」
ミドリ「ほら、受け取って」
  クラスの全員が
  それぞれの机の花の束から
  一輪ずつ花を抜き取り
  アタシに差し出してきた

〇花模様2

コメント

  • 凄い作品ですね!!読んでいてゾワゾワしました!
    読み手側の想像の、上のまた上をいくようなストーリーになっており、とても読み応えがありました!
    特にホラー演出が恐ろしくて好きでした。創意工夫でこんなにゾワゾワする演出に出来るのだと思い、とても勉強になりました!

  • いやー面白い!😆花の香りが凄いけど自分の机には無い…辺りからもしかしてクラスの皆は…と思ったけど、そこからさらに二ひねりくらいあるのが凄い👍
    演出もお見事で、電車の効果音やミドリちゃんをアレした衝撃のスチル、最後の花のエフェクトなど凄く効果的でした
    メグミとミドリちゃんもめっちゃハマリ役でしたね✨
    自分以外全員の机に花が置かれた教室でたった一人座っている所を思い浮かべてゾッとしました…😱 笑

  • 50人目踏みました🙌面白かったです!
    クラスの皆に認識され『仲良く』なったけれど、望んでない結末。彼女は2クラス分の皆に憑かれちゃいますね、一生こうやって生きるのかな……怖っ。恐ろしいオチに胸がゾワゾワしてます……😱

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