私こそが────

紅乃宮 楓

私は……正義の味方よ。(脚本)

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紅乃宮 楓

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〇ビルの裏通り
  ひとまず俺は園山と一緒に走っていた。
神崎 裕太「園山・・・・・・!アイツはなんなんだ!?」
園山 零「アイツは・・・・・・私の敵よ」
園山 零「私が倒さなければならない、敵」
神崎 裕太「・・・・・・よくわからん」
園山 零「なら仕方ないわね」
ゴースト「キシャァァァァァァァァァ!!!!!!!」
神崎 裕太「うわぁ!!」
園山 零「追いついて来たのね」
神崎 裕太「く、クソっ・・・・・・こんな奴どうすれば・・・・・・」
園山 零「・・・・・・仕方ない、わね」
園山 零「少し下がっていて、クラスメイトくん」
園山 零「こいつは私の敵だもの。 私が倒すわ」
園山 零「──!────!! ──────!!!!」
  園山は、認識できない声を上げながら手をかざした。
園山 零「────────!!!!!!」
ゴースト「キシャァァァァァァァァァ!!!!!!!」
  化け物は断末魔のような叫びを上げながら消えていった。
園山 零「これでもう大丈夫よ」
神崎 裕太「そうか・・・・・・アイツはなんなんだ?」
園山 零「そうね・・・・・・場所を変えましょうか?」
園山 零「この辺りに適当なカフェでもあるかしら?」
神崎 裕太「ああ・・・・・・それなら確か・・・・・・」

〇レトロ喫茶
  俺は園山を連れ、カフェに入った。
神崎 裕太「この店でどうだ?」
園山 零「えぇ、充分よ」
園山 零「何も頼まないのもお店に悪いし・・・・・・何か食べましょう」
  園山さんは紅茶とケーキを、俺はコーヒーを頼み、運ばれてくるのを待った。
神崎 裕太「で、だ。 あの化け物はなんだ? どうして戦っていた?」
神崎 裕太「それに・・・・・・お前は何者だ?」
園山 零「質問が多いわ。 そうね、とりあえず・・・・・・」
園山 零「あの化け物は・・・・・・そうね、ゴーストとでも呼びましょう」
園山 零「端的に言えばアイツは私の敵よ」
  話を聞いていると、店員さんが頼んだものを持ってきた。
園山 零「あぁ、ありがとう」
園山 零「食べながら話すとしましょうか」
  そう言って、園山はケーキを口に運びながら話し続ける。
園山 零「どうにもアイツは、私が平凡な生活を送るのが気に入らないみたい」
園山 零「何年か前から私に付きまとって、襲いかかってくるのよ」
園山 零「だから私はアイツと戦っているの」
園山 零「アイツは悪よ」
園山 零「おかしいもの。私は何もしていないのにずっと襲いかかって、生活を壊してくる」
園山 零「だから私はアイツを倒す。 平凡な生活を送るために」
園山 零「・・・・・・最後の質問・・・・・・私の正体・・・・・・ね」
園山 零「こう名乗るとしましょうか。 私は・・・・・・正義の味方よ」
  言い終わると、園山は紅茶を飲み干した。
園山 零「まぁ、こんな所ね」
園山 零「美味しかったわ、ご馳走様」
  そう言って園山は席を立ち、立ち去った。

〇中規模マンション
神崎 裕太「行ってきます」
  翌朝。
神崎 裕太「・・・・・・昨日のあれは、現実だったんだよな・・・・・・」
  未だに信じられず、昨日のことを思い出していた。
芦川 紅華「ゆーうた!! おはよ!」
神崎 裕太「うわ!?」
神崎 裕太「・・・・・・ってなんだ・・・・・・紅華か・・・・・・」
芦川 紅華「なんだとはなによ!」
芦川 紅華「全く! 幼なじみに対して失礼だなー!」
神崎 裕太「はいはい、悪かった悪かった」
芦川 紅華「余裕ある感じでなんか腹立つ!」
芦川 紅華「ま、いいか!」
  芦川紅華。
  小学校の時からの幼なじみだ。
  今は紅華は女子校に通っていて学校は違うけれど、家が近い為なんだかんだで会うことは多い。
芦川 紅華「そうだ! 昨日から零ちゃんが転校してきてたんでしょ?」
神崎 裕太「あぁ・・・・・・って、おい!なんで知ってるんだ!?」
芦川 紅華「え?だって転校する前はうちの学校に通ってたんだよ」
芦川 紅華「零ちゃんはなんか高嶺の花って感じであんまり話せなかったんだけどね!」
  話せなかった割にはちゃん付けである。
神崎 裕太「それじゃあお前、知ってるのか?」
芦川 紅華「ん?何が?」
神崎 裕太「その・・・・・・園山が正義の味方やってること?」
芦川 紅華「え?なにそれ」
芦川 紅華「零ちゃんが・・・・・・正義の味方・・・・・・!?」
  ・・・・・・しまった、言わない方が良かっただろうか?
神崎 裕太「あー、今の話は忘れて・・・・・・」
芦川 紅華「かっこいい!! ねぇねぇ、その話詳しく聞かせてよ!!」
  ・・・・・・食いついてしまった。
神崎 裕太「いや、いい。忘れろ」
芦川 紅華「良くない!!」
  ・・・・・・少し面倒なことになってしまった気がする。
神崎 裕太「あー!ほらほら! お前の学校あっちだろ!」
神崎 裕太「さっさと行った行った!」
芦川 紅華「あー!誤魔化したー!」
芦川 紅華「むー・・・・・・! 後で問い詰めてやるんだから!」

