原初の精霊魔術 秘蔵の精霊と秘匿の魔導書

ちぇのあ

エピソード1(脚本)

原初の精霊魔術 秘蔵の精霊と秘匿の魔導書

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〇大広間
王様「『勇者よ・・・勇者よ。』」
真樹「『・・・?』」
  目を開ければ幻覚なのか、冠を被った髭の伸びた男にその周りを護衛する兵士。
王様「『よくぞ来た、魔導書の勇者よ。』」
真樹「『え・・・?』」
  必死に記憶を辿る。
  俺はただの大学生で下校しオルゴールを買い箱に入っていた魔導書を電車で読んでから寝ていただけだ。
  まさかここはあの本の世界なのか?
女神官「『どうか世界の為、混沌をもたらす邪神をお討ち取り下さい。』」
  長く崇めていた神が暴走し始めた。
  凶作飢饉に鉱物や水資源まで枯渇し争いが激化、各国の不戦条約まで撤廃。
  大枚を叩いて俺を召喚したと言う。
伝令兵「『王様!精霊が攻め込んで来ました!』」
王様「『なんじゃと!早く迎撃せよ!』」
伝令兵「『信徒の大半が寝返りました!早くお逃げください!ぐあっ!』」
  火矢が深く刺さり地に伏す伝令兵。
  見ると視界の端に弓を構える者の姿が映る。
  なんて強弓だ。
王様「『早く護衛せよ!』」
  僅かな護衛兵を連れ逃亡する王。
  取り残された事に気付き、急ぎ走る。
真樹「『なっ・・・!。』」

〇火山の噴火
  窓から見えるのは火の海だ。
  夢中で身を守り追跡から身を隠し灰に瓦礫の中にまみれ夜を明かす。

〇荒廃した市街地
真樹「『・・・生きているのか?』」
  何度も死んだと思う場面に遭遇したが、勇者としての補正なのか奇跡が起きたのか致命傷は免れた。
  不意に空から舞う紙が目の前に落ちる。
真樹「『討伐一覧の世界地図か。』」
  瓦礫の中を物色するが使えそうなものは無い。
真樹「『全ての国が既に攻め込まれたのだろうか。』」

〇森の中
  街道を避け木立を通り、地図を頼りに精霊のダンジョンに近い国へ立ち寄る。

〇西洋の街並み
真樹「『この国は賑わっているな。』」
想里愛「『そうだよ、ここには辣腕な猛者達が集っている。それにあたしが守ってる。』」
真樹「『なるほど、追い返せるのか。』」
  笑顔で話し掛けた少女の名は想里愛。
  邪神の眷族である精霊達が結託し各地が攻め込まれていると言う。
  次はここに来るらしい。
想里愛「『素敵な魔導書だね。』」
真樹「『勇者だからね。』」
想里愛「『えっ!本当?』」
  自身の持つ魔導書を開き彼女に使い方を教わる。
想里愛「『本当に魔導書の勇者様だぁ♪』」
  本来は座学や実習で経験を積む必要があるが、勇者ならば本人の意思一つで術式を展開し使用できるらしい。
想里愛「『あたしが鍛えてあげるね♪』」

〇けもの道
  稽古を付けてもらう。
  基礎的な攻防や術式を教わる。
  木立の中にいる魔物を倒し経験を積む。

〇西洋の街並み
真樹「『ありがとう、恩に着るよ。』」
想里愛「『素質があるね、あたしも心強いよ!』」
  街の喧騒がより騒がしくなる。
  精霊達が攻め込んできたらしい。
想里愛「『行かなきゃ!』」
真樹「『おう!』」

〇荒廃した街
  彼女に続き駆けると冒険者達が次々と倒されている。
瑠璃海「『張り合いなーい。』」
里乃愛「『そんなこと言わないの。ダンジョンのみんなの脅威は消さないと。』」
祭「『あれ、まだ人いたんだ。』」
  瞬時に接近し、想里愛と祭の魔力が比肩する。
祭「『ボクの精霊刀に競り合うとは只者じゃない。』」
  ボクっこが距離を置き遠距離の攻撃魔法で牽制する。
絵琉桜(想里愛のイラスト画像に変更希望)「『想里愛ちゃん!?』」
想里愛「『絵琉桜ちゃん!』」
  少女達と僕が呆気に取られる。
  再開を感動する二人。
祭「『ボク達にもう一人仲間の精霊がいた?』」
里乃愛「どう証明するの?」
想里愛「『アンチ・マジック!』」
絵琉桜(想里愛のイラスト画像に変更希望)「『アンチ・マジック!』」
瑠璃海「想里愛ちゃん?」
  邪神に抹消された想里愛の記憶を取り戻したようだ。
瑠璃海「『でも樹乃愛ちゃんにはお洋服買ってもらってるし。』」
祭「『ボクは樹乃愛に誉められたいの。』」
里乃愛「『記憶を取り戻してくれてありがとう。でも神様を裏切れない。』」
  話し合いが始まる。
  元々は仲良しだったのだ。
  きっとうまくいく。
想里愛「『樹乃愛ちゃんの悪戯で世界中の人が悲しむの。ダンジョンでもそうなったら嫌でしょ?』」
里乃愛「『里乃愛が間違ってたよ。』」
絵琉桜(想里愛のイラスト画像に変更希望)「『優しかった頃に戻してあげれば誉められるし、街の皆も感謝するよ。』」
祭「『ボクが優しい頃に戻す!』」
真樹「『全財産で今からお洋服を買ってあげるよ!』」
瑠璃海「『さすが勇者!私が居れば千人力だよ!』」
  冷めた目で見られているのは俺の気のせいだろうか?
  頼もしい味方が加わり、魔導書の情報交換が行われる。
絵琉桜(想里愛のイラスト画像に変更希望)「『あった!』」
想里愛「『この本にも秘匿された術式が施されていたね。』」
  体に魔力が漲るのを感じる。
  知識を共有し、精霊達の持つ魔導書も解読され、大幅に魔力が強化される。
  オルゴールを魔導書に聞かせる事が魔力解放の鍵だった。
祭「『誉められるのも善も急げだから、さっそく樹乃愛の所まで行くよ!』」

〇古びた神社
  転移魔法で神様の元へ着く。
  目の前に樹乃愛が居て怒っている。
樹乃愛「『ずっと見てたよ。お洋服の贈呈の負担も、翠の勝手な侵略も、永遠に想里愛の話をし続ける絵琉桜も』」
樹乃愛「『あたしを倒しに皆を唆した勇者と想里愛も皆許さないんだから!』」
  戦いは均衡したが連携した六方向の挟撃に仕掛けられた大技も複合結界を張り完封。
  優勢に戦う。
  戦いの末に想里愛が話し合いを設け樹乃愛のストレスの原因となった精霊達に気を遣う事を条件に
  想里愛達と樹乃愛の和解が成立し世界平和が訪れた。

コメント

  • すごいスピードで展開していくお話に目が離せませんでした。
    勇者になってからは、いろんな能力が備わってるみたいですね。
    彼女たちのサポートもあるんで、怖いものなしですね。

  • 内容の濃いストーリーで面白かったです。絵流桜や想理愛等,登場人物の名前にも独創的で,著者のこだわりが詰まっている作品だと思いました。

  • あっという間に色々なことが起きて目が離せませんでした。登場人物みんな心の底に良心があって、優しい気持ちになりました。ハッピーエンドで本当によかったです。お洋服買ってもらってるのが可愛いですね。

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