灯(脚本)
〇山中の川
瀬尾 英作 「着きましたよ!」
吉川 文代 「こんな所に川が流れてるんですね!知りませんでした!」
瀬尾 英作 「子供の頃によく来ていたんですよ!もう少しで蛍もみれますよ!」
吉川 文代 「蛍ですか?綺麗ですね!」
瀬尾 英作 「ハハッ!夜に来ると少しだけこわいんですよ」
吉川 文代 「でも、美しい光景が目に浮かびます!」
瀬尾 英作 「今度、灯りをもって来ましょう!」
吉川 文代 「楽しみです!」
瀬尾 英作 「それでは・・・魚を捕まえましょう!文代さんは見ていて下さい」
吉川 文代 「はいっ!」
腕をまくり川に入る英作
瀬尾 英作 「よっ!」
吉川 文代 「頑張って下さい!」
瀬尾 英作 「あわわっ!逃げられた!も、もう一度!」
吉川 文代 「フフッ!」
瀬尾 英作 「どうですか!文代さん!これだけ取れました!」
吉川 文代 「わぁ凄いですね!」
瀬尾 英作 「はははっ!これだけ取れれば十分です!戻りましょう!」
吉川 文代 「そうですね!お魚の鮮度が落ちない内に帰りましょう!」
吉川 文代 「きゃ!」
川に足を滑らせて落ちる文代、それを受け止める英作!
瀬尾 英作 「大丈夫ですか!文代さん!」
吉川 文代 「は、はい!私は大丈夫です!」
瀬尾 英作 「良かったです!」
吉川 文代 「でも・・・両方浴衣が濡れちゃいましたね!」
瀬尾 英作 「本当ですね!でも歩いていれば、そのうちすぐ乾きますよ!」
吉川 文代 「そうですね!あははははっ!」
瀬尾 英作 「ヘヘッ帰りましょう!」
〇草原
吉川 文代 「今日は久々に声を出して笑いました!瀬尾さんのおかけですね!」
瀬尾 英作 「いえいえ、俺なんか何の役にもたってませんよ!それよりもいい気分転換になましたか?」
吉川 文代 「はい!暗い気持ちになっていましたがスッキリしました!」
瀬尾 英作 「行った甲斐がありましたね!」
吉川 文代 「本当ですね!」
瀬尾 英作 「んっ?」
ネコ「ミャ!」
吉川 文代 「あら、ネコ!可愛い!」
ネコ「ミャア〜!」
瀬尾 英作 「あっ!魚持ってるから着いてきたんだな!」
吉川 文代 「フフッ!お腹空いてるのかしら?一緒にお家来る?」
ネコ「ミャオ!」
瀬尾 英作 「調子いいヤツ!」
吉川 文代 「誰かさんみたいですね!」
ネコ「ニャァ!」
〇大きな日本家屋
瀬尾 英作 「本当に着いてきたんだな!今すぐ魚焼いてやるよ!」
吉川 文代 「残りのお魚は家の中で預かっておきますね!」
瀬尾 英作 「待ってろよ!今、火を付けてやるからな!」
瀬尾 英作 「よし!着いた!」
ネコ「ミャオ!ミャオ!」
瀬尾 英作 「この家に住むか?」
ネコ「ミャ!」
瀬尾 英作 「そうか!そうか!あっはっは!」
〇古民家の居間
クシュン!
吉川 文代 「川に入ったから体か冷えたかも」
瀬尾 英作 「大丈夫ですか?文代さん?裏山の温泉にでも入って温まったらどうですか?」
吉川 文代 「で、でも、この時間帯は男性が入る時間なので・・・」
瀬尾 英作 「俺が入り口付近で男が来ないよう見張ってるんで、入って下さい!」
吉川 文代 「で、でも・・・」
瀬尾 英作 「あっ!俺は絶対覗きませんから!」
吉川 文代 「分かりました、それでは見張り番お願いしますね!」
瀬尾 英作 「お任せ下さい!」
吉川 文代 「とりあえず浴衣着替えて来ます!」
瀬尾 英作 「あっ!俺も着替えよ!」
〇露天風呂
吉川 文代 「じゃあ、見張っていて下さいね!」
瀬尾 英作 「まかせて下さい!」
吉川 文代 (この時間帯に景色を見ながら湯に浸かれるなんて最高ね!)
