ストーキングシナスタジア

せんぶり

共感覚(脚本)

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〇黒

〇黒
  ──共感覚
  ひとつの感覚の刺激によって
  別の知覚が不随意的・無意識的に引き起こされる現象
  別名:シナスタジア
  対象者により、その現象の種類は多岐にわたる──

〇数字
  特定の文字や数字、音に色が付いて見える
  色から音を感じる
  言葉や音に味を感じる
  匂いに形を感じる

〇黒
  ヒトは生まれながらに
  誰もがこの”能力”を持ち得る可能性があると言われる
  成長と共に独立するはずの
  各感覚の混線──
  五感の一部の未分化──
  本来とは異なる五感の結合──
  それらが、かの現象を引き起こすのではないかと
  しかし
  その詳細ついては、科学的には解明されていない

〇大教室
教授「と、このように人間の脳というのは──」
黒井マコト「・・・・・・」

〇学校の廊下
けんた「よう、マコト」
黒井マコト「おう」
けんた「どうしたん、脳科学の講義なんて受けちゃって?」
けんた「弁護士やめて科学者にでもなるのかよ」
黒井マコト「いや、ただの暇つぶし・・・・・・」
けんた「そっか」
けんた「いや~、それにしてもこの前は焦ったよな~!」
けんた「課題なんてなくなりゃいいのによーっ!」
黒井マコト「・・・・・・」

〇一人部屋

〇学校の廊下
黒井マコト(アイツ・・・・・・)
黒井マコト(俺はいつも通りうまくやってたつもりだったのに・・・・・・)
黒井マコト(──ニセモノに用は無い、か・・・・・・)
黒井マコト(ヤバいストーカーの戯言と切り捨てるのはマズいかもな・・・・・・)
黒井マコト(家も知られちまったし、いっそ引っ越すか?)
  怖がるなよ
  大丈夫だ
  私に任せておけばいい
黒井マコト「チッ・・・・・・」
黒井マコト「・・・・・・腹減ったな・・・・・・飯にしよーぜ、俺ラーメン」
けんた「マッ!?」
けんた「お前・・・・・・チョー猫舌じゃなかったっけ!?」

〇屋敷の門

〇書斎
江波チヒロ「解離性同一性障害──」
江波チヒロ「ひとりの人間の中に全く別の性別、性格、記憶などをもつ複数の人格が現れる神経症・・・・・・」

〇ゆるやかな坂道
  あの悪魔は、必ず私が祓ってあげる

〇書斎
江波チヒロ「マコトさんをどこかへ隠した悪魔め」
江波チヒロ「ふふっ! だからって、悪魔祓いなんてしないわよ」
江波チヒロ「私はいたってマトモな人間だもの」
江波チヒロ「マコトさんは二重人格ってやつで、今はマコトさんとは似ても似つかないクソ野郎が我が物顔で出しゃばってるのよね」
江波チヒロ(二人を結んでいた運命の赤い糸・・・・・・)
江波チヒロ(またあの幸せな繋がりを感じたい・・・・・・)
垂木ノボル「ゴホンッ」
江波チヒロ「なに?」
垂木ノボル「いや、なに? じゃなくてですね、チヒロお嬢様」
垂木ノボル「私は家庭教師として英語の授業をしていたつもりなのですが・・・・・・」
江波チヒロ「垂木先生、アナタ心理学が専攻よね? 二重人格ってどうやって治すの??」
垂木ノボル(いや、話聞けって!)
垂木ノボル「その、簡単に治療って言いますけど」
垂木ノボル「一筋縄で行くようなものじゃないですよ?」
垂木ノボル「精神療法に加えて、薬物療法を併用する必要がある場合もありますし──」
垂木ノボル「治療が進むにつれて、カウンセリングを行ったり、あるいは入院治療を選択する場合もありますし──」
垂木ノボル「なにより、治療者に安心感を与えて、信頼関係を築くことが不可欠なんです」
江波チヒロ「それなら大丈夫!」
江波チヒロ「だって、私たちは運命の赤い糸で繋がれた二人! これ以上の信頼関係はないわっ!」
垂木ノボル(な、何を言っているんだ・・・・・・?)
江波チヒロ「ふんふん・・・・・・ 話をまとめると、マコトさんを治療のために監禁する必要があるわね!」
垂木ノボル「か、監禁!?」
垂木ノボル(どうまとめたってそうはならないだろ!?)
江波チヒロ「というわけなので、垂木先生、協力お願いねっ!」
垂木ノボル「な、なんでそうなるんですか!?」
垂木ノボル「学校をおサボりになるのは構いませんが」
垂木ノボル「意味の分からない事にうつつを抜かして学力が低下しては、お父様がお嘆きになりますよ!?」
江波チヒロ「ははっ、パパなんて私の笑顔ひとつでイチコロだから、気にしなくていいわよ!」
垂木ノボル「そういう問題ではなくてっ!」
江波チヒロ「それに先生は絶対に協力するわ・・・・・・」

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コメント

  • 何やら難しい話?になってきましたが、彼女の思いと性格は1話と変わりませんでしたね。家庭教師の先生もなかなか楽しそうです。

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