実力派アイドルポリコレで優勝

ヒナタクチ

本編(脚本)

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ヒナタクチ

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〇クリスマスツリーのある広場
  時はクリスマス

〇トラックのシート
ダディ「イザベラ、優勝おめでとう!!」
イザベラ「...」
ダディ「どうした? 嬉しそうじゃないな」
イザベラ「嬉しくないわよ!! あんなゴミ審査!!!!!!!!」
ダディ「ビックリした... あんな大声出さないでくれよ」
イザベラ「Sorry...」
ダディ「何があったか話せるか?」
イザベラ「...実はね」

〇コンサート会場
  エントリーNO.7、SNSで10万フォロワー越え!期待の新人!イザベラ!!
イザベラ「♪〜」
「イザベラ!やっぱりすごい歌声!!」
「深みのある声がいいよね〜」
イザベラ(...アレ?)

〇黒背景
イザベラ(サビで思った通りに声が出せない.. どうしよう)

〇コンサート会場
イザベラ(ダメだ...アタシ、歌いきれなかった)
  -コンテストの結果発表-
  ビューティガールズコンテスト、歌唱力部門優勝は...
  イザベラさんです!!
  おめでとうございます!!!
イザベラ(ハ?)
アイリス「さっすがの実力者のイザベラじゃん!!」
イザベラ(嘘だ)
バーミリオン「次は絶対負けないからな!!」
イザベラ(納得できない)
  優勝者にトロフィーを差し上げます!!
イザベラ(...どうしても納得できない)

〇オフィスの廊下
  どうしても納得できなかったアタシはコンテストの後、審査員の楽屋に突撃する事にした。
「あのさ、イザベラの事だけど...」
イザベラ(ちょうどアタシの事話してるの?)

〇豪華なリビングダイニング
審査員B「妥当よね、あの歌唱力、あの容姿トップクラスだわ」
審査員A「嗚呼、それになんといっても人気があるからな」

〇オフィスの廊下
イザベラ(アレ?意外と評価はされてる?)
「あと...やっぱり『ポリコレ』があるからね。『有色人種が受賞者に1人』いなきゃ今の時代クレームが来るからねぇ」
イザベラ(...)
イザベラ「ハァ!?︎」

〇豪華なリビングダイニング
イザベラ「ふざけんじゃないわよ!!」
審査員A「What’s!?」
審査員B「こっこれはその...」
イザベラ「ポリコレ補正で優勝だなんて信じらんない!!」
イザベラ「こんなトロフィーいらないわ!!」
審査員A「STOP! 100万ドルのトロフィーを投げるな!!」
審査員B「なんてことを!!」
「キャッチしたわよ!!!」
「よくやった!!」
イザベラ「フンッ」

〇トラックのシート
イザベラ「本当に失礼しちゃうわ」
ダディ「...それは災難だ」
イザベラ「...ごめんね、休日にこんな悲しい話をして」
ダディ「いや、いいんだよ」
ダディ「でも今日は久しぶりの休みだ! イザベラ、どこに行きたい?」
イザベラ「エリザベス病院」
ダディ「病院!?」
イザベラ「具合が悪いんじゃなくてそこでアイドルの先輩の合唱コンサートがあるの」
イザベラ「行ってもいいかな?」
ダディ「あぁ、一緒に行こう!!」

〇総合病院
  -エリザベス病院-

〇教会の中
ダディ「凄く豪華な病院だな...中に礼拝堂まで」
イザベラ「ここでいつもコンサートを開いているのよ」
イザベラ「あっ」
マジョリカ「緊張しちゃうわ」
ジェリー「いつも通り自信持っていれば大丈夫ですよ マジョリカさん」
ダディ「イザベラ、あの青い車椅子に乗っているあの子どっかでみた事あるような...」
イザベラ「あの人はミシェル先輩、私がデビューしてからお世話になった人なんだ」
ダディ「そうだったのか」
イザベラ「先輩が病気になる数年前はテレビや雑誌でよく仕事していたからダディは見覚えあったのかも」
イザベラ「あっ始まるわ」

