目撃者(脚本)
〇墓石
三井 友彦 「お父さん、お母さん、只今戻りました! 生きて帰って来れた事に感謝します!」
三井 友彦 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
三井 友彦 「さて、あいさつも済んだし、家族の元へ戻ろうか!」
三井 真矢 「へっ・・・!」
三井 友彦 「・・・ただいま、戻ったよ真矢!」
三井 真矢 「お帰りなさい!あなた!」
友彦に抱きつく真矢
三井 友彦 「帰りが遅くなってすまない、雫は元気にしているかな?」
三井 真矢 「とても元気です!雫もあなたの帰りを待っていたました!」
三井 友彦 「はやく顔が見たいな!雫はどこにいるの?」
三井 真矢 「引田さんのお宅にいます、今は吉川さんという方が住まわれていて、雫を可愛がってくれています、雫も懐いてしまって・・・」
三井 友彦 「吉川さんか・・実は戦場で偶然に引田くんに会ってね、吉川さんの話は何回か聞いた事があるんだ」
三井 真矢 「そうなんですね、それでは、一緒にお礼も兼ねて挨拶に行きませんか?」
三井 友彦 「そうだね!お礼を言わないとね!」
三井 真矢 「ええ!行きましょう!」
〇大きな日本家屋
三井 友彦 「久々に来たけど、大きな家だなぁ!」
三井 真矢 「フフッ、見て下さい!あそこで雫が遊んでいますよ!」
三井 友彦 「本当だ!んっ?」
〇大きな日本家屋
三井 雫 「アハハハハッ!おいで猫ちゃん!」
ネコ「ミャオ!」
瀬尾 英作 「今日も元気だな!雫ちゃん!」
三井 雫 「うん!ここで遊ぶのが楽しいの!」
瀬尾 英作 「ハハッ!そうか!」
吉川 文代 「雫ちゃん!林檎食べる?」
三井 雫 「え!いいの!食べる!」
瀬尾 英作 「俺が切って来るから!文代さんは雫ちゃんと遊んでいて下さい!」
吉川 文代 「はい!」
〇大きな日本家屋
三井 友彦 「あの男は!・・・どうしてここに!」
三井 真矢 「どうかなさったのですか?」
三井 友彦 「あ、いや、・・・何でもない・・・」
三井 真矢 「あ、瀬尾さんですね!引田さんが亡くなった後に、ここに来られて、今は文代さんと一緒に暮らししているみたいです」
三井 友彦 「・・・そ、そうか・・・」
〇大きな日本家屋
三井 雫 「あっ!おとうさんだ!」
三井 友彦 「ただいま!雫!」
三井 雫 「わーい!お父さんが帰ってきた!わーい!」
吉川 文代 「良かったわね!雫ちゃん!」
三井 友彦 「いつも娘が、お世話になっております」
吉川 文代 「こちらこそ、雫ちゃんにはいつも元気をもらってます!」
三井 友彦 「真矢、ちよっと文代さんと引田くんの事で話しがしたいあるから先に雫と家に帰っていてくれないか?」
三井 真矢 「分かりました!雫、今日は帰りましょう」
三井 雫 「えーもっと遊びたい!」
三井 友彦 「帰ったらお父さんが遊んであげるから!それならいいだろう?」
三井 雫 「うん!いいよ!約束ね!」
三井 真矢 「じゃあ帰りましょう!」
吉川 文代 「またね!雫ちゃん!」
三井 雫 「うん!また遊びに来るね!」
三井 友彦 「改めまして、三井友彦と申します!」
吉川 文代 「吉川文代です!」
三井 友彦 「・・・・・引田くんから文代さんの話しは伺っていました・・・それでなんですが、これを・・・」
吉川 文代 「あっ!それ!」
三井 友彦 「馬鈴という物らしいですね・・引田くんが自分の身に何か合ったら渡してくれと頼まれていたんです・・・」
吉川 文代 「ありがとうございます・・・」
三井 友彦 「・・・春の祭りで夫婦になられる予定だった事は聞いています・・・」
吉川 文代 「ええ・・・けれど今は瀬尾さんと生活してる内に彼の優しさが身にしみて一緒に人生を歩んで行こうと考えております」
三井 友彦 「・・・そうですか・・・」
吉川 文代 「あ、馬鈴ありがとうございました!昇さんもきっと分かってくれるはずです!」
三井 友彦 「その・・申し上げにくいのですが・・瀬尾という男に関して、あまり信用しない方がいいと思います」
吉川 文代 「・・・何故ですか?・・・瀬尾さんはとても優しい人ですよ!」
三井 友彦 「・・・今から話す事を・・・どう捉えるかは文代さん次第です・・・」
吉川 文代 「・・・お話下さい・・・」
