ムーンストラックベイビー

紗卦冬葉(さけとば)

ステップ・アップ💫ザ・バウンサーズ(脚本)

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〇謎の施設の中枢
  記憶を零れ落としてしまった、
  自分の中にある、

〇数字
  唯一の、記憶

〇地球
  それは、望郷であり
  郷愁、でもあるような・・・

〇宇宙空間
  ───多分、似てるんだ
  『流れ星』みたいに、一瞬だけ眩しくて
  叶えようとすると、すぐに消えてしまう

〇空
  夢────・・・
「卯月っち!」
  ・・・ん?
パイセン「最短ルートで跳んだぞ!着地準備!」
  !?
卯月っち「着地ぃ!?」
  だあああああ!?

〇街外れの荒地
卯月っち「危なっ」
パイセン「なにボーッとしてんの!」
卯月っち「申し訳ないっス・・・ なんか一瞬、意識トンでました・・・」
パイセン「ア゛ァン!?」
  《防御命令》!説教は後にして!
  なるべく巻き込まれないでね!

〇空
「数ヤバッ」
  頑張って全部撃ち落とすから
  『破片』ちゃんと回収してね!
パイセン「『バリア』敷くから!早くこっち来い!」
卯月っち「あわわわわわ!パイセ〜ン!!」

〇白

〇宇宙空間
  海抜約100㎞
  大気圏最上層
  『カーマン・ライン』

〇空
姉貴「・・・ふぅ」
姉貴「後は、“跳べる奴”の仕事かな」
姉貴「2人共・・・」
姉貴「ガンバレッ♡💪」

〇街外れの荒地
パイセン「着弾位置分かってりゃあ 爆風防ぐのなんて訳ないぜ!」
パイセン「この気配・・・近くに来るな?」
パイセン「卯月っち!回収任せた!」
卯月っち「了解っス!」
パイセン「鮮度良好!高く買い取って貰えそうだな!」
卯月っち「日に日にコントロール 良くなってきてる気がするっスよ〜!」

〇黒

〇荒廃したセンター街
  『月』の裏側
  月東京・因幡区

〇港の倉庫
  治安維持組織
  『ラビド・ラビッツ』
  -本拠地-

〇華やかな広場
組長「隕石回収業、通称『流星家』諸君! 任務、お疲れ様でした!」

〇華やかな広場
パイセン「ほらよっ!今回の戦利品!」
組長「このサイズをこんなにたくさん・・・ 1週間は都市機能維持できそうかな」
組長「はいコレ、報酬」
パイセン「相変わらず羽振りの良さパネェ〜!」
卯月っち「そろそろマイホーム買いましょ! 中庭付きの奴!」
組長「建てても隕石で蜂の巣だから意味無いよ?」
組長「ここみたいな地下シェルターの方が 現実的だと思うけどなぁ」
卯月っち「・・・結局いつもの」
パイセン「アナウサギ生活かぁ」
「はぁ〜〜〜」

〇港の倉庫

〇華やかな広場
姉貴「大変大変ッ!」
姉貴「『隕石予報』、出たんだけど!とっと!」
  いててて・・・
「あ、姉貴!」
卯月っち「脚、悪いのに無理しないで・・・」
姉貴「これくらい、大丈夫だよ♡」
パイセン「・・・」
姉貴「本題に入ろう」
姉貴「『15m級の巨大隕石』が 未明にかけて因幡区に落ちてくるらしい!」
  意地の悪い『表側』の奴ら、
  ギリギリまで情報隠してやがったんだ!
  街一つ壊滅しようがお構い無しで、
  落ちた隕石回収する気なんだろ!
組長「・・・《作戦会議》しなきゃね、早急に」
「・・・ハイ!」

〇黒

〇研究機関の会議室

〇研究所の中
組長「結論だが───」
組長「”卯月の『重力操作』による衝突回避”」
組長「これが一番、 実現可能ラインに近いという判断になった」
  街一つ壊滅するレベルの隕石相手だと
  ・・・そういう顔に、なっちゃうよね
  卯月は、『特別』だ
  私たちと違って五感と筋力は強くないが、
  代わりに『重力』を操れる
組長「憎まれ役は慣れてるつもりだが、 今回ばかりは『度』が過ぎるか・・・」
組長「こんな提案しか出来なくて、本当にすまない」
卯月っち「仕方ないっスよ!」
卯月っち「15m級は、ほぼ『核』みたいな威力だし」
卯月っち「姉貴の電磁砲(レールガン)でも 細かく出来る保証のないスケールですし」
卯月っち「因幡区の武装じゃ、止められないっスから」
卯月っち「・・・」
パイセン「う、美味いものとか、喰いに、いこっか?」
パイセン「俺、奢るよ?」
卯月っち「すいません、食欲湧かなくて・・・」
卯月っち「ちょっと、散歩してきます・・・」
姉貴「・・・辛いよね」
パイセン「・・・」
パイセン「うぅっ」
姉貴「お前が泣いてどうすんだよっ」
姉貴「まったく」

