友愛(脚本)
〇教室の教壇
「カーンコーンカーンコーン」
みのる「ふぅーやっと、ご飯だー」
このは「お腹すいたねー」
このは「今日の給食なんだろー」
「走るなぁぁぁあ!!」
みのる「え?なに!?」
みや「あぁ、ホントにもう」
みや「走ったから、パン無くなっちゃったじゃん」
しあん「・・・」
みや「何か言ったら?」
しあん「ごめんなさい!これでいいか?」
みや「い、良いわけないでしょ!」
しあん「ごめんですまなかったら、どうしろと?」
みや「・・・」
みや「もういい!」
しあん「はぁ」
みのる「しあん、言い過ぎじゃない?」
しあん「ごめんって言っただろ」
このは「でも、気持ちがこもってなかったからじゃないかな?」
しあん「・・・」
みのる「どこ行くのよ!」
このは「もう、ほっとこ?」
みのる「・・・」
〇まっすぐの廊下
はる「パンどうしてくれるの?」
しあん「・・・」
はる「ねぇ聞いてる?」
はる「そんなのだから、友達いないんだろ?」
しあん「それくらい・・・わかってるよ」
おさむ「・・・ねえ大丈夫?」
おさむ「そんなの気にしてたら、しあんらしくないよ?」
しあん「それくらいわかってるっつーの!」
おさむ「・・・」
みのる「はあはあ・・・ここにいたと思うんだけどな」
このは「・・・・・・」
みのる「どうしたの?このは」
このは「スゥーハァースゥーハァースゥーハァー」
みのる「そんな息切れする?」
このは「ゼェゼェゼェ」
このは「わだし・・・ゼェゼェゼェ、・・・ぜんそぐ・・・なの・・・ゼェゼェゼェ」
みのる「喘息?」
みのる「なにそれ!とりあえず早くしないと!ほら!早く」
このは「あ・・・待って!ゼェゼェゼェ」
みや「待って!」
みや「このはとみのる!待って!」
〇中庭
みのる「全然見つからないや」
みや「ちょっと!」
みのる「なに?」
みや「このはって、喘息だから、走らせたらダメ!」
みのる「だから喘息ってなに?」
みや「息切れしやすくて、死に至るかともあるの!」
みのる「嘘・・・でしょ」
このは「!!」
みのる「このは!このは!大丈夫?このは!!」
しあん「はあはあ」
みのる「しあん!あんたのせいだからね?」
しあん「そういうことはさておき、」
しあん「このはをなんとかしないと!」
しあん「このは・・・」
しあん「お母さんが病院の先生だから、すぐ来てくれる!」
しあん「・・・」
みや(しあんくんって、こういうときだけ、かっこいいんだよな)
しあん「みや、どうした?」
みや「あー!いやなんでもない」
しあんのお母さん「しあん!来たわよ」
しあん「早!」
しあん「まあいい!とりあえずこの子を!」
しあんのお母さん「わかったわ!それじゃあね」
しあん「ふー」
みや「んで、給食は?」
しあん「俺のはもういいよ」
みや「!!」
みや「いいの?!」
しあん「俺も帰るわ」
みや「帰るなぁあ!」
しあん「あははは嘘だよ」
しあん「なにかできることはするわ」
しあん「じゃ」
みのる「なんなの💢かっこつけやがって」
みのる「みや、顔めっちゃ赤いよ!!」
みや「そうだった!?」
みのる「もしかして、惚れちゃった?」
みや「まあ、そうかもね」
みのる「あ!ご飯」
〇教室の教壇
「ごちそうさまでした!」
みのる「おいしかったねー」
みや「うん!」
みのる「今日は早く帰れるしって・・・あれ?曇ってきた」
みや「えぇ!?」
みや「傘持ってきてないよ」
みのる「私はあるけど、帰り道がな・・・」
〇教室の教壇
みのる「雨降ってきちゃった」
みや「どうしよ」
みのる「びしょびしょで帰ったら?」
みや「そうするわ」
みのる「そっか!」
〇学校の校舎
みのる「めっちゃ降ってる!」
みや「どうしよー」
みのる「がんばれ!バイバイ!」
みや「え!ちょっと」
みや「ホントにどうしよ」
しあん「あ」
みや「あ!しあんくん!」
しあん「俺傘持ってるから、貸そうか?」
みや「あ!大丈夫💦」
みや「じゃあね」
しあん「・・・」
〇学校の校舎
みや「あれ?」
しあん「傘さしてあげてるだけだから」
しあん「勘違いすんなよ☆」
みや(嘘でしょ!ホントに嬉しすぎる)
みや「ありがと!」
みや「てか、しあんくんって、ここからだっけ?」
しあん「こ、ここからだけど、、、?」
みや「そうなんだ!」
みや「偶然だね」
〇おしゃれなリビングダイニング
みや「ただいま!」
「おかえり!」
みやのお母さん「今から、ご飯の準備するから、宿題してきなさいよ」
みや「はーい」
みやのお父さん「さあ、みや!わからないところがあったら、なんでも教えてあげよう」
みや「お父さん、私びしょ濡れだから、風呂入っても良い?」
みやのお父さん「あーいいとも!」
〇おしゃれなリビングダイニング
みや「ふー!きもちい!」
みや「めっちゃ良い匂いする!」
みやのお父さん「今日はシチューだって!」
みやのお父さん「早く、宿題しろよ」
みや「はーい」
〇一人部屋(車いす無し)
みや「うーん」
みや「にひひ・・・」
みや「これが恋かな」
みや「しあんくん」
みや「勉強勉強!!」
「入るぞー」
みやのお父さん「進んでるか?」
みや「ここがわかんなくて💦」
みやのお父さん「・・・」
みやのお父さん「ここくらいわからんのか」
みや「?」
みやのお父さん「お前、最近頭悪いぞ?」
みやのお父さん「先生の話聞いとるか?」
みや「聞いてるよ!この単元がわからないだけだもん」
みやのお父さん「早くしろよ」
みや「教えてよ!」
みや「・・・」
〇おしゃれなリビングダイニング
「いただきます」
みやのお母さん「みや、どうしたの?」
みやのお父さん「ジロ」
みや「なんにもないよ!お母さん」
みやのお母さん「隠し事があったら、いつでも言いなよ?」
みや「うん・・・」
「ごちそうさま」
みやのお母さん「珍しく残してるわ」
みやのお母さん「お父さんなにかした?」
みやのお父さん「え?僕なん?」
みやのお母さん「当たり前じゃない!」
みやのお父さん「なんで、僕ってわかったのかい?」
みやのお母さん「なにをしたの?」
みやのお父さん「質問を質問で返すな」
みやのお父さん「まず、僕の質問を返してくれ」
みやのお母さん「・・・」
みやのお母さん「どうだろうね」
みやのお父さん「・・・ふ」
それぞれのキャラクター設定がしっかりしていて、小学生の日常を小学生目線で体験したような面白さがありました。みのるはわりとマイペースだったり、最初は反目してたみやとしあんが次第にちょっといいムードになってきたり。子供には子供の人間関係や事情があるんだなあ。
かっこいい男の子って、意識してるわけでもなく嬉しいことをしてくれたり言ってくれたり、それとなくね。
そんなところがしあんくんの魅力?!
みやちゃんの両親、なんかとてもラフな感じでいいですね。それにしても、みのるちゃんは女の子なのにサバサバしすぎで、でもそこが面白かったです。みやちゃんの恋心、しあんくんに届くといいですね。