三井 友彦 「分かりました!驚かないで聞いて下さい!」
三井 友彦 「という事です」
吉川 文代 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
三井 友彦 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
吉川 文代 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
三井 友彦 「・・・それでは私は失礼致します」
吉川 文代 「・・・うそ・・・・よね・・・・・・・・・」
瀬尾 英作 「文代さん!林檎の皮剥いてきましたよ!」
吉川 文代 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
瀬尾 英作 「・・・・・・・・文代さん?」
吉川 文代 「はっ!あ、あの、雫ちゃんは帰りました!」
瀬尾 英作 「なんだ、じゃあ僕等で食べましょう!」
吉川 文代 「そ、そうですね!」
〇古いアパートの居間
瀬尾 英作 「・・・・・・どうしたんですか?文代さん?今日1日元気がないように見えますが・・」
吉川 文代 「・・・はい、少し考え事をしていまして・・」
瀬尾 英作 「なんですか?話して下さい!」
吉川 文代 「・・・あの、ですね」
瀬尾 英作 「はい・・・」
吉川 文代 「今日、雫ちゃんのお父様、三井友彦様がお見えになられました・・・戦地で瀬尾さんにお会いしていたみたいですね・・・」
瀬尾 英作 「・・・・・あっ!思い出しました!三井さんですね!」
吉川 文代 「・・・それで・・・その・・・ある事を言われまして・・・」
瀬尾 英作 「・・・何を言われたのですか?」
吉川 文代 「はい・・・・・・・・瀬尾さんが・・・」
瀬尾 英作 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
吉川 文代 「その・・・・・・」
瀬尾 英作 「僕がどうしました?」
吉川 文代 「・・・・・・引田さんを殺したと・・・・・」
瀬尾 英作 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
吉川 文代 「きっと何かの勘違いですよね?」
瀬尾 英作 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
吉川 文代 「英作さんが、そんな事するはずありませんよね!すいません私ったら変な事を言ってしまって!」
瀬尾 英作 「・・・そう・・・ですね・・・」
吉川 文代 「・・・英作さん?・・・」
瀬尾 英作 「ちょっと露天風呂に入って来ます!」
吉川 文代 「えっ!?・・・わ、分かりました・・・・・・」
瀬尾 英作 「それじゃあ行って来ますね!」
吉川 文代 (やっぱり、変な事聞いてしまったかしら? 戻って来たら謝ろう)
〇大きな日本家屋
吉川 文代 「・・・英作さん・・・戻って来ない・・・どうしたのかしら・・・」
〇神社の石段
吉川 文代 「・・・英作さ〜ん!いらっしゃいますか!英作さ〜ん!」
茂木 兵吾 「文代さんではありませんか?こんな夜にどうなされたのですか?」
吉川 文代 「茂木さん、英作さんを見かけませんでしたか?」
茂木 兵吾 「ああ彼なら夕方に露天風呂で見かけましたよ!ちょうど私とすれ違いで入って来ましたよ!」
吉川 文代 「そ、そうですか!」
茂木 兵吾 「彼を探しているのですか?」
吉川 文代 「はい、夕方に出て行った後に戻って来なくて」
茂木 兵吾 「・・・ほう・・・何か原因があるのですか?」
吉川 文代 「はい・・・よければ家の中で話しを聞いて頂けませんか?」
茂木 兵吾 「ええ構いませんよ」
〇白
オオ!! これは面白いですね😁
本格的にドラマチックな大河ストーリーじゃないですか‼
文学的ですね‼
一体真実はどこに?
誤解があるなら、彼は何をどう見たのか…。
ちょっと考えてから、次を読みたいと思いました。
楽しみです😃
ビックリな展開が!2人はどうなる!!
文代さんに知らされるまさかの事実。いやー驚きました!そして英作さんは何処に!?
なかなか訪れない文代さんの安寧の日々、彼女に感情移入してしまって胸が苦しくなります。。。