〇荒廃した教会
  やっぱりここか
卯月っち「姉貴ぃ」
姉貴「思い詰めると、大体ここに来るでしょ」
卯月っち「なんだか、 この場所が『故郷』みたいに感じるんス」

〇荒廃した教会
  1年前

〇荒廃した教会
卯月っち「記憶のないウチを受け入れてくれた 恩返しがしたいんス」
卯月っち「命懸けの仕事なのは・・・ いつもの事っスけど・・・」
卯月っち「本当に、お別れしちゃうのかな って思うと、なんだかっ・・・」
卯月っち「うぅ・・・」
姉貴「・・・」
姉貴「ボクの脚の怪我の原因、 自分自身の不注意だったんだけど」
姉貴「・・・『弥生』がいなかったら、 ボクは死んでた」
卯月っち「・・・パイセンが、助けてくれたんスね」

〇荒廃したショッピングモール
  ボクらは隕石に頼らなきゃ生きてけないから
  この仕事は
  誰かがやらなきゃいけない事だから
  『流星家』は死と隣り合わせで、
  使い捨てみたいな仕事だって、言われるけど
  『弥生』は、こう言ってくれたんだ
弥生「絶対見捨てない・・・!」

〇荒廃した街
姉貴「『うさぎは寂しがり屋』って 迷信あるけどさ?」
姉貴「アイツは、本当に”そう”なのかもね」
卯月っち「なんか、分かるっス」
卯月っち「パイセンの為にも、頑張らないとなぁ」
姉貴「送るよ」

〇黒

〇秘密基地のモニタールーム
組長「卯月、聞こえてるか?」
  聞こえてるっスよ!
組長「こんな危険な役割任せた立場で、 こう言うのも、おかしいかもしれんが」
組長「美味しい茶菓子、用意しておくから」
組長「戻ってきたら、 みんなでお茶会しよう?」
  組長って結構悪い人なんスね?
  やる気にさせた分、
  給料弾んでくださいっス!!

〇街外れの荒地
  パイセン
  なんだ?
卯月っち「”一緒に”跳んで貰えませんか?」
  ゴシゴシッ
パイセン「・・・まぁ」
パイセン「失敗したら、みんなお陀仏だしな!」
パイセン「『着地』、任せたからな?」
卯月っち「よろしくっス」

〇落下する隕石

〇空
姉貴「標的確認!起動予測も出来た!」
姉貴「『全力で跳べ』ッ!!」
  了解!!!
姉貴「『流れ星』みたいに」
姉貴「ぶっ跳んでったなぁ」
「僕も、リハビリ頑張らなくちゃなぁ」

〇空

〇落下する隕石
パイセン「もう当たるぞ!」
卯月っち「自分の、限界なんて、」
卯月っち「測ったこと、無いけど!」

〇落下する隕石

〇落下する隕石

〇黒

〇荒廃したセンター街
  数日後

〇荒廃した街
パイセン「良いねぇ!マイカーって奴はさァ!」
卯月っち「一回払いで大枚はたくの超気持ちイイっス!」
姉貴「なんつーデザインなの・・・」
パイセン「いつでもみんなでドライブ出来るし! いい買い物したぜ!」
卯月っち「そして今日は♪今日は♪」

〇港の倉庫

〇華やかな広場
組長「準備、ちょうど終わったところだったよ」
組長「みんな」
  おかえりなさい!

コメント

  • この世界観を2000字で……! 世界観だけじゃなくて、彼女たちの絆が生き生きと描かれていて、すごいボリュームでした! 読了後の満足感がすごい! 楽しかったです〜😊
    無事、任務を果たせて良かったです。4人の楽しいティータイムが目に浮かびます☕✨

  • 設定モリモリ演出モリモリ、イイっスねェ!!🤤
    効果音、スチルまで含めて素晴らしい完成度でした👏 エフェクトは特に、「なるほど!」と思うものが多く勉強になりました🙏
    美少女ちゃん達もイキイキしてて、魅力をしっかり受け取りました👍
    この鬼のような設定量で2000字に収めたのはお見事でした✨

  • 隕石との攻防に跳躍という要素が入ってて、見たことない戦い方でした。数話くらい余裕で書けそうな設定詰め込んでるだけに2000字大変ですね。
    エフェクトや背景を組み合わせて宇宙がアニメーション化してて凄かったです。

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