〇武骨な扉
ニュイ「闇の王を封印しなくちゃ いけないからって」
ニュイ「そのためにロワンが いなくなるなんてヤだ！」
ロワン「僕にそんな力なんてないよ」
ロワン「クリスタル自体にキャスクの魔力や いろんな力がこもってたんだろうね」
ロワン「でもあのクリスタルは 僕が目覚めたときに割れてしまったから」
ロワン「どこかに同じものがあれば いいんだけど・・・」
シャグラン王太子殿下「それについては今 アンヌさんたちが」
シャグラン王太子殿下「ダークドヴェルグに 聞き込みをしています」
ニュイ「姉さんたちが？ ダークドヴェルグに？」
シャグラン王太子殿下「城が国中を走り回ったことで 闇の王の目覚めが近いと」
シャグラン王太子殿下「国中のダークドヴェルグに 伝わりましたからね」
シャグラン王太子殿下「ずっと気ままにやってきた ダークドヴェルグたちには」
シャグラン王太子殿下「支配者の今さらの帰還は 都合が悪いようで」
シャグラン王太子殿下「皆さん協力的で」
シャグラン王太子殿下「おかげで、英雄アルミュールが 闇の王を封印した方法については」
シャグラン王太子殿下「すでに把握できています」
ニュイ「どうやったの？」
シャグラン王太子殿下「その説明はあとで、ね」
シャグラン王太子殿下「それよりも闇の王が封印されている 場所についてですが」
ロワン「そちらは見当がついています」
ニュイ「あ！　それ、ぼくもわかる！ トープと戦ったときに」
ニュイ「お城の下についてた紋章を見たもん！ 闇の王がいるのはお城の地下室！」
ロワン「ああ 僕らの足の下にアルミュールの・・・」
ロワン「僕の恋人の仇がいるんだ・・・!!」
グルナ「きゃああ！」
ニュイ「ああ！　塔が崩れて グルナ姉さんが下敷きに！」
シャグラン王太子殿下「いえ！　うまく隙間ができて 生きています！」
グルナ「あ、足がはさまって・・・」
シャグラン王太子殿下「早く助けないと・・・」
ニュイ「ああ！　地面が割れて・・・！ 何か出てくる!!」

〇壁
闇の王「ぎゅおおおおおおん!!」
ニュイ「あ・・・ああ・・・!! まさかこいつが・・・」
ニュイ「闇の・・・王・・・？」
ニュイ「怖い・・・」
ニュイ「恐い・・・」
ニュイ「威圧感があって・・・」
ニュイ「まがまがしい・・・」

〇武骨な扉
ロワン「ここは僕が食い止める！」
ロワン「ニュイと王子様は その人を連れて逃げてくれ！」
ロワン「大丈夫 これでも僕もダークドヴェルグだ」
ロワン「闇の王の状態は感じ取れる やつはまだ夢うつつだ」
ロワン「遅れは取らない」
　　ロワンはデジール王子が
　　落としていった剣を手に取った
シャグラン王太子殿下「気をつけてください！ 闇の王をただ倒しても」
シャグラン王太子殿下「次の闇の王が 別の場所に生まれ出るだけです！」
シャグラン王太子殿下「くれぐれも闇の王を 倒してしまわないように！」
ロワン「心配いりません！　 魔力のこもらないただの剣なら」
ロワン「闇の王をいくら斬っても 殺す恐れはない！」

〇壁
シャグラン王太子殿下「ニュイ君！　そっちを押さえて！」
ロワン「タァッ！」
ロワン「ハッ！」
ロワン「くっ・・・！」
シャグラン王太子殿下「よし！　抜けた！ 立てますか？　グルナ！」
グルナ「は・・・はい・・・」
ニュイ「あっ！　ロワン!!」

〇武骨な扉
シャグラン王太子殿下「いけない！ 闇の王を倒しては！」
ロワン「え？　何で？」
ロワン「何で闇の王が ただの剣で死ぬんだ？」
ロワン「違う！　こいつは・・・」
ロワン「この肉体は 姿はこんなでも人間のものだ！」
ロワン「うグッ!?」

〇モヤモヤ
ロワン「闇が僕の中に入ってくる!?」
ロワン「違う！　闇が僕の中から あふれ出しているんだ!!」
ロワン「そうか！　闇の王を 封印した方法というのは・・・」
ロワン「死んだ闇の王が 新たに生まれ出る場所を」
ロワン「殺したモノの体内に 指定する魔術だったのか！」
ロワン「それじゃあ僕が刺しているのは・・・ 僕が殺してしまったのは・・・」
ロワン「千年前に闇の王を倒した英雄・・・」
ロワン「うそ・・・だろ・・・」
ロワン「アルミュール!!」
ロワン「ああ！　次の闇の王が僕に！ 僕が次の闇の王に・・・！」
ロワン「うわああああああ!!」
ニュイ「ロワン!!」

〇武骨な扉
シャグラン王太子殿下「ニュイ君！　危ない！」
ロワン「ぐおおおお!!」
闇の王「・・・美味ソウナ子供・・・」
ニュイ「え？」
闇の王「・・・久シブリノ食事・・・」
闇の王「喰イ尽クス!!」
ロワン「ダメ・・・だ・・・」
ロワン「この勢いで喰らえば ニュイの命に関わる・・・」
　　ダカラ　ドウシタ
　　ヤミノオウ　二　トッテハ
　　アタリマエ　ノ　コト　ダ
　　クラエ
　　ソノ　コヲ　クラエ
　　クイツクセ
　　クイコロセ
　　オマエ　ハ　ヤミノオウ　ナノダカラ
ロワン「うわああああああああああ!!」
ニュイ「待って！　ロワン！」
シャグラン王太子殿下「行ってはいけません！　ニュイ君！」
シャグラン王太子殿下「あの人は君を傷つけまいと しているのです」
シャグラン王太子殿下「忘れてはいけません 君は無力なただの子供です」
シャグラン王太子殿下「君があの人のためにできるのは 安全な場所にいることだけです！」
ニュイ「そんな・・・」
ニュイ「そんなの・・・ヤだ・・・！」