エピローグ〜あなたの人生、180度変わりました〜(脚本)
〇病院の診察室
「・・・ふふ、ふは、やったわ」
アオバレイコ「あの医者を・・・ ヒラギノカオルを、ぶっ潰したわ!!」
アオバレイコ「これでもう、私の邪魔者は いなくなった」
アオバレイコ「あとは全て私のやりたいようにやるだけ! ははっ、なんて素敵なのッ!」
「・・・オバ・・・レイコ・・・」
アタラシミサコ「アオバ、レイコォォォォ・・・」
アオバレイコ「・・・あら、アンタ生きていたの」
アオバレイコ「腕の骨をへし折ったはずだけど 今更どうしたのよ?」
アタラシミサコ「よくも、ヒラギノカオルを、 やりやがって・・・」
アタラシミサコ「あの医者は・・・私の身体を治す、 唯一の希望だったのに・・・!」
アオバレイコ「ふん、何だ、そんなこと」
アオバレイコ「別に、化け物のままで良いじゃない」
アオバレイコ「あんたが人間になったところで」
アオバレイコ「誰も、 あなたを受け入れてくれやしないわ」
アオバレイコ「ならいっそ、化け物として 生きていた方がずっと良いんじゃない?」
アタラシミサコ「アオバレイコォォォォ!!」
アオバレイコ「──!!」
アタラシミサコ「呪っでやる・・・ ギザマをノロッデヤル・・・」
アタラシミサコ「オオオオオオオォォォォ」
アオバレイコ「な、何なのよ こいつのこの姿・・・」
アオバレイコ「私に・・・触るなッ ヘドロ野郎がァ!!」
アタラシミサコ「がアアアアッ!!」
アオバレイコ「・・・しつこい奴ッ そろそろくたばりなさいよ!!」
アオバレイコ「これで・・・アンタもッ この部屋も、ぶっ飛ばしてやる!!」
〇黒背景
〇血しぶき
・・・んで・・・どうして・・・
「どうして・・・ 生きているのよ・・・」
アオバレイコ「ヒラギノ、カオルッ・・・!!」
ヒラギノカオル「・・・ひひ 先程はどうも、アオバレイコさん」
〇病院の診察室
アオバレイコ「ぐぐっ、体が・・・ 動かないッ・・・!!」
ヒラギノカオル「ええ、あなたを自由にしておくのは 危ないのでね」
ヒラギノカオル「あなたの動きを止めさせていただきました」
ヒラギノカオル「しばらく、そのままでいてください」
アオバレイコ「ぐっ・・・ それにしても、おかしい、わよ」
アオバレイコ「私はさっき、あなたを倒したはず!!」
アオバレイコ「それはどう説明するつもりよッ!!」
ヒラギノカオル「・・・やれやれ 頭の悪い化け物ですねえ」
ヒラギノカオル「私は人を改造するのが 得意なんですよ?」
ヒラギノカオル「なら、自分の身体だって 好きに改造するでしょう」
アオバレイコ「・・・!! 自分を改造、ですって・・・!?」
ヒラギノカオル「私もバカじゃないんでね」
ヒラギノカオル「私の化け物が、私に反抗する可能性も もちろん考えていましたよ」
ヒラギノカオル「だから、自分の肉体を ちょいと強化してたんです」
ヒラギノカオル「だから、ちょっとやそっとの攻撃じゃあ 私を殺すことはできません」
ヒラギノカオル「・・・残念ながら、ね」
アオバレイコ「くっ・・・!」
ヒラギノカオル「・・・それにしても、 本当にガッカリですよ」
ヒラギノカオル「いくら予想していたとは言え」
ヒラギノカオル「自分の作品に裏切られるのは ・・・あんまり良い気分ではありませんね」
アオバレイコ「!!」
ヒラギノカオル「やっぱり、身体だけではなく、 心の教育も必要でしたか」
ヒラギノカオル「今回は私、死なずに済みましたけど、」
ヒラギノカオル「次は、きっとアウトですからね」
ヒラギノカオル「やっぱ、 復讐心を伸ばすだけじゃダメかあ」
ヒラギノカオル「もっと、良い子ちゃんに育てないと」
ヒラギノカオル「生みの親とも言える私を尊敬し、 歯向かうことのないように」
ヒラギノカオル「・・・ね? レイコちゃん?」
ヒラギノカオル「全く、ダメでしょ 親を傷つけたりなんかしちゃ」
ヒラギノカオル「私、あなたのことを愛してるから、」
ヒラギノカオル「こうやって注意するんだよ?」
ヒラギノカオル「かわいいレイコちゃんなら、 私の言うこと、わかってくれるよね?」