〇森の中
瀬尾 英作 「ここは、のどかでいい場所だなぁ!」
瀬尾 英作 (・・・はぁ、それにしても、あの時の出来事を正直に話そうか、どうしようか・・・・もし今話したら・・・)
瀬尾 英作 「んっ?今何か動いたような!?」
瀬尾 英作 「何だ?」
瀬尾 英作 「誰だ!誰かいるのか!」
オオカミ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
瀬尾 英作 「オオカミ!」
オオカミ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
瀬尾 英作 「くっ!な、何か武器になるものは・・・」
瀬尾 英作 「く、来るなら来い!」
オオカミ「・・・グルル・・・」
オオカミ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
瀬尾 英作 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
瀬尾 英作 「いなくなった・・・ハァ、と、とりあえず、助かった!」
瀬尾 英作 「・・・オオカミか・・・善人を守護し、悪人を罰するという山の神様だったな、俺は一体、善人と悪人どちらだったのだろうか?」
瀬尾さーん!どこですか!
瀬尾 英作 「ここにいます!今そちらに向かいますね!」
〇露天風呂
吉川 文代 「おかげさまでゆっくり温まる事ができましたよ!ありがとうございます!」
瀬尾 英作 「それは、良かったです!さぁ、湯冷めしない内に戻りましょう!」
吉川 文代 「ですね!」
〇大きな日本家屋
三井 雫 「よしよし!」
ネコ「ニャア!」
三井 雫 「フフッ!」
吉川 文代 「あらっ!雫ちゃん!」
三井 雫 「こんにちは!猫ちゃん可愛いですね!」
瀬尾 英作 「魚あげたら懐いて来たんだよ!」
三井 雫 「いいなお魚・・・近頃食べてないな」
瀬尾 英作 「そうなのか?腹減ってんだろ!焼いてやるよ!」
三井 雫 「えっ?本当!」
瀬尾 英作 「ああ!川魚だけど、案外美味しいんだぜ!」
三井 雫 「食べた〜い!」
吉川 文代 「フフッじゃあ皆で食べましょうか!今、用意するから待っててね!」
瀬尾 英作 「じゃあ魚を焼く準備しないとな!」
三井 雫 「私も一緒にしたい!」
瀬尾 英作 「ああ、一緒にしようぜ!落ち葉や木を集めて・・・いくぞ!」
瀬尾 英作 「そりゃ!」
三井 雫 「わぁ!すご〜い!」
瀬尾 英作 「あんまり近寄ると焦げちゃうぞ!」
三井 雫 「こわ〜い!アハハッ!」
〇大きな日本家屋
〇大きな日本家屋
〇大きな日本家屋
〇大きな日本家屋
〇大きな日本家屋
〇古民家の居間
吉川 文代 「おはようございます!」
瀬尾 英作 「おはようございます文代さん!」
吉川 文代 「今日はいい天気ですので一緒にお散歩でもどうですか?」
瀬尾 英作 「いいですね!行来ましょう!」
〇桜の見える丘
吉川 文代 「・・・英作さんがやって来てあっという間に一年が過ぎましたね・・・最初は変な人だと思ってましたけど・・・温かい人でした」
瀬尾 英作 「ヘヘッ!照れるなぁ!・・・僕は文代さんの笑顔に惹かれて一年経ちましたよ!」
吉川 文代 「え、そ、そんな!」
瀬尾 英作 「茶化さず言いますが、文代さんの事を守りたいです!僕と一緒に人生を歩んでくれませんか?」
吉川 文代 「と、突然どうしたんですか!」
瀬尾 英作 「・・・貴方の中に昇がまだ存在しているのは承知です、それで構いません!貴方でなければならないのです!」
吉川 文代 「分かりました!少しだけ気持ちを整理する時間を下さい・・・8日後の春のお祭りの時にお返事させて下さい!」
瀬尾 英作 「良い返事を期待しています!」
吉川 文代 「フフッ」
〇桜の見える丘
〇古民家の居間
ネコ「ミャア〜オ」
瀬尾 英作 「ご飯か?おいで!」
吉川 文代 (私も前に進まないといけないわね! 昇さん、私は英作さんと一緒に歩いて行きたいと思います!見守っていて下さい!)
「文代さ〜ん!この野菜あげてもいいかなぁ〜」
吉川 文代 「あっ!ちょと待って下さい!」
とても良いエピソードですね!物語の展開が早く感動させる作品とは違い、ゆっくりと暖かみある作品ですね!
文代さんと英作さん、このように穏やかに2人の距離を縮める関係性ってステキですね。だからこそ、英作さんの言えないこととは何か、重大な秘密のようで気になりますね!