S&M(Ⅰ)(脚本)
〇ライブハウスの控室
ジャンヌ「ふう・・・本日のお仕事終了~」
シスター「お疲れさまでーす!水分取って下さい!」
ジャンヌ「ぼけ!色のついとる方じゃ!」
シスター「で、でもこの後反省会が・・・」
ジャンヌ「私に反省すべき点などない!」
ジャンヌ「ぷはー!うめー!乳首立っちゃうぜ!」
シスター(そういう下品な所だぞ。反省すべき点は)
ジャンヌ「ん?何じゃあれは?」
武藤「お疲れ様です。ジャンヌさん」
ジャンヌ「おいおいおいゴイスーな衣装だね」
マリア「様になってるじゃん」
武藤「有難うございます」
ジャンヌ「さてさて。ナンバーワンの新作舞台。しっかり勉強させてもらいますね」
マリア「どうだろ。こういうアプローチって初めてだから上手くいくかどうか・・・」
ジャンヌ「どうだろ?」
ジャンヌ「そのステージのアイデアって支配人が考えてくれたんでしょ!」
ジャンヌ「ちゃんと成功させなさいよね!」
マリア「分かってるわ。頑張る頑張る」
武藤「がんばります」
〇時計台の中
ファン「お、いよいよ始まるぜ。シスターマリアの新作」
ファン「じっくりと堪能させてもらいましょう」
武藤「・・・」
ファン「おいおい。何が始まるんだ?」
ファン「男の裸は見たくねーんだけどよ」
〇洋館の廊下
マリア「・・・」
マリア「ルナ様・・・」
〇魔法陣2
〇洋館の廊下
マリア「今夜も私に力をお与え下さい」
マリア「AMEN」
マリア「よしっ!」
〇時計台の中
ファン「なるほどなるほど。そういうことね」
ファン「ふむ。確かにこれはシスターマリアにとって未開拓のジャンルではある」
ファン「お手並み拝見と行こうじゃないか」
ファン「え?だから何が始まるんだ?」
「ボクちゃん、ウブだね~♪」
ファン(・・・俺、本厄なんだけど)
マリア「色欲地獄を蠢く哀れな亡者め!」
マリア「このリリスにひれ伏すのよ!」
武藤「いたーい」
マリア「おだまりっ!」
武藤「たすけてー」
マリア「お、おだまりっ!」
ファン「なんか・・・マリアらしくねーな」
ファン「新境地なのだ。温かく見守るのがファンというものであろう」
ファン「そうだ。僕達が育てて行かないと」
ファン「・・・にしても」
「ププププッ・・・」
塚越「う~ん」
塚越「こんなはずじゃないんだけどな・・・」
武藤「いたいです~やめてくださ~い」
マリア(ちょっと!もっとちゃんとやってよ!)
武藤(や、やってますよ~)
マリア「おだまりっ!」
武藤(そっちだって『おだまり』ばっかじゃないですか)
マリア(うるさいわね。それ以外思いつかないのよ)
マリア「おだまりっ!」
武藤「え?今は黙ってましたけど・・・」
マリア「じゃあお喋りっ!」
武藤「げ、元気ですかー!」
ファン「マリアって・・・コメディもいけるんだ」
ファン「確かに新境地ではあったな」
ファン「惚れ直したぜ。さすがナンバーワンだ」
塚越「俺がして欲しかったのは、こういう事じゃないんだが・・・」
塚越「まあこれはこれで成立してるか」
塚越「今回は笑って済ませてやるよ」
塚越「次はないけど・・・」
〇ライブハウスの控室
ジャンヌ「・・・」
ジャンヌ「・・・前座?」
〇時計台の中
武藤「う、うわっ!」
マリア「も、もう!バカっ!」
〇神殿の門
「つまりアタシが言いたいのは」
〇ライブハウスの控室
ベテランシスター「『緊張』が崩れたら『笑い』になるって事」
ベテランシスター「良い緊張がなければ良い舞台にはならないの。それくらいマリアなら分かってるはずなんだけどね」
武藤「全部僕が悪いんです」
ジャンヌ「私は違うと思うけど・・・」
ジャンヌ「あの人が単にたるんでるだけじゃない?」
ジャンヌ「本気で叩いてないのよ。だからムーちゃんは痛がれない。違う?」
武藤「・・・」
ジャンヌ「結局ステージを舐めてるのよ。ダンサーだかメジャー志望だか知らないけどアンダーグラウンドを馬鹿にしてんのよ。あの女」
マリア「・・・」
マリア「マネージャー。水」
武藤「はい・・・」
マリア「髪」
武藤「はい」
ジャンヌ「ドライヤーまであててもらって。ナンバーワンは恵まれてますね~」
ジャンヌ「芸能人みたーい」
ジャンヌ「上京して演劇とかもやっちゃいますか~?」
ジャンヌ「実は女優業にも興味あります~的な~?」
マリア「・・・」
ジャンヌ「あんたこの街嫌いでしょ」
ジャンヌ「御影街も。御光町も。この仕事も。私達も」
マリア「・・・」
ジャンヌ「聞いてんだよ」
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