こんな時に思い出す!? 冗談でしょ?(脚本)
〇大広間
クリストファー「イシュタリア・ブロムハート!!」
クリストファー「貴様との婚約は破棄させて貰う!!」
クリストファー「これまでの悪逆非道!! 私が知らないとでも思っているのか?」
アンネローゼ「お姉さま・・・・・・ 黙っていては碌な事になりませんわ」
クリストファー「そうだぞ、貴様が行ったアンネへの嫌がらせの数々・・・・・・それに危害まで加えようとしたこと、分かっているのだからな!!」
クリストファー「何とか言ってみろ!!」
さて──
この人達は一体、何を言っているのだろう?
イシュタリア──
イシュタリア!?
イシュタリアって、イシュタリア・ブロムハート侯爵令嬢???
ちょっと、たんま!
落ち着いて私、イシュタリア・ブロムハートって、悪役令嬢のイシュタリア!?
私が!?
イシュタリア──
〇大きい交差点
そうだ、あの日──
真利亜「はぁ~~~~」
真利亜「ウチの会社って、なんで超絶ブラックなんだろ・・・・・・」
真利亜「色々とつら──」
真利亜「え?」
〇大広間
そうだわ──
トラックに轢かれて、生まれ変わったんだわ。所謂、異世界転生ってヤツ。
それも前世でプレイした乙女ゲーム
『虹の煌めきは乙女と共に』
の世界って──
ホントッ、勘弁して頂きたい!!
特に悪役令嬢イシュタリアは断罪されたら確実に死んじゃうキャラなのよ!!
にしても──
今頃、思い出さなくてもいいんじゃない?
これって、魔法学園の卒業式での断罪シーンよね。
って、ゲーム終盤のイベントじゃんか!!
あー、マジ勘弁だわ。
全力で拒否したい!!
とにかく、ゲームでの行動とは違うことをしないとヤバそう──
クリストファー「イシュタリア!! いい加減に黙ってないで何か言ってみろ!」
イシュタリア「そ、そうですね──」
イシュタリア「とりあえず、婚約破棄は分かりました」
クリストファー「は? 何を言っている?」
イシュタリア「ですから、婚約破棄は分かりました。 ですが、私は何もしていないですし、記憶に御座いません」
クリストファー「い、いや・・・・・・そんなわけは・・・・・・」
イシュタリア「それに王家との婚約ですので、簡単に破棄出来るか私には少しわかりかねますので、一旦、持ち帰らせて父と相談させて頂きますね」
イシュタリア「それでは──」
クリストファー「え? ちょっと・・・・・・」
〇要塞の廊下
イシュタリア「ふぅー、なんとか撒いた」
ともかく──
あの場から強引に逃げれただけでもOKかな
イシュタリア「とりあえず、急いで帰ってお父様と話をしよう」
イシュタリア「ここで捕まるわけには行かないし──」
イシュタリア「面倒だから、転移の魔法で!」
〇屋敷の書斎
トライバル「で、まんまと逃げてきた――と?」
イシュタリア「申し訳ありません」
トライバル「で、イシュタリアはどうしたいのかね?」
イシュタリア「王家との婚約は我がブロムハート侯爵家とのモノです」
イシュタリア「なので、婚約破棄という形では無く、アンネローゼとの婚約という形に変える事は可能だと思うのです」
トライバル「出来なくは無いだろう。 よく分からん罪状を色々と並べてる件についてはどうするのだ?」
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