〇教会の中
  合唱はとても素晴らしかった
イザベラ「凄い...アマチュアの集まりとは思えない、一体感のある澄んだ声」
ダディ「この歌声は心地がいいなぁ〜」

〇総合病院
イザベラ「来て良かった!!」
ダディ「俺も同じだよ」
「待って!」
ミシェル「先輩にあいさつも無しなんて、偉くなったものね...」
イザベラ「ミッミシェル先輩!? ご、ごめんなさい!!」
ミシェル「なんて冗談よ。 仕事で忙しい中きてくれてありがとうね」
ミシェル「ところでそちらの方は?」
ダディ「イザベラの父です。 娘がお世話になっております」
ミシェル「イザベラのお父様だったのね。 申し遅れましたが私はミシェル、よろしくお願いします」
ミシェル「イザベラ、15分だけ2人でお話しできる?」
イザベラ「え?」

〇教会の中
イザベラ「話ってなんですか?」
ミシェル「あなたのマネージャーから仕事すっぽかしたって行方不明になったって言われたんだけど!!」
イザベラ「ご、誤解ですっ!!実は!!!」
  イザベラはミシェルにコンテストの理不尽な審査の事を話した。
ミシェル「なるほどね... こういう話は芸能界では嫌なほど聞くわね」
イザベラ「嫌なほど...とは?」
ミシェル「私は子役もやっていたからよくわかるんだけど昔っからコネとか利権とか絡んでるヤラセのコンテストがあった訳...」
イザベラ「それなら...」
ミシェル「でもあなたは大きなミスを2つしている」
イザベラ「へっ?」
ミシェル「1つ、ファンの事をちゃんと考えた?」
イザベラ「ファンの事ならちゃんと考えて...」
イザベラ「あっ...」

〇コンサート会場
イザベラ「コンテストの優勝者はクリスマスライブが行われるのに...怒りに任せて放棄してました」
ミシェル「確かにあなたの立場は同情する。 でもアイドルの仕事は 『ファンを楽しませる事』よ」
ミシェル「勝手に説明も無しに仕事しないのはダメ」
ミシェル「次に2つ目、あなたは自分の実力を見くびってる」
イザベラ「アッアタシはあの時サビをミスして...!」
ミシェル「あなたのコンテストで歌った時の SNSの反応だけど...」

〇SNSの画面
ミシェル「『イザベラの歌大好き!』」
ミシェル「『イザベラしか勝たん』」
ミシェル「『イザベラがいるステージが見れて最高』」
ミシェル「賞賛8割、批判2割ってところよ。 サビをミスしたっていってもファンは不満どころか大満足」
ミシェル「イザベラ、あなた。ファンから愛されてるんだから自信持ちなさいよ」
イザベラ「...」
イザベラ「ミシェル先輩。ありがとうございます。 アタシ、事務所に帰ってファンに謝ってきます」
ミシェル「それでこそよ! 早くいってらっしゃい!!」

〇総合病院
イザベラ「ただいま!!」
ダディ「お帰り、先輩との会話楽しかったのかい?」
イザベラ「うん、あとそれと事務所に向かって欲しいの!!」
ダディ「OK!すぐに向かうよ!」

〇コンサート会場
  その後、アタシはビューティガールズコンテストのコンサートには参加しなかった。
  でもその代わりのファン感謝祭ライブを開いた!応援してくれたみんなの為にね
  -終わり-

コメント

  • ポリコレを取り上げた作品はTapnovelでは初めて読んだので、興味深く拝読しました。自分の真の実力を評価してくれるのが誰なのか最後にはイザベラも分かったみたいでよかった。才能に恵まれているだけでなく先輩やダディのような人格者にも支えられて彼女はラッキーですね。

  • 最近のポリコレはやり過ぎ感がえげつないですからね…
    好きなゲームのリメイクでは本当にがっかりさせられました。

    スーパー○ンの息子の話とかも…単純に面白いだけで評価して貰える世の中になると良いですね。

  • けっこう難しいテーマも含んでいる作品ですが、前向きな終わり方だからそう感じるのかテンポよく楽しく読むことができました。自分でイラスト書けるなんてすごいです。

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