サンビタリア症候群

香久乃このみ

第十二話 因果(脚本)

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〇ビジネス街
  ──あらすじ──
  追い詰められた大和は
  陽花をストーカーだと主張し
  会社に対し訴訟を起こすと言い出した

〇小さい会議室
楠原陽花(はるか)「私があなたのストーカー!?」
楠原陽花(はるか)「いいかげんにして! あなたはどこまで・・・」
桜川大和(やまと)「あぁあ、あぁああ・・・っ!」
楠原陽花(はるか)「!?」
桜川大和(やまと)「勘弁してください。あぁああ」
桜川大和(やまと)「彼女の大声を聞くと、 これまでのトラウマがよみがえって、 呼吸が、手足が・・・!」
桜川大和(やまと)「もう嫌だ、誰か助けて・・・!」
楠原陽花(はるか)(な・・・)
木田部長「楠原君・・・」
楠原陽花(はるか)「彼は嘘を言っています」
楠原陽花(はるか)「私が桜川君をストーカー?」
楠原陽花(はるか)「裏切っておきながら、よりを戻せと 襲い掛かってきたのは桜川君の方です」
桜川大和(やまと)「俺が楠原さんを襲った?」
桜川大和(やまと)「そんなことするわけがない。 何を証拠に!」
楠原陽花(はるか)「部長!」
木田部長「なんだね、これは」
楠原陽花(はるか)「今、桜川君が嘘をついている証拠を 見せます」
  『抵抗やめろよ。服、裂けたら嫌だろ?』
木田部長「これは・・・」
桜川大和(やまと)「っ!?」
  『いい加減、その不愉快なもの
   擦りつけるのやめて!』
桜川大和(やまと)「わ・・・わあぁあああ!!」
桜川大和(やまと)「なんで!? なんでその動画・・・!」
楠原陽花(はるか)「・・・!」
桜川大和(やまと)「ち、違うんです!」
桜川大和(やまと)「これはあまりにも しつこく付き纏ってくるから、 脅して遠ざけようと!」
木田部長「・・・・・・」
桜川大和(やまと)「くそっ! 陽花てめぇ、ふざけんな!!」
木田部長「桜川っ!!」
木田部長「この動画から見えるのは、 君が楠原君を襲ったという事実だけだ」
木田部長「だが、君が平気で嘘をつく人間だと いうことはよく分かったよ」
木田部長「女子社員に卑劣な真似をする人間 だということも」
桜川大和(やまと)「・・・・・・」
木田部長「桜川君、ここへ残りたまえ」
木田部長「楠原君、悪かったね。 業務に戻っていいよ」
楠原陽花(はるか)「はい」

〇オフィスの廊下
楠原陽花(はるか)「・・・・・・」
楠原陽花(はるか)「はー・・・」
楠原陽花(はるか)(紅林君が撮ってくれてた動画に 助けられた・・・)
楠原陽花(はるか)(ありがとう、シンちゃん・・・)

〇ビジネス街

〇空

〇ビジネス街

〇オフィスのフロア
社員「桜川、懲戒解雇だってよ」
社員「マジかよ、なにやったんだ」
社員「さぁ、でも、なんか 訴えられる前に消えてくれて助かったぜ」
田所胡蝶(こちょう)「・・・・・・」
社員「胡蝶、大丈夫?」
社員「あんた桜川君と仲良かったから ショックなんじゃない?」
田所胡蝶(こちょう)「ふぇえ、仲良くなんかないよ」
田所胡蝶(こちょう)「無理やり部屋に引きずり込まれたことは あったけどぉ」
社員「えぇ、アレそうだったの?」
田所胡蝶(こちょう)「だから、いなくなってくれて ほっとしたかもぉ」
楠原陽花(はるか)「・・・・・・」
楠原陽花(はるか)(おい・・・)

〇オフィスビル前の道

〇雑誌編集部
小田真希也(まきや)「チーフ。 リテイクの分、直してきました!」
小田真希也(まきや)「・・・・・・」
デザイン会社社員「小田のアレ、嘘だったらしいね」
デザイン会社社員「ZUGZAGの楠原さんと 付き合ってるってやつ」
デザイン会社社員「ウソって言うか、妄想?」
デザイン会社社員「非モテをからかってやるなよ」
デザイン会社社員「勘違いしちゃっただけなんだから、 可哀相だろ」
小田真希也(まきや)「・・・・・・」
チーフ「ん、じゃあこれでOKとしよう」
小田真希也(まきや)「あ、ありがとうございます・・・」
小田真希也(まきや)「・・・・・・」
小田真希也(まきや)「くそっ・・・!」

〇大学病院

〇病室
紅林信吾(しんご)「どうぞ」
楠原陽花(はるか)「・・・・・・」
紅林信吾(しんご)「ハルちゃん・・・」
紅林信吾(しんご)「どうしたの? 会社は?」
楠原陽花(はるか)「午後半休を取ったの」
紅林信吾(しんご)「わざわざ有休を使って、僕の見舞いに?」
楠原陽花(はるか)「えぇ」
楠原陽花(はるか)「お見舞いの手土産は 何がいいかと思ったけど、 それほど入院が長くないと聞いたから」
楠原陽花(はるか)「カットフルーツの盛り合わせ、 できれば今日中に食べて」
紅林信吾(しんご)「正解だね。退院は明後日らしいから」
楠原陽花(はるか)「そうなの?」
紅林信吾(しんご)「このまま急変したりしない限りはね」
楠原陽花(はるか)「そう」
楠原陽花(はるか)「指先の痺れや、視界のブレはない?」
紅林信吾(しんご)「大丈夫。精密検査でも 何も問題は見つかなかったし」
紅林信吾(しんご)「ただ、スマホがないの不便だよ。 暇つぶしもできない」
楠原陽花(はるか)「・・・・・・」
楠原陽花(はるか)「その、 スマホのことでお礼を言いに来たの」
紅林信吾(しんご)「お礼?」
楠原陽花(はるか)「実は昨日、 部長から呼び出しがあって・・・」

〇大学病院

〇病室
紅林信吾(しんご)「そうなんだ、桜川君が」
楠原陽花(はるか)「あなたがくれたあの動画のおかげで 助かった。ありがとう」
紅林信吾(しんご)「どういたしまして」
紅林信吾(しんご)「じゃあ、やっぱり僕を襲ったのも 桜川君だったのかな」
楠原陽花(はるか)「え?」
紅林信吾(しんご)「意識が朦朧としていたから あまり覚えてないんだけど」

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次のエピソード:第十三話 喪失

コメント

  • あぁ~😱
    陽花の周りの男たち…ろくな人がいない😭

  • 小田ーーー、あなたもですかっ💢💢
    地味でおとなしい男子が陽花と仲良くなった事で注目されて、揃いも揃ってこうなっちゃうの~。
    陽花が知らず知らずのうちにクズ男メーカーになってて悲しすぎます😢
    でも現実の世界でも、美しさ故に不幸になってしまう人っていますよね。
    陽花、幸せになって。

  • 次から次へと、、、罪づくりな陽花さんですが、彼女は決して悪くない、難儀ですね。
    シンちゃんも一歩間違えば凶行に手を染めていたかもですよね、彼の場合は負の感情を自己研鑽等に昇華させただけで

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