アオバレイコ「わ・・・わかるか、そんなもん・・・ このドグサレ野郎がッ・・・」
ヒラギノカオル「・・・あらあら、 親にそんな口の聞き方しちゃって」
ヒラギノカオル「・・・そんな悪い子には」
ヒラギノカオル「こりゃあ、おしおきしなくちゃだよね♡」
ヒラギノカオル「だから、最後の整形は 大・大・大サァァァビィィィス♡」
アオバレイコ「・・・!?」
ヒラギノカオル「いつもは痛みを感じないように 麻酔を打ってあげるんだけど」
ヒラギノカオル「今回は、と・く・べ・つ・に 麻酔なしでヤってあ・げ・る」
アオバレイコ「・・・ッ!!」
ヒラギノカオル「さぁーレイコちゃん始めましょう 出来上がりをお楽しみにね♡」
アオバレイコ「アッ、アガッ、 アアアアア"ア"ア"ア"ッッ!!」
〇病院の診察室
──2時間後──
「・・・はい、終わりましたよ」
ヒラギノカオル「おめでとうございます とっても素敵な顔になりました」
「・・・う・・・」
ヒラギノカオル「今はまだ安静にして」
ヒラギノカオル「一時間後。 見てみてください」
「う・・・あ・・・」
ヒラギノカオル「・・・おやおや 眠ってしまいましたか」
ヒラギノカオル「ま、無理もありませんね 麻酔なしだったんですから」
ヒラギノカオル「よくぞ耐えましたよ さすがは私の作品ですね」
ヒラギノカオル「あとで、思いっきり ヨシヨシしてあげますからね♡」
「・・・あの」
アタラシミサコ「私のこと・・・ちゃんと 治してくれますよね・・・?」
ヒラギノカオル「・・・おやおや、アタラシミサコさん どうしました?」
アタラシミサコ「だ、だから、約束・・・」
アタラシミサコ「私を自由にしてくれる、って・・・」
ヒラギノカオル「・・・ふむう」
ヒラギノカオル「でもお前、 何の役にも立ってねェェじゃん」
アタラシミサコ「!!」
ヒラギノカオル「そもそも、テメェがちゃんと あいつを押さえてなかったから、」
ヒラギノカオル「私があいつに襲われるハメに なったんだろうがよ」
ヒラギノカオル「それをわかって言ってんのかよ? え?」
アタラシミサコ「くっ・・・!!」
ヒラギノカオル「・・・まあ、でも、 私も鬼じゃないんでね」
ヒラギノカオル「良いでしょう 特別に、あなたを元の姿に戻してあげましょう」
アタラシミサコ「・・・!!」
ヒラギノカオル「ただし、」
ヒラギノカオル「大して強くもねェアンタに 麻酔なしの施術が耐えられたら・・・ね♡」
アタラシミサコ「ア・・・ア・・・」
〇病院の診察室
──1時間後──
「・・・う・・・」
「おはようございます」
ヒラギノカオル「気分はどうですか? 何か気になるところはないです?」
「身体中が、痛いわ・・・」
「私、何して・・・ ・・・あああああああッ!!」
「ヒラギノカオルゥ・・・ よくもあんた、平気で私に顔を出せるわねェ・・・」
ヒラギノカオル「もちろんですよ 私、あなたの親ですからね」
「何が親よ・・・ったく・・・」
「身体が、動かないッ・・・!!」
ヒラギノカオル「ええ、ええ、そうです もうしばらくそのままでいてくださいね」
ヒラギノカオル「あなたに伝えなければいけないことが ありますので」
「何よ、伝えたいこと、って・・・」
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このバッドエンド、胸がドキドキザワザワしてしまいます!全てはヒラギノカオル先生の掌の上、恐るべしです!
読み応えのある新感覚の力作ホラー、本当にありがとうございました。
こ、こんな結末は……大好きです! バッドエンドはホラーの醍醐味ですよね!
これまでのお話を襲う側視点で楽しんできた分、襲われる側に回った恐怖にゾクゾクしました。麻酔なしの手術とか怖いです……! きっと第三、第四の被害者が現れるのでしょう。連鎖が止まらないあたり、最高にホラーしてますね!
干からびた人の皮みたいなアイテムやダメージのエフェクトの使い道がうまいな~と思いました。
おもしろかったです!!