〇教室
  学校にて
園山 零「おはよう。 ・・・・・・えっと・・・・・・」
神崎 裕太「おはよう、園山。 俺は神崎裕太だ」
園山 零「そうなのね。 改めて・・・・・・おはよう、神崎くん」
上島 亮吾「よぉ!裕太! おはよう!」
園山 零「あ、上島くんも! おはよう」
上島 亮吾「お、おう・・・・・・! おはよう、園山さん・・・・・・!」
  亮吾のやつは相変わらずであった。

〇街中の道路
  その日は園山が早退することも無く、帰路に着いていた。
園山 零「神崎くんも家、こっちなのね」
神崎 裕太「まぁな・・・・・・ちょっと遠いが、小さいマンションに住んでる」
  何故か園山と一緒に、だ。
園山 零「神崎くんはマンションに住んでるのね。 私はどこにでもあるような一軒家に」
園山 零「でも、なんだかマンションって憧れちゃうなぁ。 オシャレなイメージあるし」
神崎 裕太「そうでも無いぞ。 一軒家の方がいいだろ・・・・・・一人部屋とか、あるだろうしな」
園山 零「神崎くんは一人部屋に憧れがあるの?」
神崎 裕太「憧れって言うか・・・・・・妹と相部屋だとちょっとな」
園山 零「妹がいるのね! どんな子なの?」
神崎 裕太「どんなって・・・・・・静かで無口で・・・・・・あ、頭は結構いいほうだった気がするな」
園山 零「そうなのね! 会ってみたいわ」
神崎 裕太「会っても楽しくないと思うがな・・・・・・」
  そんな会話をしていたその時。
  突然、叫び声が聞こえた。
神崎 裕太「な・・・・・・なんだ・・・・・・!?」
園山 零「敵が出たわね。行ってみるわ」
神崎 裕太「あ、お、おい・・・・・・!俺も一緒に・・・・・・!」

〇屋敷の門
神崎 裕太「紅華!!」
芦川 紅華「ゆ、裕太・・・・・・!」
  叫び声を追っていくとそこは紅華の家の前で、紅華が座り込んでいた。
神崎 裕太「大丈夫か・・・・・・!? 何があったんだ!?」
芦川 紅華「わ、私・・・・・・」
芦川 紅華「今から塾で・・・・・・外に出たら、こいつが・・・・・・!」
ゴースト「キシャァァァァァァァァァ!!!!!!!」
芦川 紅華「ヒィッ・・・・・・」
  再び出会ってしまった。
園山 零「神崎くんは芦川さんを連れて逃げて!」
神崎 裕太「っ・・・・・・ああ。そうする」
  俺は座り込んでいる紅華の方へ目を向けた。
神崎 裕太「立てるか?」
芦川 紅華「む、無理・・・・・・! 腰が抜けちゃったみたいで・・・・・・!」
神崎 裕太「・・・・・・仕方ないか」
神崎 裕太「文句言うなよ紅華! これが一番効率的だからな!」
芦川 紅華「え?ちょっ・・・・・・」
  俺は紅華を横抱きにすると走り出した。
芦川 紅華「な、なんでこの体勢!?」

〇公園のベンチ
神崎 裕太「よし、とりあえずここまで来れば大丈夫だろ」
  俺はベンチに紅華を下ろした。
芦川 紅華「怖かった・・・・・・ねぇ裕太。アイツはなんなの?」
神崎 裕太「アイツは・・・・・・」
  言うべきなのだろうか?
  あまりこういうことを簡単に言うのはどうなのだろう?
  園山に確認を取ってからの方がいいのか?
神崎 裕太「・・・・・・わからん」
芦川 紅華「零ちゃん・・・・・・大丈夫なのかな・・・・・・」
神崎 裕太「・・・・・・ま、多分大丈夫だろ」
芦川 紅華「なんでそんなにどうでも良さそうなの!?」
芦川 紅華「零ちゃんのこと心配じゃないの!?」
神崎 裕太「それは心配だが・・・・・・今はお前だ」
神崎 裕太「怪我は無いか?」
芦川 紅華「あ・・・・・・うん。 どこも怪我はしてないよ」
神崎 裕太「そっか。なら良かった」
神崎 裕太「塾、休んだ方がいいんじゃないか? あんなの見たら怖いだろ・・・・・・良かったら俺の家来るか?」
芦川 紅華「いいよいいよ!裕太に悪いし・・・・・・」
芦川 紅華「それに・・・・・・塾にはちゃんと行かないと。 知っての通り私、バカだから」
  中学のテストは平均点が五点。
  進学できたのは先生方の多大な努力のお陰であると言っても過言では無い彼女の・・・・・・
  少し無理をした、意見だった。

次のエピソード:私は……部活動のスターよ。

コメント

  • 園山さんルートに期待しております!!!😆

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