猫にエサはいらない。

けにゃ

エピソード1(脚本)

猫にエサはいらない。

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〇男の子の一人部屋
ナイ「まずは自己紹介。 吾輩は猫である。 名前は「ナイ」」
ナイ「「まだない」のではなく、「ナイ」って名前。 まったく、いったい誰がつけたんだか」
ナイ「さて、自己紹介が済んだところでどこから話し始めようか。 そうそう、このベッドでウダウダしている少年」
ナイ「名前は宮澤ゆるし。 現在14歳で、もうすぐ15歳になる。 つまり、明日が誕生日なのだが・・・」
ゆるし「んんん、あーあ」
ナイ「どうして、こんなことになっているのかというと、少し時間を遡る必要がある。 しばしのお付き合いを」

〇駅のホーム
  3時間前。
  ゆるしは、彼女と待ち合わせをしている。
  「ホームで待ってるね♥」
  ゆるしは、LINEを送ったところだ。
  「り」
  それだけの素っ気ない返事はいつものことで、ゆるしは全く異変に気がつかなかった。

〇駅のホーム
  電車がきて、まゆたんが降りてきた。
ゆるし「まゆたん♥」
まゆたん「ごめん、遅れた」
  まゆたんは、ゆるしの二つ上の高校2年生。
  お姉さんのような口調もいつものことだった。

〇ファストフード店の席
ゆるし「うまうま」
まゆたん「・・・・・・」
ゆるし「一口食べる?」
まゆたん「いらない」
まゆたん「ごめん、私」
ゆるし「何?」
まゆたん「ゆるし君と別れたい」
ゆるし「え?何それ?」
まゆたん「そのままの意味」
ゆるし「そのままって・・・」
まゆたん「ごめん、私、好きな人ができた、ごめん」
  まゆたんは店を出て行った。
  「明日、僕の誕生日・・・」
  そのゆるしの言葉はまゆたんには届かなかった。

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