第十話 スポットライト(脚本)
〇高層ビル(看板あり)
──あらすじ──
真希也に付き合っているつもりは
ないと伝えた陽花。
信吾に15年前の不満をぶちまける。
〇綺麗な会議室
楠原陽花(はるか)(今日はラジオ局で、 会社のアピールのための 打ち合わせなんだけど・・・)
紅林信吾(しんご)「・・・・・・」
〇川沿いの公園
楠原陽花(はるか)「どうせ私を一人ぼっちにするくせに、 嘘つき!」
〇綺麗な会議室
楠原陽花(はるか)(どうしてあんな、 子どもじみたことを言ってしまったの?)
楠原陽花(はるか)(しかもヒステリックに、恥ずかしい・・・)
紅林信吾(しんご)「・・・・・・」
楠原陽花(はるか)(紅林君のせいよ)
楠原陽花(はるか)(彼を前にしていると シンちゃんと過ごしていた頃の自分が 戻ってきてしまう)
紅林信吾(しんご)「・・・・・・」
楠原陽花(はるか)(あれから何も言ってこないけど、 何となく気まずい・・・)
ラジオパーソナリティ「じゃあ、 ボクがZUGZAGさんの紹介したら、 すぐに会社ノベルティの話に入る」
ラジオパーソナリティ「どういう場面に使うのにお勧めか 説明して」
紅林信吾(しんご)「はい」
ラジオパーソナリティ「しかし噂には聞いていたけど、楠原さん? 本当に美人だねぇ」
楠原陽花(はるか)「恐縮です」
ラジオパーソナリティ「会社ノベルティねぇ」
ラジオパーソナリティ「ウチの放送局のもZUGZAGさんに 作ってもらおうかなぁ」
ラジオパーソナリティ「上に話してみようかなぁ」
楠原陽花(はるか)「本当ですか?」
ラジオパーソナリティ「ところで楠原さん、お酒は飲める方?」
楠原陽花(はるか)「お付き合い程度でしたら」
ラジオパーソナリティ「そこの窓から見えるホテルあるでしょ」
ラジオパーソナリティ「あそこのラウンジから見る夜景が 本当にきれいでね」
楠原陽花(はるか)「はぁ」
ラジオパーソナリティ「楠原さん、どう? 今度二人で飲まない?」
ラジオパーソナリティ「ノベルティについて、話がしたいしね」
楠原陽花(はるか)「・・・・・・」
楠原陽花(はるか)(これは、ウチの注文が欲しければ、 お酒に付き合えってパターンか・・・)
楠原陽花(はるか)(しかもわかりやすく、ホテルに夜景・・・)
楠原陽花(はるか)「申し訳ありませんが、 そういったお話は・・・」
紅林信吾(しんご)「発注していただけるんですか!?」
楠原陽花(はるか)(紅林君!?)
紅林信吾(しんご)「今、カタログをお出ししますね。 いやぁ、嬉しいなぁ!」
ラジオパーソナリティ「あー、君・・・、 ボクが言いたいのはね」
紅林信吾(しんご)「ほら、これどうです? ミニ箱型ラジオ!」
紅林信吾(しんご)「ここのスタジオに来た時に 思ったんですよ」
紅林信吾(しんご)「この色のラジオのこの部分に 放送局のロゴを入れたら、 ここのビルそっくりになるな、と」
ラジオパーソナリティ「ボクは楠原さんと話してるんだが」
紅林信吾(しんご)「今、ラジオを聴く人って 減っているでしょう?」
紅林信吾(しんご)「けれど、災害時には ラジオが頼りになるじゃないですか」
紅林信吾(しんご)「リスナーへのプレゼントにいかがです?」
紅林信吾(しんご)「ここの放送局のロゴの入ったラジオが、 非常時に人々の支えになる!」
紅林信吾(しんご)「その宣伝効果は悪くないかと」
ラジオパーソナリティ「ほぅ・・・」
楠原陽花(はるか)「!?」
ラジオパーソナリティ「君、なかなか面白いこと考えるねぇ」
紅林信吾(しんご)「ありがとうございます」
ラジオパーソナリティ「その方向で話を進めてみようか」
ラジオパーソナリティ「あとで上の人間に紹介するから、 来てくれる?」
紅林信吾(しんご)「ぜひ、喜んで」
楠原陽花(はるか)(紅林君・・・)
楠原陽花(はるか)(私はうろたえることしか 出来なかったのに、 仕事に繋げてしまった・・・)
ラジオパーソナリティ「紅林君、今日は君に会えてよかったよ! ははは」
楠原陽花(はるか)(あの人ももう、 紅林君しか見ていない・・・)
〇空
〇開けた交差点
楠原陽花(はるか)「以前あなたに 『この仕事に向いてない』 って言ったわね」
楠原陽花(はるか)「間違っていたわ、ごめんなさい・・・」
紅林信吾(しんご)「どうしたの、急に」
楠原陽花(はるか)「今日はあなたの機転に助けられたから」
紅林信吾(しんご)「売り込むチャンスが目の前にあったから、 飛びついただけだよ」
楠原陽花(はるか)「・・・そう」
紅林信吾(しんご)「・・・・・・」
紅林信吾(しんご)(落ち込んでるね)
紅林信吾(しんご)(これで二つ目か。 君に向けられる視線を遮断したのは)
紅林信吾(しんご)(どんな気分だろうね)
紅林信吾(しんご)(自分に当たってたスポットライトが、 一つ、また一つと消えてゆく気分は)
紅林信吾(しんご)(はは・・・)
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わ~!
大和なんちゅーことするんや~!😱
さ、桜川あぁあ💢
証拠を隠滅するためとはいえ、怒りが恋人自身ではなくその相手に向かうタイプなのか!どこまで陰湿なんだ!!捕まってしまえーーー💢💢
や、大和おまえー!!
しかし陽花は、明らかにセクハラなお誘いも「自分だけを見てくれてる」って感じちゃうんですね💦
しんちゃんには助けてくれたと認識してるけど、気持ちが複雑ですね。